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【Yahoo!ニュース 個人】5月の月間MVAとMVCが決定

(写真:ek_photofeeling/イメージマート)

■Yahoo!ニュース 個人、5月の「月間MVA(Most Valuable Article)」と「月間MVC(Most Valuable Comment)」が決定しました

社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点で選出している「月間MVA」。記事のアクセス数ではなく、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」「文化の発展に寄与する」を体現している記事を、編集部を中心とした運営スタッフがアナログで選出しています。あわせて、Yahoo!ニュース 公式コメンテーターによるニュースへの理解が深まるコメントとして「月間MVC」も選出しました。厳選6本の記事と3本のコメントを、筆者の受賞コメントとあわせてご紹介します。

※先月より、記事も公式コメントも投稿するオーサーに加え、公式コメントのみを投稿するコメンテーターも「月間MVC」の選出対象となりました。

Yahoo!ニュース 公式コメンテーターとは

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5月のMVA

過去最多の子どもの自殺をくり返さないため、連休明けに注意を(石井志昂)

筆者による受賞コメント:夏休み明けには子どもの自殺が多くなること、その兆候は5月ごろから現れ始めること、この2つは不登校の現場で働く者にとって痛感していることです。とくに昨年から続くコロナ禍で、子どもの心と現場には強い負荷がかかっています。現場感覚を伝えられればという一心で編集の助力を得ながら書きました。選出、ありがとうございます。(石井志昂

選出理由:子どもがストレスをため込みSOSが出始める5月の連休明け、というタイミングで周囲の大人ができることを解説した記事です。コロナ禍の去年の傾向も踏まえた上で、漫画や専門家取材などを取り入れながらわかりやすく説明しています。20年以上、不登校に関する取材をしてきた筆者ならではの深みのある内容です。

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新型コロナワクチン接種後の死亡例〜検証は十分か?病理専門医の視点から(追記あり)(榎木英介)

筆者による受賞コメント:久々のMVAに選んでいただき嬉しく思います。誤解ないように述べておきますが、私は決して「反ワクチン」ではありません。それを示すために、記事冒頭に私自身がワクチン接種済みであることを書きました。ワクチンが新型コロナウイルスに対して最も有効な手段であることに違いはなく、ワクチンに対する懐疑的な意見や陰謀論を乗り越えるためにも、死因究明を丁寧に行うことが重要だと思っています。(榎木英介

選出理由:ワクチンと接種後の死亡例との因果関係について、漠然とした不安の声が残るなか開始された国民へのワクチン接種。筆者は、報告されるワクチン接種後の死亡例がきちんと検証されたものなのかについて、19の事例をひもときながら、病理専門医ならではの視点で解説しています。死因の究明の難しさとともに、死因究明の前に立ちはだかる日本の医療の課題を示した1本です。

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ため池に落ちると、なぜ命を落とすのか(斎藤秀俊)

筆者による受賞コメント:「ため池に落ちると助からないものかな」という周囲の反応が執筆のきっかけでした。5年前に同様な事故の調査をし、その結果を文章と動画で改めて解説したところ、多くの読者の疑問に直接答えることができたようです。SNSにも記事が広がり、幅広い年齢層に情報を届けることができました。Yahoo!ニュースのプラットフォームとしての影響力の大きさに改めて驚くとともに、この記事が水難事故の撲滅の一助になることを期待しています。(斎藤秀俊

選出理由:香川県でため池に落ちた親子が死亡した事故を受け、その翌日に公開された記事です。ため池落下に関する事故調査のYouTubeを記事内にエンベッドしており、映像を通じてため池から這(は)い上がれない恐ろしさ、そして対処法を解説しています。この記事・動画はSNS上でも反響を呼び、多くのユーザーに注意喚起をすることができました。

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バイデン外交:トランプ政権からの4つの変化と3つの継続性(前嶋和弘)

筆者による受賞コメント:5月のMVAにご選出いただき、光栄です。とても励みになります。バイデン外交のベクトルとは何か、その根底に何があるのか。どのようにしたら分かりやすく伝えることができるのだろうかと考えてまとめてみました。日々のアメリカの情勢や国際情勢を読み解くための指針となるようなものを今後も書いていこうと思っております。(前嶋和弘

選出理由:政権発足から100日を過ぎ、ようやく定まってきたバイデン外交の方向性を読み解いた1本。前政権のやり方からの決別ばかりに注目が集まりがちなところ、実際にはトランプ外交を継続している点もあることがわかりやすく解説されており、バイデン外交をバランスよく理解できます。

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母のケアか自分の夢か。厳しい選択を迫られた元ヤングケアラーが今思うこと(宮下公美子)

筆者による受賞コメント:MVAへの選出、大変光栄に思います。記事で紹介した元ヤングケアラーの女性は、長く続いた過酷な状況を、誰にも頼らず乗り越えてきました。その体験のすさまじさにこころを揺さぶられ、「彼女が何を思っていたか」に焦点を当てて書いたのがこの記事です。私の受けた衝撃が記事を通し、皆様のこころに何かを響かせることができたなら嬉しく思います。ヤングケアラーは、「つらさをわかってほしい」、でも、「家族のことに踏み込まれたくない」など、複雑な思いを抱えています。それをぜひ理解してほしい。そして、声をあげることすらできない子どもたちを見いだして、語られない思いにも耳をすまし、寄り添い、支えてくれる方が増えていくことを願っています。(宮下公美子

