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最強の思考法「スケール推定」「フェルミ推定」をダブルで徹底解説! 概算スキルを鍛える方法とは?

横山信弘経営コラムニスト
(ChatGPT DALL-E 3 にて筆者作成)

あなたは、こんなことで悩んだことはないだろうか?

どのようにすれば感情に振り回されることなく、効率的に仕事をサクサクこなすことができるのか? 

どのようにすれば絶対達成できるマーケティング活動や事業戦略を立案できるのか?

今回はコンサルタントが日ごろから使っている代表的な思考法「スケール推定」「フェルミ推定」について紹介する。

2部構成で、わかりやすい事例とともに徹底解説する企画だ。脳機能を鍛えるトレーニングにも繋がるので、ぜひ最後まで読んでいただきたい。6100字超。

<目次>
■「フェルミ推定」より100倍使える「スケール推定」とは?
■超高速マシーンのように効率的に仕事をこなす方法
■先送りの習慣が治らない人は「スケール推定」をクセに!
■「スケール推定」3つの手順
■なぜバカバカしいほど極端な数字から始めるのか?
■ランチ時は「フェルミ推定」を鍛える絶好のチャンス!
■「フェルミ推定」とは何か?
■「フェルミ推定」ができると詐欺には引っ掛からない?
■「フェルミ推定」4つのプロセス
■「フェルミ推定」に慣れるための3つのポイント

■第一部「フェルミ推定」より100倍使える「スケール推定」とは?

見当もつかないような数字を概算することが「フェルミ推定」だ。

「わからないなりに考える」

というクセをつけるのに、とても役立つ。仮説思考を鍛えるなら「フェルミ推定」に慣れておいたほうがいいだろう。

たとえば新しい事業を起ち上げたいと思ったとき、その事業が何年で黒字化するのか。コンサルタントは細かい市場リサーチすることなく、何となくの概算力で、

「おそらく10年かかっても黒字化しない」

とか、

「3年ぐらいで黒字化できると思います。ただし2つの条件があります」

等と、いったんの仮説を立てる。直感ではなく、自分なりに考えた計算式と、その式に入れる値を仮に入れて、ざっくりと概算するのだ。

こういった「ざっくりと概算できる力」はとても重要なスキルだ。

とはいえ「フェルミ推定」は簡単ではない。それに、ふだんそれほど使い道がない。コンサルタントでさえ、しょっちゅう「フェルミ推定」を使う人はいないだろう。

私が「フェルミ推定」よりも強くお勧めするのは「スケール推定」である(スケール推定は横山の造語)。

スケールとは「寸法」「モノサシ」のことである。長さ、大きさ、広さ、量、回数、こういったものの規模感、程度をざっと概算することだ。

この「スケール推定」は、毎日のように使える。そして、仕事を効率的に進めるうえで、とても有益だ。

「なんか忙しい」

「なんか時間がない」

「なんかバタバタしている」

が口癖の人は必ずチェックしてもらいたい。「フェルミ推定」よりも100倍使えると私は信じている。

■超高速マシーンのように効率的に仕事をこなす方法

あなたの周りにいないだろうか?

難易度の高い仕事をいくつも抱えているのにも関わらず、涼しげな表情でサクサク仕事をこなす同僚だ。

コンサルタントの中にも、高性能マシーンのように大量の仕事を効率的に処理する者がいる。他者よりも多い仕事をこなしながら、人脈を広げるための活動も熱心に行い、週末は家族や、趣味に熱中するための時間もしっかりと確保する。

驚くべきは、常に感情をコントロールできていることだ。憎らしいほどに淡々と、重圧のかかるような仕事をスイスイこなす。周囲からは、

「本当は2人いるのでは?」

と思わることも多い。そんな敏腕コンサルタントが、いつも無意識のうちに使っているのが「スケール推定」だ。

「スケール推定」とは、ある物事の大きさや長さ、量などを概算することである。

「フェルミ推定」に比べたらはるかにカンタンだ。しかし「スケール推定」が使えるシチュエーションは私たちの周りにとても多い。最も使える場面は、ある個別の作業にかかる時間を見積るときだ。

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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