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「パートナーの浮気は許せない8割」だが、自分が浮気している場合は相手の浮気に寛容になるのか?

荒川和久独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター
(写真:イメージマート)

「男は浮気ばかり」は本当?

「パートナーにする人は浮気をしない人がいい」

多くがそう思うだろう。

しかし、そうした願望の一方で、付き合う相手がいつも浮気ばかりして破局するという話もよく聞く。もしくは、付き合う相手がいつも独身を騙った既婚者ばかりという女性もいる。そんな彼女たちは「男ってどうして浮気ばかりするんだろうね」などと女子会トークに花を咲かせるのである。

しかし、だからといって「男は全員浮気をする」ものではない。正確には、「男が全員浮気ができるほど恋愛強者ではない」。浮気どころか一度も恋愛したことがない男もまあまあ存在する。

参照→生まれてから一度も恋愛相手がいたことのない「生涯未恋率」は男女それぞれ何%か?

浮気率は男女とも3割

実際に、既婚男性の浮気経験率を調査してみると、大体3割程度である。逆にいえば、7割の既婚男性は「浮気」をしたことはない」わけで、むしろ「しない派(できない派)がマジョリティ」である。

女性が「男は浮気ばかり」と言うのは、結局この3割が何人もの相手と浮気(マルチ恋愛)をしていることによるし、そういう男が恋愛市場で一人勝ちしているからだろう。

とはいえ、女性だって浮気をする。既婚女性も男性同様3割は浮気経験がある。

「男だから浮気をする」というよりも、常々書いているが、「恋愛強者3割の法則」通り、男女関係なく恋愛強者は結婚しても浮気(というか結婚とは次元の違う恋愛)をしてしまうものなのだろう。

参照→既婚者の浮気率は3割超え~男女にかかわらず浮気をする人の特性とは?

相手の浮気は許せるか

では、いざ、恋愛相手や配偶者が浮気をしたと発覚した場合、許せるだろうか?

未既婚男女年代別に「許せない」割合で調査をしている。

まず、男性の場合は、未既婚ともに「許せない」が大体どの年代も50%前後で推移する。女性はそれよりも高く、未婚の場合は大体60%、既婚の場合は20-30代で80%が「許せない」と非常に高い。

夫の浮気を許せない妻の割合は、50代ではもっとも低くなり、夫のそれよりも低い。ある程度年齢を重ねて、貫禄のある妻は「夫の浮気ごときではビクともしない」のだろうか、それとも「夫への愛情が冷めてしまっている」のだろうか。

浮気経験有りの場合は…

とはいえ、この「許せない」割合も、「自分が浮気をしていない」場合と「自分も浮気をしている場合とでは感じ方が違うだろう。

浮気経験者だけを抽出した結果で以下である。比較のために全体のものと合わせて掲出する。

これを見ると、男性の場合、自分が浮気をしていると「許せない」割合が下がっている(50代未婚男性以外)。自分も浮気をしているという罪悪感からか、それとも、元々「浮気などたいした問題ではない」と思っているから自身も浮気をし、相手の浮気も許せるのか。

いずれにしても、妻の浮気に寛容な夫は、自分も浮気をしている可能性が高いともいえる。

50代未婚男性だけ、突出して相手の浮気に不寛容になっているが、これは「自分は浮気をするが相手には一切認めないし、許さない」という主義なのか。それは一生未婚でいた方がいいだろう。

対して、女性の場合は、自分の浮気の有無に関係なく「許せない」割合に変化はあまり見られない(50代既婚女性以外)。それどころか、40代既婚女性は「自分が浮気している方が相手の浮気を許せない」割合が高まっているくらいである。

女性は、自分が浮気をしていようがいまいが、相手の浮気は8割が許さないのだ。結婚した後も恋愛を謳歌している恋愛強者の既婚男性は「浮気するなら8割は許されない」という覚悟でやってもらいたい。

浮気された経験値の違い

ちなみに、このアンケートは、「仮にパートナーが浮気したら」という仮定の話で聞いているものであり、実際に相手に浮気をされた経験のある人と一度もそんな経験のない人とでは回答が分かれるだろうと思う。

人間は経験のないことをリアルに想像することは難しいからだ。

提供:イメージマート

とすれば、女性に「許せない」回答が多いのは、過去に浮気をされた経験が男性より多いのかもしれない。

いや、一般的に、男性の場合は、相手の浮気に鈍感である。浮気されていても気付かないだけだろう。対して女性の場合は、相手の浮気を異様に敏感に察知する傾向もある。それもまた経験値の差だろう。

まあ、浮気した男は、なぜか、あえてしなくてもいいバレバレの余計な行動を取りがちだったりもするが。

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独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター

広告会社において、数多くの企業のマーケティング戦略立案やクリエイティブ実務を担当した後、「ソロ経済・文化研究所」を立ち上げ独立。ソロ社会論および非婚化する独身生活者研究の第一人者としてメディアに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』『結婚滅亡』『ソロエコノミーの襲来』『超ソロ社会』『結婚しない男たち』『「一人で生きる」が当たり前になる社会』などがある。

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