Yahoo!ニュース

【藤沢市】近付いてみたら衝撃の姿だった。悲しい伝説が残る「舟地蔵」の正体

ころんころライター(藤沢市)

【プライスレス藤沢】
~藤沢の魅力を再発見~

藤沢市内で見つけたプライスレスな情報シリーズ。

38カ所目は、JR辻堂駅から車で10分ほどのところにある市指定重要文化財『舟地蔵』藤沢厚木線(43号)の「舟地蔵交差点」の近くです。

「舟地蔵交差点」を北西に40メートルくらい進むと、植木で囲われた小さな祠のようなものがあります。

このように、道路からはお地蔵様の上半身しか見ることができません。

近付くと…

赤い帽子をかぶり、前掛けをしたお地蔵様の姿がありました。台座に座っているように見えますが…

サイドにまわってみましょう。

…?
これはもしや舟??

間違いなく舟です。
まさかのお姿に、しばし呆然(お名前のまんまですね...)。

実は、この『舟地蔵』には少々悲しい伝説が秘められています。

永正9年(1512)の夏、大庭城を攻め落そうとした北条早雲。周辺一帯が沼地だったため、思うように攻め入ることができず難儀します。そんな中、近くに住むボタ餅売りの老婆から「引地川の堰を止めれば沼地が干上がる」ことを聞き出します。しかし、この大事が漏れることを恐れ、無残にも老婆を斬り殺してしまいます(その後、北条軍は大庭城を落城)。このできごとを哀れに思った近隣の者は、老婆を供養するために『舟地蔵』を建てて祀ったと言われています。

参考記事:電子博物館みゆネットふじさわ『舟地蔵』(外部リンク)

ではなぜ「舟」に乗っているのでしょうか?

全国のお地蔵様を調べると、台座が「舟」のお地蔵様はほかにもありました(「岩船地蔵」や「船形地蔵」など)。

他県の『舟地蔵』もあわせ、お地蔵様が「舟」に乗っている理由を探ると「沼地に浮かぶ小舟を表しているのではないか」「この世からあの世へ行くときに通る、三途の川を渡るためではないか」など、所説みつかります。しかし藤沢市の『舟地蔵』を含め、どのお地蔵様も詳細は不明のようでした。

たくさんの藤沢市民が利用する「舟地蔵交差点」。

その交差点をそっと見守るように、戦国の世に生まれた悲しき老婆を供養する『舟地蔵』が祀られています。

穏やかな表情でほほ笑んでいるようにも見える『舟地蔵』
穏やかな表情でほほ笑んでいるようにも見える『舟地蔵』

基本情報
『舟地蔵』
住所:藤沢市大庭5143
※駐車場は無いため、行かれる際は公共交通機関をご利用ください。

【関連情報・9月の掲載記事】
本格珈琲を楽しむカフェとしても◎
珈琲鳴館 湘南辻堂焙煎所
想像とは少し違う?人気のかぼちゃあんパン
ロワール光月堂大庭店
樹齢100年の木に実る大きな梨
ふるうつらんど井上
住宅街でひそかに養殖される高級食材に仰天
SHONAN GREEN CAVIAR
本社の人に聞いた「限定販売商品」とは?
おかしのまちおか
秋に食べたい一口サイズの栗羊羹
ゑびすや本店
美味しくて軽くてボリュームのある手土産
Cornology
シナモンが効いた大人のフレンチトースト
Boulangerie NOLAN Hatta 本店
閉店した肉屋の幻のソーセージがここに
SHONAN Grill Style
手ぶらBBQもできるステーキ屋さんのランチ
ステーキハウスT&T
ついに藤沢市にもオープン!
とろり天使のわらびもち藤沢ミロクジーナ店

ライター(藤沢市)

湘南エリアの複数メディアや紙面、昭文社「まっぷるトラベルガイド」などで、記事執筆&撮影を担当。取材スポットは1000ヶ所近く。そんな取材後記や、徒然なるままのゆるゆる日暮らしを、Instagramに綴っています。ほわっとあたたかくなる「神奈川県藤沢市」の情報をお届けできたら幸いです。※「毎週日曜の20時10分」に約1週間分の記事をまとめてお届けする「LINEでの配信」がスタートしました。ご登録いただくと藤沢市の話題(特に美味しいもの情報)に困りません。

ころんころの最近の記事