「寺の中の小さな神社」に眠る「豊臣秀吉や石田三成との意外な関係」藤沢市にこんな名所があったとは驚き!
【プライスレス藤沢】
~藤沢の魅力を再発見~
藤沢市内で見つけたプライスレスな情報シリーズ。96カ所目は藤沢市藤沢にある『妙善寺』です。
小田急江ノ島線「藤沢本町駅」から徒歩5分ほど東へ進んだ住宅街に、朱塗りの山門が参拝客を迎える『妙善寺』があります。
日蓮宗の寺院で、永正元年(1504年)に創立。山号は長藤山、旧本山は「比企谷妙本寺」と言われます。
『妙善寺』の本尊は日蓮聖人像。墓地には、藤沢の本陣職を務めた蒔田家のお墓があります。
「本陣職」とは...
宿場町で大名や幕府の役人などの高位の旅人を宿泊させるために、「本陣(ほんじん/幕府が認めた宿泊施設)」を管理・運営する役職のこと。
また、境内の西側には「正一位正宗稲荷大明神」という稲荷神社もあります。
お寺の方に聞いた話や、江戸時代に編纂された相模国の地誌「新編相模国風土記稿」などを参考に紐解くと、神社の名前にある「正宗(まさむね)」とは、鎌倉時代末期から南北朝時代初期にかけて作刀に携わった刀工「正宗」を指すよう。
「正宗」と言えば、「正宗五郎入道」「岡崎正宗」としても知られる、日本三大刀工の一人。
動画引用元:刀剣・日本刀の専門サイト「刀剣ワールド」
その技量は極めて卓越していたと言われ、かの豊臣秀吉が「家臣の褒美に与えた名刀」を作るほどの腕前で、相模国では最も有名な刀工のひとりとされます。石田三成の所持品「名刀・石田正宗」も「正宗」の作品にあたります(東京国立博物館所蔵)。
「正一位正宗稲荷大明神」という神社名の由来については、当時、手の疼痛に苦しんでいたと言われる「正宗」が関係。職業に行き詰まりを感じてこの稲荷神に祈願し、宝剣を鍛えて名声を得たところからその名が付いた...という話が残されています。
そのため「正一位正宗稲荷大明神」は、刀工としての彼の技術を敬う場所として、また武運や刀剣を祈願する場として参拝に訪れる人も。
しかしこれほどの逸話を持つ神社でありながら、「藤沢本町といえば『白旗神社』」と答える人が多く、筆者を含め、この神社の由来や歴史に詳しい友人は一人も見当たりませんでした。
そんな「正一位正宗稲荷大明神」の鳥居の正面(境内の中央)には立派な大銀杏が植えられており、この時期は美しい紅葉を楽しませてくれます。
お寺の方によると、例年11月下旬から色づき始めるそう。年末年始の行事は予定されていませんが、参拝はいつでも可能とのことでした。
大銀杏のほかにも、紅葉、梅、百日紅(サルスベリ)、カルミアなど、季節の植物が四季の彩りを添える『妙善寺』。
訪れる人々に歴史の刹那を伝えつつ、癒しと彩りを与えてくれる場所です。
基本情報
『妙善寺』
住所:藤沢市藤沢1-5-3
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