北朝鮮の中学生30人はどのように処刑されたのか…「韓国政府筋」が沈黙する衝撃情報
北朝鮮関連で今年最も衝撃的だったのは、韓国の大手紙・朝鮮日報系のケーブルテレビ局であるTV朝鮮が7月11日、韓国政府当局者の話として、北朝鮮当局がその前週、韓流コンテンツを見るなどした中学生およそ30人を公開処刑したと報じたものだった。
北朝鮮で中学生が処刑されたという情報は、これ以前にも出ていた。
(参考記事:北朝鮮の15歳少女「見せしめ強制体験」の生々しい場面)
しかし、30人という数はあまりにショッキングだ。いくら北朝鮮国民の行動が国家によって厳しく統制されていると言っても、社会の騒乱を引き起こしかねない数だ。
1990年代の大飢饉「苦難の行軍」の時期に犯罪が頻発したのを受けて、北朝鮮当局は公開処刑を頻繁に行った。その現場を見ることを強制された人々の証言を見ると、死刑囚に対して同情的なものもあれば、「仕方ない」といったニュアンスのものもある。
北朝鮮の司法の在り方は場当たり的で、極刑が厳格な基準の下で行われているようには思えない。また、暴行が当たり前の取り調べやずさんな捜査で、犯罪事実が客観的に検証されているとも思えない。
(参考記事:北朝鮮女性を追いつめる「太さ7センチ」の残虐行為)
それでも、そのような体制下で生きるしかない人々は、極刑が下されるのにはそれなりの「原因」があると信じ、自分を納得させる必要があるのかもしれない。
だが、極刑の対象が中学生であれば、納得しうる「原因」を見つけるのさえ難しいだろう。
もっとも、TV朝鮮の報道はじゅうぶんに検証されたものには見えない。何より、30人がどのように処刑されたかについて、まったく具体性がないからだ。その後、続報の類もいっさいない。それでいて、ほかの北朝鮮関連の報道で、このニュースが時々引用されている。
このニュースが事実ならば、北朝鮮社会はとても「平穏」ではいられないはずだ。韓国の情報機関と全メディアが、全力でウラを取るべき情報なのだ。ただ、筆者がこのように言いながらこの情報を聞き流すことができないのは、過去の前例から言って、まったくあり得ないことではないからでもある。
せめて、TV朝鮮が情報の出所として言及した韓国政府当局者は、何らかの形でコメントを出すべきだろう。