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なぜダメ上司は「話す」のか? なぜできる上司は「書く」のか? 最高の上司が実践していることとは?

横山信弘経営コラムニスト
なぜ人は「話す」のか?(提供:イメージマート)

私はコンサルタントになって21年目を迎えた。年間150回以上のセミナー講師や講演活動を行い、100人や200人の前で話すことを10年以上続けてきた。YouTubeのチャンネルにも10年以上関わっており、私がメインで話している動画は1000本以上にのぼる。

プロのキャスターや芸能人と比べれば足元にも及ばないが、一般的なレベルで言えば、それほど「話し方」が下手だとは思っていない。10年近く「話し方研修」の講師を務めてきた経験からも言える。3分間スピーチや15分間のプレゼンテーションは自信を持って行えるし、多くの方から「横山さんの話し方を学びたい」と言われるようになった。

しかし私の本業は企業の現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルティングである。

そんな私が現場でうまく話そうと考えたことは、一度もない。なぜなら重要なのは「話し方」ではなく、相手をその気にさせ、行動を変え、目標を達成してもらうことだからだ。

そのために必要なのは、相手に正確に情報を伝えることではない。相手の意識や行動を変えることだ。

今回はビジネスの現場で「話す」意味とは何かについて徹底解説する。「話し方」に悩んでいるすべてのビジネスパーソンに読んでもらいたい。最後まで読むことで、どれほど「話す」ことが現代において意味が薄れてきたかを理解できるだろう。

<目次>

■そんなに人前に立ってあがらずに話したいか?

■あなたは「話す派」? それとも「書く派」?

■「話す」よりも「書く」若者たち

■言語データと非言語データの役割とは?

■「書く」より「話す」を選ぶ上司の大いなる勘違い

■なぜ不朽の名著『人を動かす』は話し方研修の講師が書いたのか?

■そんなに人前に立ってあがらずに話したいか?

「話し方」研修の受講者に事前アンケートをとると、昔も今も変わらず、次のように書かれることが大半だ。

「人前に立って話をするときに、あがらずに分かりやすく話がしたい」

分かる。私も人前でスピーチを頼まれることがあるが、最初は本当に嫌だった。うまく話せないと恥ずかしいし、自信喪失する。だから話し上手になりたいと思うのは理解できる。

ただ、よく考えてもらいたい。人前に立って1分でも、2分でも、5分でも、30分でもいい。何らかのことを話す経験は、どれぐらいあるのだろうか?

たとえば大勢の前で自分のことや会社のことを紹介したり、何らかの企画についてプレゼンテーションをしたり。そういった機会は1年間にどれくらいあるだろうか? 大型商談に立ち会う営業や、頻繁に資金調達しなければならない起業家ならともかく、ほとんどのビジネスパーソンは、1年に3~4回もないのではないか?

それでは、どんなシチュエーションで、私たちは自分の口を使って「話す」という行為をしているのだろうか?

上司が部下に。部下は上司に。同僚やお客様に対して、私たちは毎日何かを話している。それは、いつだろう? どんなシチュエーションの時だろう? 会議の最中か? それとも商談中か? 電車で移動しているときか? それとも喫煙室で会話しているときか?

「話す」シチュエーションについて、よく考えてみるのだ。そうすれば、私たちが気を付けなければいけないことが、よく分かってくる。そして改めて気付くことだろう。人前で、緊張せずに、うまいこと話すという行為は、おそらくほとんどのビジネスパーソンにとって、それほど多くないことを。

■あなたは「話す派」? それとも「書く派」?

それでは、上司や部下に話すシチュエーションでもいい。お客様に話すときでもいい。そのシチュエーションにおいて「話す」目的はどんなものだろうか?

もしその目的が「分かりやすく伝えるため」であるなら、もう一度考え直したほうがいいかもしれない。

たとえば、あなたは本をどのように読んでいるだろうか? 本に書かれている内容を、どのように理解しているだろうか?

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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