食べ物・グッズネタは小ネタだから記事にならない、というウソ~教育広報担当者が知ると得する話・7
◆文科記者クラブをありがたがる広報担当
これまで多くの大学広報担当者に会ってきた。
当然ながら優秀な方もいれば、そうでない方もいる。
後者の特徴はいくつかあって、その一つが既存メディアをありがたがる点だ。特に「文部科学省の記者クラブに情報(プレスリリース)を送ればいい」と言い出す方は相当に危なっかしい。
こういうことを公言してはばからない方とこの石渡の気が合うわけがない。
実際にこうした方が「あいつ(石渡)は大学を分かっていない」とあちこちで言いまわっている、という事例も一再ならずある。
まあ、小生への感想は個人の自由である。SNSであろうと、職員間の勉強会であろうと、好きにされるがよいであろう。
私としては、あからさまな誹謗中傷やデマで警察・弁護士等に相談するほどの案件でなければ、スルーを基本線としている。
石渡バッシングで大学の宣伝につながるのであれば、この石渡、本望である。まあ、つながれば、の話だが(皮肉)。
◆既存メディアが全てではない
さて、既存メディア、特に文部科学省記者クラブをありがたがる大学広報の何がまずいのか。
お断りしておくと、別に朝日新聞や読売新聞、日本経済新聞など大手新聞社を中心とする既存メディア憎しで、本稿を書いているわけではない。
大手新聞社は教育面があり、たとえば日本経済新聞は毎週水曜に大学面を用意している。こうした大手メディアに大学名が出るのは、間違いなく宣伝効果がある。
私がお伝えしたいのは、昭和ならぬ令和の時代にあって、メディアは大手新聞社やテレビ局だけではない、という点だ。
本稿を掲載のYahoo!ニュース個人、あるいは、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンライン、ニューズピックスなどのネットメディアは、それぞれ巨大なメディアに成長している。
さらに、地方は地元の新聞社、テレビ局、ケーブルテレビ局、タウン雑誌などもある。
それぞれ、特性や方向性が違うわけで、どれが一番とは一概にはいいがたい。
それを、「うちは朝日に出た。どうだ、すごいだろう」などとしてしまうのは、強い違和感がある。
◆食べ物・グッズ系は日本経済新聞・大学面に連載あり
話を大学広報・プレスリリースに戻す。
産学連携で食品やグッズなどを開発・販売する大学は多い。
では、その食べ物・グッズ系のネタが大手新聞の教育面に掲載されるか、と言えば、可能性はやや低い。
実施している大学が多すぎるし、単に開発した、販売した、というだけでは記事として成立しづらい。
インターンシップやPBL授業に関連して、という切り口もあるが、それも限度があるだろう。
ただし、小ネタだから記事にならない、と断じてしまうのはとんでもない。
まず、食べ物・グッズ系のネタを定期的に掲載している全国紙は日本経済新聞である。
毎週水曜日に大学面を設けており、その中で「キャンパス発 この一品」が該当する。
日本経済新聞サイト(pro契約)によると、少なくとも2013年4月から続いているコーナーだ。
大学面には、「ご意見・情報は電子メール、nikkei048@nex2.nikkei.co.jpまでお寄せください」とある。
「情報」とは当然ながら「キャンパス発 この一品」への情報を提供も含む。
同コーナーへの掲載を狙うなら、文科省記者クラブではなく、日経が指定したメールに送るといいだろう。
◆全国紙の地方支社・支局も有効
日経の同コーナー以外で全国紙となると、地方(または各都道府県・主要都市)にある支社・支局にプレスリリースを送付。地方版への掲載を目指す手がある。
地方版は、名前の通り、その地方でしか、販売されない。
そのため、他地域を含む全国版への掲載を目指したいネタであれば不向きである。
一方、食べ物・グッズ系のネタはその地方の企業や団体などが絡むことが多い。それもあって、地方版の方が向いている、と言える。
たとえば、地方のイベントや祭りに関連する食べ物・グッズを大学がコラボで開発したとしよう。
全国紙の地方版や地方紙は、地方のイベント・祭りに関連するネタを探している。
そこに大学がプレスリリースを送れば、記事になる確率が高い。
◆以下、有料公開部分となります。
◆地方紙だけでなく、共同通信・時事通信も
◆日本経済新聞とは無関係の会社が実は上
※無料公開部分1600字・有料公開部分の文字数2000字/合計3600字
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