絶対に食べておかねばならない 福岡の豚骨ラーメン「超濃厚」3軒
骨の全てが溶け込んだ超濃厚スープ
豚骨ラーメンの聖地、福岡には様々なタイプの豚骨ラーメンがある。あっさりとした毎日でも食べられるものから、骨の味を感じるような超濃厚こってり味まで。一言で豚骨ラーメンと言っても、店ごとの個性が感じられるのが福岡の豚骨ラーメンの魅力だ。
豚骨の部位によっても味や表情は異なる。豚の頭骨を使う店やゲンコツと呼ばれる大腿骨を使う店、背骨を使う店、それらを複合的に混ぜて使う店。寸胴で炊くのと羽釜で炊くのとでも味は変わる。さらにはスープを熟成させるのか、フレッシュなまま使うのかなど、店の数だけレシピがあると言っても良いだろう。
これまでも福岡で食べておくべきラーメン店をご紹介して来たが、今回は福岡の豚骨ラーメンの中でも、超濃厚なスープで人気を集める店を厳選した。粘度も濃度もあるスープは、豚骨の全てが溶け出したようなリッチな味わいがする。豚骨にまみれた魅力あふれるラーメンをぜひ食べ歩いて欲しい。
ド豚骨スープにずんだれの魅力『魁龍 博多本店』
福岡空港の南側、東那珂の街道沿いで人気を集める『魁龍(かいりゅう) 博多本店』(福岡県福岡市博多区東那珂2-4-31)。1992年、福岡県小倉に創業して徐々に人気を呼び、2001年にこの博多本店を構えた。その後『新横浜ラーメン博物館』にも福岡代表として出店を果たすなど、全国に「どトンコツラーメン」の店として知られる人気店だ。
特製の大きな羽釜に豚頭だけを使い、前日のスープを種に新たな材料を継ぎ足して骨が崩れるまで炊き上げる「呼び戻し」製法で取ったスープは、どっしりとした重みのある超濃厚なもの。麺は中細低加水のストレート麺で、バリカタなどの硬めではなく柔らかめの「ずんだれ」で茹で上げる。唯一無二の存在感あるラーメンは、ハマる人にはとことんハマる。まさに食べ手を選ぶラーメンだ。
超濃厚なのに超繊細な豚骨『石田一龍 本店』
九州最北端の都市にして、九州の玄関口としても四大工業地帯の一つである北九州工業地帯を擁する場所としても知られる「北九州市」。そんな北九州で連日行列を作る人気店が、小倉の郊外にある『石田一龍 本店』(福岡県北九州市小倉南区下石田1-4-1)。「北九州ラーメン」を謳い、県内外にも店舗を多数展開する勢いのあるラーメン店だ。
厳選した豚の頭骨やゲンコツを16時間以上丁寧に炊き上げたスープは、最後に細かな網を使ってしっかりと濾す。時間も手間もかかる作業だが、この工程によって驚くほど滑らかな口あたりになる。驚くほどに濃厚でありながらも繊細な味わいと口あたりのラーメンは、博多にも久留米にもない新たな豚骨ラーメンのスタイルを確立した。
豚骨と水だけの超濃密スープ『あなたの心を鷲掴み』
福岡市内から車で一時間、人口一万人足らずの小さな町の国道沿いに、市内外はもちろん、九州や全国各地からも連日多くの客が訪れる店がある。通称「アナワシ」と呼ばれる『あなたの心を鷲掴み』(福岡県八女市立花町原島129-1)は、2013年に宮崎で『とんこつラーメン天頂』として創業し、2018年に現在の屋号に変えて八女市に移転した。
厨房に鎮座する3基の羽釜には、はみ出すほどに大量の豚骨が入れられており、店主が休む間もなく次から次へと骨を足す。白濁を超えた茶褐色の豚骨スープは、濃厚ながらも臭みはなくしつこさもない。スープに合わせて作られた自家製麺は、中太でツルッともちっとした食感。使用する豚骨は丼一杯あたり約1キロ。化学調味料やラードに頼らず、豚骨だけを強火で炊き上げた超濃密スープをストレートに味わえる、豚骨ラーメンの概念を変える一杯だ。
今回ご紹介した3軒は、いずれも福岡の豚骨ラーメンを語る上で欠かすことの出来ない店ばかり。福岡で豚骨ラーメンの食べ歩きをする時には、この3軒はマストだ。ぜひ食べ歩きのリストに加えて欲しい。
※写真は筆者によるものです。
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