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【週刊くふうハヤテ】阪神、ソフトバンクに全敗も、医師国家試験合格の竹内奎人が先発で2週連続の好投

菊田康彦フリーランスライター
くふうハヤテの竹内奎人(2024年5月16日筆者撮影)

 今シーズンからプロ野球(NPB)の二軍、ウエスタン・リーグに参加している新球団、くふうハヤテベンチャーズ静岡。先週(5月21~26日)は静岡草薙球場で阪神タイガースと3連戦、ホームグラウンドのちゅ~るスタジアム清水(略称ちゅ~るスタ)で福岡ソフトバンクホークスと2連戦を行った。

対阪神:21日●3対18 22日●2対3 23日●0対1

 阪神との3連戦は、前週の東京ヤクルトスワローズ戦以来の草薙でのゲーム。ナイターで開催された初戦は、昨年はサンフランシスコ・ジャイアンツのマイナー(ルーキー級)でプレーしていた22歳の右腕、ミゲル・モラが先発マウンドに上がるも、5回途中まで8安打、9四死球で8失点の大乱調。7回には3番手の左腕、奥田域太(おくだ・かなた、星城大)が阪神の四番・佐藤輝明にソロ本塁打を浴びるなど、登板した3投手がそろって打ち込まれ、今季最多の18失点で大敗した。

 22日の2戦目は先発の大生虎史(おおばえ・こうし、柳ヶ浦高)が初回に3点を失うと、福田秀平(千葉ロッテマリーンズ)、仲村来唯也(なかむら・らいや、九州アジアリーグ・火の国サラマンダーズ)の適時打で詰め寄るが、1点届かず惜敗。23日のデーゲームは先発の髙橋遥人ら阪神が繰り出す5人の投手に打線が抑え込まれ、完封負けを喫した。

対ソフトバンク:25日●1対10 26日●1対3

 舞台をちゅ~るスタに移したソフトバンクとの2連戦初戦は、そこまで完封を含む3勝を挙げていた先発の二宮衣沙貴(にのみや・いさき、BCリーグ・茨城アストロプラネッツ)が5、6回に計4点を失うと、後続も打ち込まれて再び2ケタ失点で大敗。26日の2戦目は先発の西濱勇星(にしはま・ゆうせい、オリックス・バファローズ育成)ら投手陣の踏ん張りで接戦に持ち込むも、9回のマウンドに上がった奥田健誠(おくだ・けんせい、ベイサイドリーグ・YKSホワイトキングス)が2点を奪われ、これで21日の阪神戦から5連敗となった。

竹内「医師への道はいったん置いて100パーセント野球に集中」

 23日の阪神戦に先発した竹内奎人(たけうち・けいと)は地元・静岡県の出身で、静岡高3年春には現在はまたチームメイトになった同学年の池谷蒼大(いけや・そうた、横浜DeNAベイスターズ)と共に甲子園に出場。高校卒業後は群馬大医学部で医師国家試験合格を目指す一方、準硬式野球部でプレーを続け、昨秋のドラフトを前にプロ志望届を提出。NPB12球団からの指名はなかったものの、トライアウトを経てくふうハヤテに入団し、その異色の経歴から大きな注目を浴びた。

 今年3月15日に行われたオリックスとのウエスタン・リーグ開幕戦でリリーフ登板している間に国家試験合格の吉報が届き、試合後は「大丈夫かなとは思っていたんですけど、あらためて確認してホッとしたって感じです」と表情を緩めた竹内だが、今後に関しては「医師への道はいったん置いておいて、100パーセント野球に集中していきたいと思ってます」とキッパリ。ここまで救援を含め14試合に登板し、前回(5月16日)のヤクルト戦、今回の阪神戦はいずれも先発で5回1失点と好投しながらまだ勝ちは付いておらず、次こそは初勝利が期待される。

 なお、くふうハヤテはここまで48試合を消化して13勝31敗4分け、勝率.295ウエスタン・リーグ6位。5位の広島東洋カープとは4.5ゲーム差となっている。今週は今日、28日からホームグラウンドのちゅ~るスタでイースタン・リーグのDeNAとのファーム交流戦3連戦、31日からはナゴヤ球場で中日ドラゴンズとの3連戦が予定されている。

(選手名の後のカッコ内は読みがな、前所属。文中の今季成績等は5月27日現在)

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フリーランスライター

静岡県出身。小学4年生の時にTVで観たヤクルト対巨人戦がきっかけで、ほとんど興味のなかった野球にハマり、翌年秋にワールドシリーズをTV観戦したのを機にメジャーリーグの虜に。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身した。07年からスポーツナビに不定期でMLBなどのコラムを寄稿。04~08年は『スカパーMLBライブ』、16~17年は『スポナビライブMLB』に出演した。著書に『燕軍戦記 スワローズ、14年ぶり優勝への軌跡』(カンゼン)。編集協力に『石川雅規のピッチングバイブル』(ベースボール・マガジン社)、『東京ヤクルトスワローズ語録集 燕之書』(セブン&アイ出版)。

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