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ビジネスにおいて最も重要なスキル「傾聴力」――アクティブリスニング徹底解説 ~レベル4をめざせ!

横山信弘経営コラムニスト
(筆者作成)

■話すスキルより重要視される傾聴

コンサルタントはどちらかというと能動的だ。コーチのように受動的ではない。モレなくダブりなくデータを集め、分析し、問題を特定して、解決策を提案する。これがコンサルタントの仕事だ。だからか、プル型というよりプッシュ型というイメージを持つ人も多いだろう。実際に、コンサルタント業界には弁が立つ人が多い。

ただ、コンサルタントの仕事相手は、機械やコンピュータではない。いつも「人」である。理論が正しければ、クライアントが行動を変え、組織変革に動き出すとは限らない。

どんな仕事も同じ。人と人との信頼関係がなければ、物事は進まないのだ。もちろん合意形成なんてできるはずがない。それに相手に協力してもらえなければ、問題を特定するための情報も集められないことも多い。

そこで今回は人と信頼関係を築くための「傾聴力」について徹底解説していく。近年はとくに「アクティブリスニング(能動的傾聴)」が注目されており、「話すスキル」よりも重要視されている。ぜひ最後まで読んでもらいたい。

<目次>
■話すスキルより重要視される傾聴
■あなたの傾聴レベルは?「傾聴レベル5段階」を覚えよう
■2種類の「アクティブリスニング」と4つのなくすべきこと
 (1)雑念
 (2)先入観
 (3)自我
 (4)問題解決欲
■「アクティブリスニング」3つの心構えとトレーニング2つのポイント
 (1)絶対肯定リアクション
 (2)素朴な質問
■「アクティブリスニング」を使った私の事例

■あなたの傾聴レベルは?「傾聴レベル5段階」を覚えよう

まず最初に、あなたに問いたい。ここ最近、

「真剣に話を聞いてもらえたなァ~」

と心から思える経験は、どれぐらいあっただろうか。趣味のこと、子育てのこと、仕事のこと、体調のこと、どんなことでもいい。話したいと思って話したら、真剣に聞いてもらえた、という経験はあるだろうか。

しかも「誰かに」ではなく、「この人に」話したいと思っている内容で、その「この人」が真剣に話を聞いてくれた体験はあるだろうか。意外と、少ないのではないか。

反対に、

「真剣に話を聞いたなァ~」

という感想を持っている人は、けっこういるかもしれない。このように「じっくり話を聞いた」と思い込んでいる聞き手と、「あまり聞いてもらえなかった」と思っている話し手の組合わせは、とても多いはずだ。

どちらが正しいかは、もちろん話し手の言い分だ。どんなに聞き手が

「私は真剣に、相手の話を聞いた」

と主張しても、話し手が

「話したいことの半分も話せなかった」

という感想を持ったら、聞き手の傾聴力に問題がある。これは言い逃れができない。くいった認識のズレは、上司と部下、営業とお客様、同僚同士、夫婦、親子……など、いろいろな組合わせで起こり得る。

傾聴力を高めたいのであれば、絶対に話し手の言葉や反応を洞察しよう。次のようなことをよく言われるか、注意深く確認するのだ。

「いつも●●さんと話していると、時間を忘れてしまいます」

「●●さんと話していると、ついつい話し過ぎちゃいます」

「なぜか誰にも話したことないことを言っちゃいます。不思議です」

このように言われ、「本当にありがとうございました。また聞いてください」と感謝されたら、傾聴力は本物だ。しかしながら、次のように言われることがあったら要注意。

「話したいことの半分も話せませんでした」

「いろいろ話したいことがあったんですが、忘れちゃいました。もういいです」

「話しても意味ないんで。聞いてもらわなくてもけっこうです」

日ごろの行いを見直したほうがいいだろう。「傾聴レベル」を1~5まで表現してみた。ぜひ参考にしてもらいたい。ビジネスパーソンとしては、レベル4以上の傾聴力が必須と言えよう。

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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