ウクライナ戦争で注目浴びるトルコ製無人機、クウェートが28カ国目の契約 日本も試験導入へ
トルコの防衛企業バイカル・テクノロジーは18日、 クウェート国防省から3億7000万ドル(約475億円)で同社の軍事用無人機(UAV)「バイラクタルTB2」の受注契約を得たと発表した。具体的に何機を受注したかは明らかにしていない。
同社は今回のクウェートとの契約について、バイラクタルTB2がアメリカやヨーロッパ、中国の競合他社のUAVに競り勝って選ばれたと説明した。これで28カ国目の受注になる。
イギリスの軍事週刊誌ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリーによると、これまでにバイラクタルTB2を発注した国は、アルバニア、アゼルバイジャン、ブルキナファソ、ジブチ、エチオピア、リトアニア (ウクライナに代わって少なくとも1機を取得済み)、モロッコ、パキスタン、ポーランド、ルーマニア、カタール、トルコ、トルクメニスタン、ウクライナが含まれる。このほか、ニジェールとイラクは発注を発表しており、セルビアとスロバキアは契約を協議中と報じられている。
バイラクタルTB2はもともとトルコ軍に戦術情報や監視、目標捕捉、偵察能力を提供するために開発された中高度長期耐久型(MALE)のUAVだ。バイカル・テクノロジーによると、全長6.5メートル、翼幅12メートル、高さ2.2メートル、最大離陸重量(MTOW)700キロ、最大ペイロード(可搬重量)150キロ、巡航速度70ノット (毎時約130キロ) 、交信距離300キロ未満、耐久性27時間、最大高度2万5000フィート(7620メートル)となっている。英紙ガーディアンによると、1機当たり100万~200万ドルだ。その一方で、500万ドルに及ぶとの試算もある。
バイラクタルTB2は、ウクライナ戦争でロシアの複数の機甲部隊を壊滅させるなど有用性を立証し、注目を浴びてきた。日本の防衛省も2023年度予算で偵察・攻撃型無人機として、バイラクタルTB2やアメリカ製の「MQ9」などを69億円かけて購入し、試験導入する。陸上自衛隊部隊で運用実証する方針だ。アメリカ軍は昨年11月から海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿屋市)でMQ9の運用を始めている。また、読売新聞によると、目標を直撃する自爆型ドローンについては、防衛省はイスラエル製の「ハロップ」とアメリカ製の「スイッチブレード」を30億円分取得する。
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