絶対に食べておかねばならない 福岡の豚骨ラーメン「地域密着」3軒
地元の人がこよなく愛する豚骨ラーメン
福岡は言わずと知れた「豚骨ラーメンの聖地」。博多ラーメンや久留米ラーメンをはじめ、豚骨ラーメン店が数多く集結しているエリアだ。そして福岡発祥で全国や世界にチェーン展開しているブランドも少なくない。今や福岡に行かずとも日本全国、あるいは世界各国で豚骨ラーメンが食べられる時代になったが、福岡でなければ食べることの出来ないラーメンもある。
これまで、福岡で食べておくべきラーメン店を色々とご紹介して来たが、今回は福岡市内を離れた郊外エリアに限定し、地元の人たちに愛されている人気店を3軒厳選した。いずれも福岡の豚骨ラーメンを語る上で欠かすことが出来ない店で、福岡でなければ食べることが出来ない店ばかりだ。
【糟屋郡】『天龍ラーメン』(1972年創業)
創業は1972(昭和47)年と半世紀近い歴史を持つ老舗が『天龍ラーメン』(福岡県糟屋郡志免町南里1-3-31)。店名に「龍」がつく店が多いことから、地元のラーメン好きが「ドラゴンロード」と呼ぶ志免町の街道沿いの中でも屈指の老舗人気店。自分が生まれる前に祖父母が開いた店を今は若き二代目が継いでいる。
濃厚でありながら口当たりは滑らか、濃さだけではなく旨味の「密度」の高いスープは、昔ながらの「羽釜」を使い骨を継ぎ足しながら作る「呼び戻し」の製法によって日々深みが増していく。麺は3種の小麦をブレンドした自家製麺。味の決め手となる「醤油ダレ」は祖父の味を受け継いだ。祖父のラーメンを孫が新たな解釈を加えて、老舗とは思えない最先端の豚骨ラーメンを生み出した。
【太宰府市】『博多ラーメン屋 一十』(1997年創業)
福岡県太宰府市朱雀。古くは「遠の朝廷」と呼ばれ、今は「令和の里」とも呼ばれる歴史ある場所で四半世紀続くラーメン店が『博多ラーメン屋 一十』(福岡県太宰府市朱雀6-5-17)。福岡を代表する老舗『一九ラーメン』で経験を積んで独立開業。今は息子の二代目が暖簾と味を守り続けている。
時代に合わせてスープの濃度などは変えているが、創業当初から変わらないのが五右衛門釜で炊く製法。大量の豚骨を五右衛門釜に入れて灯油バーナーで長時間炊き続ける「呼び戻し」製法。釜は洗わずに継ぎ足して作り続けることで、日に日に釜の中で旨味が増していく。「暴れ釜」とも呼ばれる五右衛門釜でのスープ作りは重労働だが、職人でなければ辿り着けない味を生み出すことが出来るのだ。
【小郡市】『ラーメンラボ。ヒカリノサキ』(2017年創業)
久留米市や佐賀県鳥栖市にも隣接する小郡市に、2017年『キラメキ。』の屋号で創業。2021年に店名を改めリニューアルした人気店が『ラーメンラボ。ヒカリノサキ』(福岡県小郡市小郡553-7)。ノスタルジックな豚骨ラーメンが多いエリアで、豚骨のみならずアップデートされた進化型のラーメンを数多く提供している新進店だ。
「非豚骨」の括りで語られることが多い店だが、豚骨ラーメンも白眉の出来栄え。自慢の豚骨スープは豚骨のみならず鶏ガラや乾物なども加えることで、異なる素材の旨味が重なり合い、旨味の相乗効果でより味わい深くなっている。豚骨ラーメンの常識にとらわれることのない、ただただ美味しいものを追求しようという姿勢から生まれた、次世代型の豚骨ラーメンと言えるだろう。
福岡は市内だけではなく郊外も実力店が数多く存在しているところが強み。時にはドライブがてら市内を離れて、地元で愛されている地域密着店にも足を運んで欲しい。そうすることで、福岡でのラーメン食べ歩きがより一層楽しくなることだろう。
※写真は筆者によるものです。
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