タイから届いた映画「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」は、ふたごの姉妹監督によるふたご姉妹の物語だ。

　主人公は、一卵性双生児の姉妹、ユーとミー。

　生まれてからこれまで姉妹は、一緒に行動して隠し事ひとつなく同じ時間を共有してきた。

　しかし、世の中がY2K問題で世界の終わりとざわついていた1999年、中学生でちょっと多感、異性への興味が増したこのとき、二人の前にハーフでちょっとイケてる同級生のマークが現れる。

　映画は、ひとりの男子の出現で、関係が揺らぎ始めた姉妹の戸惑いと葛藤、嫉妬と対立、それでも途切れることのない絆が、ポップに切なく描き出される。

　手掛けたワンウェーウ&ウェーウワン・ホンウィワット姉妹も本作の主人公姉妹と同様に一卵性双生児の姉妹。自伝ではないが、作品には随所に二人の実体験も含まれているという。

　映画長編デビューを果たし、注目を集めるタイのふたご姉妹監督に訊く。

プロデューサーのバンジョン・ピサンタナクーンについて

　本編インタビューに続く今回の番外編は、姉妹のプロフィール的な話を中心に。

　その前に、「心霊写真」や韓国のナ・ホンジン監督がプロデュースを務めた「女神の継承」などで知られるホラーの名手、バンジョン・ピサンタナクーンが参加。彼が初めて自分以外の監督のプロデューサーを務めた一作になる。

　彼にプロデューサーを務めてもらった経緯はどうやって決まったのだろうか？

ワンウェーウ「これはもう光栄としかいいようがないんですけど……。

　実は、わたしたちが書いた脚本を彼が読んでくれて、とても気に入ってくださったんです。

　その流れで、プロデューサーも引き受けてくださったんです。

　わたしたちふたりにとって初めての映画監督作品になりますから、経験豊かで映画現場を知り尽くしている彼にプロデュースをお願いできたことは、ひじょうに心強かったです。

　実際、彼はいろいろと力になってくれました。

　撮影現場でも、なにか足りたい点があれば即座にしてくれましたし、キャストの俳優たちにもいろいろとアドバイスをしてくれました。

　現場でなにかトラブルがあっても、うまく回避していい方向へ先導してくれました。

　脚本をブラッシュアップしていく段階から撮影に至るまで、わたしたちに常に的確なアドバイスをしてくれました。

　ほんとうに最後の最後までわたしたち姉妹の映画作りに付き合ってくれて、映画の終盤の部分の編集は過酷を極めて編集室にこもりっきりだったんですけど、そこにもずっと立ち会ってくれました。

　新人のわたしたちにほんとうに我慢強く広い心で接してくれたことに感謝しています。

　彼からは映画を広い視野で見ることで映画ががらっと表情を変えることを学びました。

　今回の経験というのは今後のわたしたちの映画作りに確実につながっていくと思います」

映画監督を目指すようになったきっかけは？

　では、今回念願となる映画監督デビューを果たしたわけだが、監督を志したきっかけはいつだったのだろうか？

ワンウェーウ「実は、それほど早くないんです。わたしが映画というか映像に興味をもって本格的に取り組んでみたいなと思ったのは、大学生のころからでした。

　そのころからショートムービーを作り始めました。その流れでメディアに興味をもって、ビジュアルアートのようなことにも関心を寄せるようになりました。

　そういったことがいろいろと組み合わさっていくうちに、これって映画でならすべて表現できるのではないかと思って、それで映画の監督をやりたいなというふうに意識が向いていきました」

ウェーウワン「わたしはワンウェーウに誘われるがままというか（笑）。

　ワンウェーウに一緒に映像制作をやってみないかと誘われてやり始めて、ドラマの脚本を一緒に書いたり、ドラマの演出をしてみたりとなってだんだんと映画に興味をもっていって現在に至るといった感じです」

　今後もふたりで映画を作っていくのだろうか？

ワンウェーウ＆ウェーウワン「そうですね。ふたりで一緒に作り続けていけたらいいなと思っています」

（番外編終了）

【「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」姉妹監督インタビュー第一回】

【「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」姉妹監督インタビュー第二回】

【「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」姉妹監督インタビュー第三回】

【「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」姉妹監督インタビュー第四回】

「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」

監督・脚本：ワンウェーウ&ウェーウワン・ホンウィワット

プロデューサー：バンジョン・ピサンタナクーン

出演：ティティヤー・ジラポーンシン、アンソニー・ブイサレートほか

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