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「40歳になってから本気出すでは手遅れ」40歳以上の中年未婚男性の初婚達成率は?

荒川和久独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター
(写真:イメージマート)

初婚可能な限界年齢

「40歳になってから本気出す」

もし、そう思っている39歳以下の未婚男性(結婚希望の)がいるなら、考えを改めた方がいい。

40歳以降で初婚をしようと思ってもほぼ不可能である。

生涯未婚率という指標があるが、あれは確かに、50歳時点で未婚であればそれ以降結婚する見込みはないというものである。であれば、50歳が限界で40歳はまだ可能性があると思っているかもしれない。

残念ながら、男の初婚にも年齢的な限界がある。それが40歳である。

結論からいえば、男性が未婚のまま40歳を超えると95%結婚は難しくなる。残りの5%もすでに30代のうちに結婚相手を見つけている場合に限られるだろう。可能性が全くのゼロとまではいわないが、統計上はほぼ無理なのである。

40歳以上の初婚は増えている?

しかし、こんな反論が予想される。

「晩婚化の時代だし、自分の周りにも40歳を過ぎて結婚した友達がいた。40歳すぎたら結婚できないなんて嘘だ」

確かに、40歳以上での初婚男性はゼロではない。むしろ、絶対数の推移で見れば増えていることも事実だ。

1950年以降の40歳以降の年齢で初婚した男性の数は以下の通りである。

1990年代から急激に40歳以上初婚数が増えていることがわかる。2015年の年間40714人が最大値で、その後下降を続けている。

しかし、初婚の絶対数が増えている以上に、そもそもの40歳以上の未婚人口が増えていることを忘れてはならない。

当連載でも過去にお伝えしている通り、もはや独身人口は「若者<中年」なのである。それは当然で、長きに渡る出生減で、若者人口が減り続けている。

独身に限らず、今の人口分布のボリューム層は1970年代の第二次ベビーブーム期に生まれた層を含む40-50代である。同様に独身人口が多いのもその年代だ。しかも未婚化も進んでいるので、過去最高の中年独身人口となっている。

初婚率で見ると?

よって、初婚率というもので見ないといけない。これは、40歳以上の初婚数を40歳以上の未婚人口で除したものであり、単位人口千対(‰パーミル)で示す。

これによれば、初婚数最大値だった2015年はおろか、1990年代以降、40歳以上の初婚率は下がり続けている。2020年の数値でいえば、4.7‰である。要するに、1000人に4人しか40歳以上で初婚できていないことになる。

興味深いのは、むしろ1960年代の方が中年おじさんでも初婚できていたことになる。これは戦後のデータだが、おそらく、それ以前の昭和初期や大正時代はもっと高かったろう。

つまり、昔の方が中年でも初婚できたのである。

なぜならば、それこそが社会的結婚のお膳立てシステムとしての「お見合い」の活躍する場だったからだ、40歳を過ぎてからお見合いの話がくるというよりも、それ以前の30代時点から繰り返し周囲はお見合いを奨めていた。ある意味、善意のお節介があったのである。

提供:イメージマート

28回目のお見合い

2019年にTBSで放送された『明石家さんまの爆笑!ご長寿グランプリ2019』という番組の中で、過去の自分自身にビデオレターを贈る「ご長寿ビデオレター」というコーナーがあった。

そこに、83歳のおじいさんが28歳の自分に送るビデオレターに以下のようなものがあった。

「お前は見合いに27回失敗する。しかし、28回目の見合いの相手を見た瞬間、お前はこう思うでしょう」

この言葉の続きを言う前に、まず驚くのは28回のお見合いという数の多さではないだろうか。彼が28歳の時というのは、1964年である。まだお見合い結婚が自由恋愛結婚よりも多かった最後の時期にあたる。

その頃は、28回もお見合いをお膳立てしてくれる(させられていた)時代でもあったということになる。そうした社会的な結婚お膳立てシステムが当時の皆婚を実現させていた。

さて、「28回目の見合いの相手を見た瞬間、お前はこう思うでしょう…」の次の言葉だが、見ていた私は、この後には、以下のような言葉が来るのかな? と勝手に想像したものである。

「お前の27回の失敗はその人に会うためだったんだよ」

的な……。

しかし、現実はおとぎ話ではなかった。結果は、以下の通りだった。

「28回目の見合いの相手を見た瞬間、お前はこう思うでしょう…。もう誰でもいいや」

もしかしたら、このおじいさんは相手に対する希望条件がうるさかったのかもしれない。「次こそは…」と思っているうちに28回もお見合いを続けるハメに。

遂には、諦めか達観か無の境地か、どんな相手でも結婚しようと心に決めたわけである。

結果、そのおじいさんはその方と結婚して、幸せに暮らしたとさ。めでたしめでたし。

お膳立てなき今

このおじいさんの話は28歳の初婚の話なので中年初婚とは異なるが、それくらいの周囲のお膳立てがあったという事例である。そうしたお膳立てシステムなき現代、40歳以上の中年未婚男性が誰かと出会い、結婚するということは相当困難になってきている。

最近、結婚相談所やマッチングアプリなどでミドル層やシニア層をターゲットにした動きもあるらしいが、それでなんとかなるのは「再婚」の場合か、よほどの「経済強者」の場合だけだろう。

写真:アフロ

「40歳になってから本気出す」では手遅れなのである。

結婚したいと思っているならば、20代のうちに活動をした方がいい。平均初婚年齢は男性が31歳だが、中央値年齢は30歳未満である。初婚する男性の半分は20代のうちに結婚している。

前掲のグラフにある通り、40歳以上の女性の2020年初婚率は4.4‰でほぼ男性と同等になった。

よく女性に対して結婚適齢期が言われるが、それは男性にとっても無縁の話ではないのだ。

結婚したいのならお早めに本気出すことをおすすめする。

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独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター

広告会社において、数多くの企業のマーケティング戦略立案やクリエイティブ実務を担当した後、「ソロ経済・文化研究所」を立ち上げ独立。ソロ社会論および非婚化する独身生活者研究の第一人者としてメディアに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』『結婚滅亡』『ソロエコノミーの襲来』『超ソロ社会』『結婚しない男たち』『「一人で生きる」が当たり前になる社会』などがある。

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