「金を稼ぐと不倫や浮気をするのか?」夫婦それぞれの年収別不倫経験率
既婚者の浮気・不倫率
女優の広末涼子さんと有名シェフの鳥羽周作氏とのW不倫の件がいろいろと話題になっているが、そもそも日本において既婚者の浮気・不倫がどれくらいの割合かご存じだろうか?
当然、そんな統計は国の基幹統計としては取っていないので、私のラボでの調査結果によれば、日本の既婚男女の不倫・浮気経験率は男女ともほぼ3割である(浮気に不倫も含む)。
別に、既婚男性の方が不倫や浮気をしているわけではなく、男女ほぼ年代別に見ても同じである。しかも、未婚男女よりその割合は高い。
以前、当連載でもご紹介している。
既婚男女の浮気率グラフはこちら
→既婚者の浮気率は3割超え~男女にかかわらず浮気をする人の特性とは?
偶然なのか、必然なのか、「恋愛強者3割の法則」と同じ3割の男女は不倫をしたことがある。もちろん、これの全部が相手にバレているものとは限らない。芸能人と違って、文春が調査するわけではないので、闇に葬られた事実もたくさんあるだろう。
年収が高いと不倫する?
さて、3割は不倫する既婚男女であるが、不倫経験率は、その個人の年収で違いはあるのだろうか?
一般的に、「金を稼いだ男が不倫をしがち」というイメージがあると思う。果たしてそれは本当だろうか?
一都三県の40-50代既婚男女約5000人を対象に、個人年収別に不倫をした経験率をまとめたのが以下のグラフである。
まず、男性から見ると、年収が高まれば高まるほど不倫率が増大するかと思いきや、全体的には、どの年収にもかかわらず不倫率は一定である。
確かに、個人年収1000万以上は42%で最大値ではあるが、年収200-300万という首都圏の40代以上の既婚男性としては低収入の男性の不倫率も39%と高い。真の恋愛強者男性にとっては、稼ぎの多寡とモテとは関係ないのだろう。むしろ、300-700万円といういわゆる中間層の既婚男性がもっとも不倫率が低くなっている。
一方で、興味深いのが、既婚女性の方だ。
こちらも中間層である400-500万の年収帯の既婚女性はもっとも不倫率が低いが、全体的に500万以上の不倫率が高く、もっとも不倫が多いのは500-600万円の既婚女性である。対して、パートや専業主婦などで自分ではあまり稼いでいない既婚女性の方が不倫率は低い。
男性は年収にかかわらず不倫をするが、女性は自分で稼ぐようになると不倫をするのだろうか。
不倫などしている場合ではない
子の有無や夫婦の関係性など他にも複雑な要素が絡むとは思うが、年収別の不倫率を見ると、もっとも平均的な年収帯で、かつ、人口ボリュームの多い400万円台の既婚男女が一番不倫をしないということになる。
とはいえ、それくらいの年収が一番夫婦円満になるということではないだろう。むしろ、それくらいの年収で仮に夫婦共稼ぎだとしても800万円の世帯年収である。40-50代で子どもが二人いれば、何かと教育費がかさむ時期でもある。いろいろな事情で夫の一馬力にならざるを得ない夫婦にとってはもっと大変だろう。「不倫などしている場合じゃない」というのが正直なところかもしれない。
個人的には、不倫や浮気を推奨もしないが、特段非難もしない。別に刑法罰のある犯罪ではないからだ。だからといって「バレなきゃいい」とも言わないが、結局は夫婦間で処理する問題であり、赤の他人がとやかく言う問題ではないと思っている。
不倫率3割という数字を多いとみるか、少ないと見るかも個人によって違うだろう。但し、少なくとも、7割の既婚男女は不倫や浮気したことがないらしいし、それと符合するのか、40歳以上の夫婦のセックスレス率は7割近いそうである。
→若者の「恋愛離れ」というが、子を望む夫婦の50%以上が「セックス離れ」の現実
景気がよくなれば不倫は増える?
思えば、恋愛至上主義時代の1980年代は、夫婦の不倫を扱ったテレビドラマがヒットした。有名なのは、1983年から85年に放映された『金曜日の妻たちへ』シリーズ3部作だろう。
東急田園都市線沿線の戸建住宅に住む複数の夫婦が主人公で、ご近所同士で優雅にホームパーティーなどで交流しながら、その裏では互いの夫婦が不倫しあっているという恐怖物語でもあった。
バブル真っ最中の景気が良かった80年代に不倫が流行った(流行ったわけではないが)ということを考えると、「不倫するにも金と心の余裕がいる」ということなのだろう。
だとすれば、80年代の東急沿線の戸建て住まい夫婦は、さしずめ現代のタワマン住まい夫婦なのかもしれない。
関連記事
「恋愛はお金がかかる?」日本と欧州3カ国の若者の恋愛意識の違いを比べてみた
夫婦の現実~妻の借金をなんとかしようとする夫、夫が借金したら見捨てる妻
東京中央区の出生率トップ「結婚も出産も豊かな貴族夫婦だけが享受できる特権的行為」となったのか?
-
※記事内グラフの商用無断転載は固くお断りします。
※記事の引用は歓迎しますが、著者名と出典記載(当記事URLなど)をお願いします。