中国最大の航空ショー、新たな極超音速ドローン「MD22」公開
中国最大の航空ショーで新たな極超音速ドローン(無人機)が公開された。このドローンは再利用可能で、偵察や攻撃など多様な任務に対応できるマルチミッションのプラットフォームとして開発されている。中国は音速の5倍以上の速さで飛行する極超音速ドローンの開発を加速している。
「MD22」と名付けられた極超音速ドローンの技術実証機は、11月8日から13日まで広東省珠海市で開催された「珠海航空ショー」で展示された。中国科学院の力学研究所と広東空天科技研究院が開発に当たっている。
両院の説明によると、最大飛行速度はマッハ7(時速8575キロ)、最大飛行距離は8000キロで、近宇宙(near-space)を飛行する。機体は長さ10.8メートル、全幅4.5メートル、高さ1.6メートル、重さ1トンとなっている。通常の離陸重量は4トンで、最大離陸重量(MTOW)はさらに15%増える。
イギリスの軍事週刊誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」によると、MD22の開発計画は、急速に出現する新しい脅威への対応として、地上発射型の極超音速機を開発するという中国の全体計画の一部となっている。
MD22は、昨年の珠海航空ショーで公開されたMD21の能力向上型となる。MD21は小型で、全長4メートル、全幅1.5メートル、重量300キロだった。中国科学院は以前、MD21の主な目的は設計の飛行性能を検証することだと述べていた。MD21は、通常速度がマッハ0からマッハ3.5、最大速度がマッハ8に達するように設計された。MD21の開発から得られた技術や知識が、MD22にも寄与しているとみられる。
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