エクセルで分析するときに使える仮説思考/ホワイトボードでの議論で役立つロジックツリー徹底解説
今回は「エクセルで分析するときに使う仮説思考トレーニング」「ホワイトボードを使って議論するときに使う3つのロジックツリー徹底解説」の2本立て。
問題解決能力をアップするうえで実践的なテクニックを解説した。
・説得力の高い企画書や提案資料を作りたい人
・ファシリテーションスキルを上げたい人
は、ぜひ最後まで読んでもらいたい。【7300字】
<目次>
■「エクセルを使うのは古い」と言う人がわかっていない2つのこと
■エクセルで分析するときに気を付けるべきたった一つのポイント
■縦軸と横軸を「ズームイン/ズームアウト思考」で考える
■「ズームイン思考」に必要な2つのヒント
■ファシリテーションするときは「ロジックツリー」を使い倒そう!
■Whatツリーで「要素分解」スキルを極めよう!
■Whyツリーの要点 なぜ「なぜなぜ分析」は意味がないのか?
■Howツリーで驚くような解決策を導き出す!
■「エクセルを使うのは古い」と言う人がわかっていない2つのこと
「まだエクセルを使ってるんですか? もうエクセルからは卒業しましょう」
IT企業が自社の分析ツールを売り込むときに、よく使うキャッチコピーだ。実は20年以上前、日立製作所で「データマイニング」や「データウェアハウス(DWH)」をお客様に提案する際、私自身もよくこのフレーズを使っていた。
しかし、そんな私が今もエクセルを使ってデータ分析をしている。理由は以下の2つだ。
・はやく分析できる(自分視点)
・分析結果がわかりやすい(他者視点)
高額な分析ツールを活用しなくても、ふだん使い慣れているエクセルで分析したほうがはやい。分析結果を誰かに伝えるときも、多くのビジネスパーソンが使い慣れたエクセルだから、理解されやすい。相手に合わせて加工する必要もない。
実際に、当社の税理士、会計士のほとんどが、お客様の経営分析をするうえでエクセルを使っている。
もちろん高度な分析ツールを使うより、自分で考えなければならないことが多い。なので面倒と感じる人もいるだろう。だが、その分「仮説思考」の勉強になるのだ。
■エクセルで分析するときに気を付けるべきたった一つのポイント
たしかに、人間の頭を使っては、なかなか分析できないデータ量を扱うのであれば、エクセルのような表計算ソフトでは手に負えない。大量のデータを分析するための専用ツールに頼るべきだ。
しかし20年以上も前から、この分野の専門知識がある私はわかっている。
「大量のデータを分析しないとわからないことなど、そんなに多くない」
ということを。
たとえば、
・この商品は売れるのか? どれほどの市場があるか?
・なぜ去年から売上が落ちているのか?
・急に利益率が増えたのはなぜか?
・残業がいっこうに減らない理由を知りたい
こういった疑問に答えるぐらいなら、エクセルで分析するだけで十分だ。大企業で各部署にデータベースが存在していて、データ収集するのに大きなコストがかかるのなら別だが。
エクセルを使って分析をする際、気を付けるべきポイントは1つだけだ。それは、縦軸、横軸に何を選ぶかである。
当然、いきなりエクセルで表やグラフを作りはじめるのはやめよう。方眼紙でもいいし、方眼紙がなければ普通のノート、メモでもいい。縦と横に線を書き、まずは簡単にシミュレーションしてみるのだ。
■縦軸と横軸を「ズームイン/ズームアウト思考」で考える
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