選出理由:9歳から20数年にわたり母親のケアに関わった女性の体験を紹介した記事です。国が初めてヤングケアラー支援策を発表した翌日のタイミングで発信。当事者がどのような問題に直面したのか丁寧に聞き取り、必要な支援は多分野にわたっているという実態の一面をリアルに伝えました。

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新型コロナウイルス蔓延で危機的状況の岡山!危機感を覚えにくい原因は?医療現場の実際は?(薬師寺泰匡)

筆者による受賞コメント:これまで感染者数を抑えていた岡山県で感染が拡大し、短期間のうちに県内の病床が逼迫しました。入院できず、救急搬送先も見つからなくなるような事態に直面する一方、感染者が増えて危機的な状況に陥ってきていることが、肌感覚として社会に伝わりにくいという現実をひしひしと感じていました。なぜ感染拡大状況を認識しにくいのかという点をお伝えできればと記事を書きました。情報発信の機会に感謝いたします。医療状況に対する認識の乖離は、岡山に限らず日本のどこでも起こり得ることと思います。岡山ではどうにか第4波は落ち着きつつありますが、今も感染拡大し医療逼迫している地域があります。気づいた時には遅いかもしれないという認識を共有いただければと思います。受賞に感謝しつつ、次の波を少しでも抑えられるよう、ワクチン接種等の予防策を進めて参ります。(薬師寺泰匡

選出理由:「第4波」で感染が急増した岡山県。県内の病院でCOVID-19患者を受け入れ治療にあたっていたオーサーが、状況の共有と背景をわかりやすく解説してくれています。ありのままをリアルに伝え、この危機を乗り越えるために改めて感染対策を呼び掛ける内容に、気が引き締まります。

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5月のMVC

『【独自】介護施設の入所枠増、主要自治体8割で未達成…「運営事業者集まらない」(読売新聞オンライン)』の記事へのコメント(加藤忠相)

筆者による受賞コメント:介護分野のニュースはあまり明るい話題が少ないですので月間MVCの受賞には縁がないものと思っていました。このニュースもそうですが、昨日と同じことを繰り返す仕組みの中では暗いニュースが続きます。介護は高齢者の話題と思いがちですが、人生という名の山登りで最後に見る景色はゴミだらけではなく「がんばってよかった」と思える景色であるべきで、若い人たちが頑張って生きていこうと思えるニュースを増やす一助になりたいです。ありがとうございました。(加藤忠相

選出理由:主要自治体を対象に実施した調査結果を報じたニュースに対して、記事内容では触れられていない介護現場の実情を伝えるコメントです。公募期間の短さや若手の経営者が入りにくい公募条件など、運営事業者が集まりにくい現状の問題点を当事者目線で解説しています。

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『飲食店のコロナ対策が火事につながったか…コンロの火が飛沫防止シートや消毒液に 1人重体11人重軽傷(東海テレビ)』の記事へのコメント(サニーカミヤ)

筆者による受賞コメント:今回の受賞、とても光栄に存じます。感染予防を徹底するために、さまざまな業種において、用途や目的に応じた新型コロナ対策が行われています。それぞれの対策において、どのようなタイミングや要因で、複合災害や大火災、事故等に発展するか、防災や危機管理専門家でも、簡単に予測することは困難だと思います。防災に関するコメントを書くのは、当事者の方々へのさまざまな方向からの配慮が必要ですが、多くの方々が自らの健康と安全を守るための、気づきときっかけになるような、具体的で役立つ内容をお伝えしたいと思っています。(サニーカミヤ

選出理由:新型コロナの感染症対策として使用するアルコール消毒液や飛沫防止シートが出火原因となった火事についてのコメントです。今後も感染症対策が求められるなか、火災被害を軽減するための飛沫防止シートの選び方や設置時の注意点など、すぐにでも行動に移せる対策方法を解説しています。

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『“深夜0時”に高速なぜ渋滞? トラックが次々と迷惑停車(フジテレビ系(FNN))』の記事へのコメント(橋本愛喜)

筆者による受賞コメント:ブルーカラーの現場には、世間には知られていない深刻な問題が数多く存在します。その「問題」は、もはや業界内だけでは解決できず、世間への周知と理解獲得が必要になることがほとんどです。今回コメントした「トラックによる高速道路上の駐停車」も、一見するとルール違反をしたドライバーだけに非があるように見えますが、その裏には彼らにはどうすることもできない労働上の事情があります。このような業界内の問題を、世間の人たちの日常生活にリンクさせることで、少しでも問題解決につなげられる執筆活動を引き続きしていけたらと思います。(橋本愛喜

選出理由:複合的な要因がかみ合って起きている「高速道路上の駐停車」問題。現場での取材経験を活かして記事の内容を補足しながら、複雑な問題の核心を伝える的確なコメントです。

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