横浜家系ラーメン総本山一番弟子 『杉田家』を食べ比べてみた
横浜家系ラーメンが生まれて今年で50年
全国的に人気を集めている「家系(いえけい)ラーメン」。豚骨醤油スープに鶏油を浮かべ、長さが短めの太麺を合わせ、具はチャーシュー、ホウレンソウ、海苔3枚というのが基本的な家系ラーメンのスタイル。老若男女幅広い客層の支持を集めているラーメンだが、その発祥は1974(昭和49)年に創業した『吉村家』(神奈川県横浜市西区岡野1-6-31)。今年は家系ラーメンが誕生して50年となる。
今や数多くの「家系ラーメン店」が存在するが、吉村家で修業を積んで「家系皆伝」の直系店として認められている店は全国で数軒しかない。その中でも1999年に独立開業した『杉田家』は、家系総本山直系の一番弟子として四半世紀にわたり人気を集めている。『吉村家』創業の地である横浜新杉田に本店を構え、他にも千葉市内に2店舗ある『杉田家』を食べ比べてみよう。
家系発祥の地を守る嫡流『杉田家 本店』(1999年創業)
『吉村家』が創業した新杉田の地で、1999(平成11)年に創業したのが『杉田家 本店』(神奈川県横浜市磯子区新杉田3-5-101)。店主の津村進さんは総本山直系の一番弟子として、『吉村家』が横浜に移転したタイミングで新杉田の地を任された。創業から四半世紀が経った今も連日行列が出来る人気を保ち続けている。
『杉田家』のラーメンは『吉村家』よりもベースのスープが濃厚なのが特徴。その分、カエシや鶏油も強めで、全体的にインパクトが強いラーメンを提供している。さらに鰹節や梅を合わせたオリジナルの和風ラーメンを考案したり、早朝5時から営業するなど、家系の伝統はしっかりと守りながらも、家系ラーメンの可能性を広げるチャレンジを続けている。
総本山直系初となる2号店『杉田家 千葉祐光店』(2011年開業)
原則として『吉村家』直系店はその1店舗を守るべしと、支店の展開は許されていなかったが、『杉田家』が直系として、2011年に初めて出店を許された店が『杉田家 千葉祐光店』(千葉県千葉市中央区祐光4-17-7)だ。店主の津村さんは修業前に千葉県船橋市でラーメン店を営んでいたこともあり、言わば千葉県への凱旋出店となる。
1990年代後半から家系ラーメンが進出していた千葉市では後発となるが、総本山直系のパワフルなラーメンはすぐに多くのファンを作り、開業直後から行列店の仲間入りを果たした。本店よりもややマイルドなバランスになっているが、カエシのキレと甘い鶏油の香りは本店さながら。本店同様早朝5時から営業するスタイルも変わらない。
千葉中心部に出店した都市型3号店『杉田家 千葉駅前店』(2022年開業)
総本山直系としては初となる『杉田家』3号店にして、千葉市2店舗目となる店が、2022年にオープンした『杉田家 千葉駅前店』(千葉県千葉市中央区中央2-2-6)。JR千葉駅からも徒歩圏内で商店街の一角に位置しており、これまでの店舗とは異なる都市型の店舗として、サラリーマンや買い物客、学生など幅広い客層の支持を集めている。
しっかりと乳化した存在感のあるスープが特徴的。千葉祐光店と同様に本店と比べるとカエシなどのバランスは控えめだが、醤油感の強さは千葉市内の他の家系ラーメン店と比べても際立つ。直系ならではのスモーキーなチャーシューはしっとり柔らか。本店や千葉祐光店と比べると時間帯によってはスムーズに入れることが多いので狙い目だ。
家系総本山の味を継承して人気を集めている『杉田家』。横浜だけではなく千葉でも嫡流の味を楽しむことが出来るので、まずは最寄りの『杉田家』へ行って、他の2店舗との食べ比べを楽しんで欲しい。
※写真は筆者によるものです。
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