米海兵隊の新型対艦兵器「NMESIS」の緑色塗装の実戦部隊向け車両が公開
アメリカ海兵隊の次期主力兵器である無人地対艦ミサイル車両「NMESIS(ネメシス)」の実戦部隊向け車両が公開されています。これまでNMESISの開発試験車両は砂漠用の砂の色の塗装でしたが、対中国用でアジア方面で使う前提の実戦部隊向け車両は緑色の塗装が施されています。
ただし対艦ミサイル「NSM」を収納するキャニスターは艦艇用の灰色の塗装のままです。本来は艦対艦用のNSMを地対艦用にしているので今はこのようになっていますが、今年の2023年度中に予定されている本格的な配備時にはおそらくキャニスターも緑色に塗装されている物が用意されるでしょう。
2nd Bn., 11th Marines becomes first Marine unit to fire NMESIS missiles [Image] - DVIDS
2023年6月28日、カリフォルニア州ポイント・マグー海軍航空基地で、アメリカ海兵隊の第1海兵師団第11海兵連隊第2大隊フォックス中隊がNSM対艦ミサイルを発射。これがNMESISを操作し発射した最初の海兵隊の部隊となりました。なおNMESIS宣伝用の動画もDVIDSから2本公開されています。
- 2nd Bn., 11th Marines becomes first Marine unit to fire NMESIS missiles [動画その1] - DVIDS
- B-roll: 2nd Bn., 11th Marines becomes first Marine unit to fire NMESIS missiles [動画その2] - DVIDS
今回のカリフォルニア州の第1海兵師団第11海兵連隊でのNMESISの運用は試験的なもので、まだ車両には試験用の機材やマーキングが施されています。本格的な実戦用のNMESISの部隊は2023年度中にハワイを拠点とする第3海兵沿岸連隊(第3MLR)で発足する予定となっています。NMESISを装備した海兵沿岸連隊はハワイ、沖縄、グアムの3カ所で発足する予定です。
- ハワイ:第3海兵沿岸連隊(第3海兵連隊を改編済み)
- 沖縄:第12海兵沿岸連隊(第12海兵連隊を改編予定)
- グアム:第4海兵沿岸連隊(第4海兵連隊を改編予定)
※海兵沿岸連隊(MLR)は歩兵部隊と対艦部隊と対空部隊などで編制されるが、対艦部隊(地対艦ミサイル1個中隊)はNMESIS×18両で編制される。2連装発射機なので最大斉射数は36発。
※第3海兵沿岸連隊は2022年に改編済み。使用機材はまだ整っていない。
※第12海兵連隊は砲兵部隊だが歩兵と対艦ミサイルが中心の沿岸連隊に改編される予定。
※第4海兵連隊は沿岸連隊に改編して沖縄県のキャンプ・シュワブからグアムのキャンプ・ブラズに移転予定。
【関連記事】
- 米海兵隊の次期対艦兵器NMESISの無人発射車両が初公開(2021年4月29日)・・・側面写真と解説、用語集など。
- 米海兵隊のNMESIS地対艦ミサイル(無人発射車両)の正面が初公開(2021年8月18日)・・・LiDARやカメラなどセンサー類の説明と推定、および空輸展開・射撃訓練の様子。
- 米海兵隊NMESIS無人地対艦ミサイルの吊るポイントが判明(2022年4月5日)・・・最大の特徴である「ヘリコプターで吊って輸送」の為のフックポイントの位置。
- 米海兵隊の無人地対艦ミサイル車両「NMESIS」の無人走行試験動画(2023年7月5日)・・・2021年2月から2022年2月までに実施された走行試験が2023年6月2日に初公開。