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【週刊くふうハヤテ】ヤクルトに勝ち越し、オリックスには連勝! 21歳・西濱勇星は古巣に”リベンジ”

菊田康彦フリーランスライター
くふうハヤテの西濱勇星(2024年4月20日筆者撮影)

 今シーズンからプロ野球(NPB)の二軍、ウエスタン・リーグに参加している新球団、くふうハヤテベンチャーズ静岡。先週(5月14日~19日)は静岡草薙球場で東京ヤクルトスワローズと3連戦、花園セントラルバファローズスタジアムでオリックス・バファローズと2連戦を行った。

対ヤクルト:14日〇3対2 15日●0対4 16日〇3対1

 ヤクルトとの3連戦は、くふうハヤテにとって初めてのイースタン・リーグ所属球団との対戦となるファーム交流戦。14日の初戦は6回に逆転を許すも、7回1死一、二塁から代打の宜保優(ぎぼ・ゆう、BCリーグ・栃木ゴールデンブレーブス)の適時打で追いつくと、一、三塁となったところで相手のパスボールで勝ち越し。最後は田中健二朗(横浜DeNAベイスターズ)が無死三塁のピンチをしのぎ、1引き分けを挟んで続いていた連敗を6で止めて節目の今季10勝目に到達した。

 15日はヤクルトの先発・原樹理らに抑え込まれて0対4で完封負けを喫するも、16日は1点ビハインドの7回に六番・平湯皓基(ひらゆ・こうき、九州アジアリーグ・宮崎サンシャインズ)の適時二塁打で同点とし、さらに2死一、三塁から八番・折下光輝(おりした・こうき、関西独立リーグ・堺シュライクス、元読売ジャイアンツ育成)の左前打で勝ち越し。8回にも1点を追加すると、5回1失点の先発・竹内奎人(たけうち・けいと、群馬大医学部)の後を継いだ4人の救援が最後まで相手に得点を許さず、初の交流戦でカード勝ち越しを決めた。

対オリックス:18日〇6対4 19日〇3対1

 東大阪市で行われたオリックスとの2連戦初戦は、2点をリードされた7回に4本の長短打と2四球で一挙4点を奪い、またしても逆転勝利を収める。19日の2戦目は、昨年はオリックスの育成選手だった21歳の西濱勇星(にしはま・ゆうせい)が先発マウンドに上がると、三番に昨年のパ・リーグ首位打者の頓宮裕真、五番には2021年の本塁打王の杉本裕太郎が座る打線を相手に7回1失点の力投。打線はオリックス先発の佐藤一磨に7回までパーフェクトに抑えられながらも8回に押し出し四球で追いつき、一番・篠原玲央(共栄大)の2点打で勝ち越した。これで16日のヤクルト戦から3連勝となった。

西濱は前回5失点の古巣オリックスを相手に白星

 西濱は4月28日にホームグラウンドのちゅ~るスタジアム清水(略称ちゅ~るスタ)で行われたオリックス戦では、初回に四番・廣岡大志に3ランを浴びるなど2回まで5失点。その後は立ち直って5回まで追加点を与えず、試合が8対8の引き分けに終わったために黒星は免れたものの、古巣相手に悔しいマウンドとなっていた。この日は5回に1点を先制されるも、7回を投げて失点はこれだけ。味方が8回に逆転したことで勝利投手となり(今季2勝目)、見事に”リベンジ”を果たした。

 ここまでくふうハヤテは43試合を消化して13勝26敗4分け、勝率.333ウエスタン・リーグ6位。5位の阪神タイガースは17日からの中日ドラゴンズとの3連戦を0勝2敗1分けで終えており、その差は2.5ゲームに縮まっている。

 なお、今週は今日、21日から静岡草薙球場でその阪神との3連戦、25日からはホームグラウンドのちゅ~るスタで福岡ソフトバンクホークスとの2連戦が予定されている。

(選手名の後のカッコ内は読みがな、前所属。文中の今季成績等は5月20日現在)

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フリーランスライター

静岡県出身。小学4年生の時にTVで観たヤクルト対巨人戦がきっかけで、ほとんど興味のなかった野球にハマり、翌年秋にワールドシリーズをTV観戦したのを機にメジャーリーグの虜に。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身した。07年からスポーツナビに不定期でMLBなどのコラムを寄稿。04~08年は『スカパーMLBライブ』、16~17年は『スポナビライブMLB』に出演した。著書に『燕軍戦記 スワローズ、14年ぶり優勝への軌跡』(カンゼン)。編集協力に『石川雅規のピッチングバイブル』(ベースボール・マガジン社)、『東京ヤクルトスワローズ語録集 燕之書』(セブン&アイ出版)。

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