福岡のラーメン業界に異変!? 今注目の「間借り系」ラーメン店とは?
福岡に「間借り営業」のラーメン店が続々登場
豚骨ラーメンの街として知られる福岡だが、ここ数年は豚骨以外のラーメンの流れが顕著で、一年間にオープンするラーメン店の半数以上が醤油や塩、豚骨醤油などの、いわゆる「非豚骨」ラーメンを提供する店になっている。豚骨ラーメンの街として知られる福岡では、これまでにはあり得なかった状況だ。
さらにコロナ禍中より、ランチタイムにラーメンを出す居酒屋や料理店などが増え、ラーメン専門店以外でもラーメンを楽しめる機会が増えた。そして今はそんな飲食店のランチタイムなどを「間借り」して営業するラーメン店が、福岡市内に次々とオープンしている。
「間借り営業」する最大のメリットは、物件を取得せず店舗も作らずにスタート出来ること。飲食店の設備がそのまま使える間借り営業は、これから新しく店を始めようとする人や、すでに店はあるが新たな展開を考えている人にとって、出店のハードルが低くチャレンジしやすいのだ。今回は今福岡で食べるべき本格派の「間借り系ラーメン」をご紹介しよう。
北九州の老舗の味が楽しめる『ぎょらん亭 薬院店』
1946(昭和21)年創業と、北九州市小倉で70年以上にわたり愛されている老舗ラーメン店『ぎょらん亭』。小倉の本店で修業を積んだ店長が、薬院の焼肉店『肉焼 ハラミ タン テール 兼条』を間借りしているのが『ぎょらん亭 薬院店』(福岡県福岡市中央区薬院1-11-3)だ。ランチタイムと焼肉店の夜営業が終了する深夜帯に緑色の暖簾を掲げて営業している。
間借り営業とは言えスープは焼肉店の厨房内で炊き上げる店内仕込み。和食の技法なども用いながら、濃厚でありながら臭みのない国産ゲンコツ100%の豚骨スープは本店に負けないクオリティ。しなやかさと歯切れの良さを併せ持つ麺は、本店と同じものを取り寄せている。看板メニューの「十割ラーメン」は、ストレートに豚の旨味を味わうことが出来る一杯だ。
春日の行列店が西中洲に登場『ラーメン普通 西中洲店』
コロナ禍中の2021年に春日市でオープンし、一躍行列店の仲間入りを果たした『ラーメン普通』。福岡市内からはいささかアクセスが悪い場所だったが、2023年に西中洲のバー『No.7』を間借りする形でンチタイムのみの営業を開始。それが『ラーメン普通 西中洲店』(福岡県福岡市中央区西中洲1-13 松田ビル3F)だ。
本店は塩と醤油の二枚看板だが、こちらは塩ラーメン専門店。動物系素材を使わずに活きアサリやホンビノスを大量に使った「貝出汁」のスープは、羅臼昆布や煮干で旨味の相乗効果を引き出して奥深い味わいに。本店にはない「かけラーメン」や「まぜそば」なども楽しむことが出来る。
豚と鶏の旨味が溢れる創作系『麺や天の』
博多祇園山笠が奉納される神社として知られる、博多の総鎮守『櫛田神社』南神門に連なる、飲食店がひしめき合う裏路地に2023年オープンしたのが『麺や天の』(福岡県福岡市博多区上川端町1-10)。こちらは居酒屋『オレズマガラズ』のランチタイムなどの空き時間を間借りして営業している。
店主は人気豚骨ラーメン店で修業したベテラン職人だが、敢えて創作系のラーメンで勝負。豚骨と鶏ガラを合わせた豚鶏白湯のスープは、シルキーで滑らかな口あたりで万人に好まれる味わい。低温調理した柔らかなチャーシューやスープが染み込んでいく麩なども載せた。店舗を構える時には違うラーメンになる可能性もあり、このラーメンは間借りの時しか食べられないかも。
時にはラーメン店ではない店舗で本格的なラーメンを食べる体験も楽しいものだ。いずれの店も間借りで営業しているため、営業時間や営業期間など不確定な要素もあるので、事前に営業の確認をしてから足を運んで欲しい。
※写真は筆者によるものです。
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