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「熱しやすく冷めやすい人」をどう変えるか? 人を動かし続ける「話し方改革」

横山信弘経営コラムニスト
(筆者作成)

「わが社は物事を決めても、続いたためしがない」

このように嘆く組織リーダーに私は数えきれないほど会ってきた。いったん合意してスタートしても、なかなか継続できないと言うのだ。

そこで今回は、どんな「話し方」をすることで人を動かし続けることができるのか? 話す相手の7タイプごとに解説する。「熱しやすく冷めやすい人」はどんなタイプか? 「熱しづらくて冷めづらい人」にはどんな話し方が効果的なのか? 徹底解説する。

この記事を読むことで、人を動かすよりも、動かし続けることのほうが実は何倍も簡単であることを理解できるだろう。経営者をはじめ、組織リーダーはぜひ最後まで読んでいただきたい。

<目次>
■継続することは難しいと思い込んでいる人へ
■始めさえすれば、もう8割は成功したのと同じ!
■継続しやすい人、継続しにくい人を7タイプで分類する
■緊張感がなくなってからでは遅すぎる理由
■最も警戒すべきは、まさかのあの「自燃人」?
■自分勝手に継続しなくなる人にどう対処するか?
■組織というツールをうまく使って「人を動かす」

■継続することは難しいと思い込んでいる人へ

相手をその気にさせ、動かすにはどうしたらいいのか? おそらくビジネスパーソン最大の悩みであろう。それが可能であれば、ほとんどの悩み事はなくなるはずだ。

しかし「人を動かす」といっても、1回や2回動かすだけで問題が解決することはない。とくに組織リーダーたちは、「いったん動いたのなら、そのままずっと続けてほしい」と願っているはずだ。

ところが、ほとんどの場合、願っているだけでは継続されない。

「体力をつけようと40歳の誕生日から早朝ジョギングをスタートしたけど、インフルエンザになって一週間休んだあとから続けられなくなった」

「英語を勉強しようと張り切って通信教育をはじめたのに、1カ月後にはテキストを見るのも嫌になっていた」

このように、自分で決めたことでさえ、なかなか続かないものだ。他人に言われて始めたことなら、なおさら続かないのも頷ける。たとえそれが組織の中で決まったことや、リーダーから「やるように」と念を押されたことであってもである。

ただ、知っておいてほしいことがある。実のところ人を動かすことよりも、動かし続けることのほうが何倍も簡単だということを。

■始めさえすれば、もう8割は成功したのと同じ!

参考になるのは「慣性の法則」だ。外部から力を加えられない限り、静止している物体は静止し続け、運動している物体は等速直線運動を続ける、という法則だ。

ウッディ・アレンの名言を紹介しよう。

「始めさえすれば、もう8割は成功したのと同じだ」

極端かもしれないが、共感する人も多いはずだ。それぐらいに「新しいことを始めること」「やったこともないことにチャレンジすること」は難しいことなのだ。

目の前に重い岩があると想像してみよう。力を込めて何度押しても動かなった岩が、少しずつ動き始めたら、あとはもうこっちのものだ。いったん動きはじめさえすれば、それほど力を込めなくても動かすことは可能だ。以上のことから、次のようにまとめられる。

・何かを始める → かなりの葛藤がある

・始めたことを続ける → そこまで葛藤はしない

ただ、何も対策をとらないと、いずれ動きが止まってしまう。なぜなら「摩擦」があるからだ。

■継続しやすい人、継続しにくい人を7タイプで分類する

何かを始めるのは大変だが、いったん始めたことを続けることはそこまで大変ではない。しかし何も対策をしなければ、いずれ続けられなくなってしまう。行動が習慣化するまでは、心の中で「摩擦」が起こるからだ。

たしかに、いったん始めたことを続けるのに、それほど葛藤はしないだろう。しかし、すぐに「葛藤ゼロ」にはならないことも覚えておきたい。

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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