人の心を掴む物語で話すスキル――「ストーリーテリング」徹底解説
■理屈が通じない人の心を掴む話し方
「言ってることは正しいが、あなたから言われると、なぜかやりたくなくなる」
コンサルタントになってから、こう指摘されることが増えた。
コンサルタントが人を説得する際、論理的に話すことがとても多いせいだろう。その際に使う代表的なフレームワークが「ピラミッドストラクチャー」である。
結論ファーストで話すことで、聞き手の頭が整理される。だからこのフレームワークを使うと説得力が高くなる。
しかし、誰でも、どんなときでも論理的に話したら相手を動かすことができると思ったら大間違いだ。
「理屈っぽい」
「鼻につく」
と言われことも多い。人間はコンピュータとは違う。感情の生き物だ。入力データが正しくても動かないときはあるし、反対も然り。理屈に合わないことを言われても動き出してしまうのが人間だ。
そこで今回は、ストーリー形式で話す(ストーリーテリング)スキルについて徹底解説していこう。このスキルを磨くことで、組織メンバーやお客様の心をがっちり掴めるようになる。
<目次>
■理屈が通じない人の心を掴む話し方
■物語で話す――「ストーリーテリング」の方法
■「ストーリー形式」で話すために外せない3つのポイント
■ターニングポイントがなければ物語にならない
■『スター・ウォーズ』の物語性を活用する「ヒーローズ・ジャーニー」
(1)Calling「ミッションを受ける」
(2)Commitment「旅の始まり」
(3)Threshold「試練」
(4)Guardians「仲間や指導者との出会い」
(5)Demon「最大の試練」
(6)Transformation「変容」
(7)Complete the task「ミッション終了」
(8)Return home「故郷へ帰る」
■ヒーローズ・ジャーニーを使った物語事例
■「ストーリーテリング」を使った私の事例
■物語で話す――「ストーリーテリング」の方法
ストーリー形式で話すと、相手の心を動かすのに効果的だ。情熱がある人なら、うまく活用しよう。物語で話したほうが感情を込めやすくなる、という利点もある。
ではストーリー形式で話すにはどうしたらいいのだろう? それを解説する前に、そもそも「物語」とは何なのかについて簡単に触れたい。
物語とは、時間の流れに沿って表現されることが特徴で、聞き手に情緒的な感動を与える作用がある。
相手に事実を伝えるだけであれば、あえてストーリー形式にしないほうがいい。「経歴」や「年表」のように、時系列に事実を羅列するだけで事足りる。
複数の登場人物が出てきたり、状況描写を細かく表現するのは、相手の心にさざ波を起こすことが目的だからだ。したがって、誰が聞いても心が動かされないような内容であれば、物語としての力がないと言えよう。
それでは、どうしたら相手の心を掴む物語を作ることができるのか?
■「ストーリー形式」で話すために外せない3つのポイント
ストーリー形式で話するには、3つのポイントを押さえておこう。
(1)背景の描写
(2)ターニングポイント
(3)葛藤と衝突
まずは背景の描写だ。物語に味をつけるには、奥行きをつけなければならない。そのためには、丁寧に背景を語ることだ。
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