理屈っぽくて、融通がきかない人との正しい接し方、話し方
■まったく融通がきかない人との付き合い方
「おいおい、いい加減、俺の言うこと聞いてくれよ」
「課長の指示が正しければ、もちろん聞きますよ」
「みんなで話し合って決めたじゃないか」
「私は最後まで反対しました」
組織の中には、常に論理的で分析的な思考をする人がいる。彼らは感情に流されず、データと事実に基づいて判断を下す。ただ、このタイプの人々は忖度や配慮をほとんどしない。融通が利かないデジタル思考の持ち主だ。
「わかりました。ルールはルールですので、残業は月20時間までにします。ところで課長のAさんは毎月のように25時間ほど残業してますが、課長にも守ってもらうんですよね?」
このタイプの人は「0」か「1」でしか物事を捉えない傾向がある。このため、曖昧な表現や感情的な訴えは通用しない。
「場合によっては、20時間を超えてもいいことにしている」
「それはどういう意味ですか? 私も、場合によっては残業していいんですか?」
「いや、そういうことでは……」
「課長職は25時間まで残業できるんですか?」
このような人々とのコミュニケーションは、多くの人にとって難しく感じられるだろう。しかし相手の特性を理解し、適切なアプローチをとれば、実に心強い相手だ。今回は、理屈っぽくて、融通がきかない人との接し方、話し方について徹底解説する。ぜひ最後まで読んでもらいたい。
<目次>
■まったく融通がきかない人との付き合い方
■なぜこんなに共感力が低いのか? 5つのバイアスから考える
■完全無欠の合理主義のいいところ、悪いところ
■口ぐせは「エビデンス」「ファクト」「それはそれ、これはこれ」
■「クリティカルシンキング(批判思考)」で圧倒的な存在感
■その気ポイントは「客観的なデータ」「ファクト」
■活用すべきスタイルは「テキストコミュニケーション」
■なぜこんなに共感力が低いのか? 5つのバイアスから考える
理屈っぽい人、融通がきかない人は、性格が極めてドライだ。感情に流されることなく、冷静に事実を分析する。熱意を示しても態度を変えようとしないので、ときには人間性が乏しいように見える。
それでは、このようなタイプの人を、以下5つの認知バイアスを切り口にして説明しよう。
(1)現状維持バイアス
(2)確証バイアス
(3)正常性バイアス
(4)一般化
(5)確実性バイアス
(1)現状維持バイアス
理屈っぽくて、融通がきかない人は、現状のままでいたいという現状維持バイアスにも、まったくかからない。昔のやり方が理にかなっていないのであれば、すぐに新しいやり方を受け入れる。
(2)確証バイアス
自分の思い込みを強化する情報ばかりに焦点が合い、そうでない情報を無意識のうちにスルーしてしまうのが確証バイアスだ。
「アンケート結果を見る限りでは、やはり今回の研修は反響が大きかったな」
と人事部がコメントしても、理屈っぽくて、融通がきかない人は、次のような歯に衣着せぬ言い方で反論することだろう。
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