今絶対に食べておくべき 福岡の屋台ラーメン「最新」3軒
再び盛り上がりをみせる福岡の屋台文化
福岡の街を歩けば必ず目にする「屋台」。戦後の闇市から始まったとされる福岡の屋台は、これまで何度となく廃止の危機を乗り越えてきたが、ここ数年再び盛り上がりをみせている。近年、全国各地で屋台がほぼ消滅しつつある中で、観光資源やシンボルとしての屋台の価値が再評価されてきた。
そこで福岡市は、2013年には全国唯一となる屋台の条例「屋台基本条例」を制定して、屋台の存続へ方針を転換。さらに出店者の公募制をスタートさせたことによって、屋台の数は再び増加。現在では屋台の約4割が新規の公募屋台になっており、福岡の屋台街に新しい風が吹き始めている。
福岡の屋台の定番メニューと言えば、やはり「ラーメン」だろう。つまみと共に酒を楽しみ、最後にラーメンで締めるのが屋台の醍醐味。今回は福岡の屋台ラーメンの中でも個性的で必食の3杯を実食して厳選。ラーメン専門店にも負けないクオリティのラーメンを屋台で楽しもう。
【中洲】焦がしニンニクガッツリ豚骨『小島商店』(2017年創業)
福岡の屋台街の中でもダントツの人気を誇るのが中洲エリア。那珂川沿いに立ち並ぶ屋台の中でも常に行列を作る人気屋台が『小島商店』(福岡県福岡市博多区中洲1-8)。春吉橋にあった屋台『白ちゃんラーメン』の三代目が、2017年に新たなスタイルの屋台として復活。屋台で人気の「明太オムレツ」発祥の店としても知られている。
元はラーメン屋台ということもあり、もちろんラーメンは本格派。定番の博多豚骨ラーメンや焼きラーメン、高菜ラーメンなども人気だが、創作系の明太まぜそばや、焦がしニンニク油がたっぷりと浮いたマー油豚骨ラーメンなどバリエーションも豊富。ラーメン専門店に負けない品揃えで深みのある豚骨スープを堪能することが出来る。
【長浜】本場さながらの天理スタミナラーメン『長浜市民球場』(2023年創業)
2023年6月、劇的に復活を遂げた「長浜屋台街」。風前の灯だった長浜エリアに、新規公募によって新たな屋台が参入。現在では9つの屋台が並びかつての賑わいを取り戻しつつある。そんな新規屋台の一つ『長浜市民球場』(福岡県福岡市中央区長浜3-14)は、その名の通り野球好きの店主が開業した鉄板屋台。「プレイボール!」の掛け声と共に乾杯するのがこの屋台のお約束だ。
関西出身の店主はホークスが好き過ぎて、福岡へ移住してしまったほどの熱狂的なファン。ラーメンは豚骨ではなく、奈良天理のご当地ラーメンでもある「スタミナラーメン」を提供。注文を受けてから鍋で野菜と肉を炒めてピリ辛に仕上げた一杯は、本場天理のスタミナラーメンそのもの。福岡でこのラーメンを食べられるのは貴重だ。
【天神渡辺通】超人気店店主が本気で挑む博多豚骨『炉端屋台 正』(2023年創業)
観光客のみならず地元民も足を運ぶ、天神から渡辺通の屋台エリアに2023年8月オープンしたのが『炉端屋台 正』(福岡県福岡市中央区渡辺通4-6-2)。その名の通り、客の目の前で炭火を使って焼き上げる「炉端焼き」を提供する屋台。お酒も料理も全て500円(税別)というコンセプトで、早くも行列が出来る人気屋台となっている。
屋台を運営するのは人気ラーメン店『博多一双』店主の山田晶仁さん。自身の新たなチャレンジとして福岡の食文化である屋台に公募した。もちろんラーメンは一番の自信作。豚頭をじっくりと炊いたスープは臭みが一切なくクリーミーで、500円で食べられるラーメンのレベルを軽々と超える。『博多一双』とは異なるアプローチの新しい博多ラーメンを楽しむことが出来る。
今回ご紹介した3つの屋台は、いずれも新規公募によって新たに誕生した屋台ばかり。福岡にはまだまだ美味しくて楽しい屋台がたくさんあるので、この3軒をきっかけに屋台の食べ歩きを楽しんで欲しい。
※写真は筆者によるものです。
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