1971年横浜生まれ。神奈川県立柏陽高校出身。東京大学理学部生物学科動物学専攻卒業後、大学院博士課程まで進学したが、研究者としての将来に不安を感じ、一念発起し神戸大学医学部に学士編入学。卒業後病理医になる。一般社団法人科学・政策と社会研究室(カセイケン)代表理事。フリーの病理医として働くと同時に、フリーの科学・医療ジャーナリストとして若手研究者のキャリア問題や研究不正、科学技術政策に関する記事の執筆等を行っている。「博士漂流時代」(ディスカヴァー)にて科学ジャーナリスト賞2011受賞。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。近著は「病理医が明かす 死因のホント」(日経プレミアシリーズ)。
記事一覧
- 日本人研究者が見た「上海ロックダウン」の真実
中国の上海で新型コロナウイルスの感染拡大によりロックダウンが続いている。市民生活に多大な負担を強いるロックダウンの現状を、上海在住の日本人研究者から聞いた。
- 理研600名リストラ危機が示す研究現場の疲弊
理化学研究所(理研)で来年春までに600名もの研究者、職員が職を失う可能性が指摘されいている。しかしこれは理研だけの問題ではない。日本の研究が危機に瀕している。
- 「10兆円大学ファンド」~「選択と集中」「毒まんじゅう」で日本の大学は再生できるか?
期待を集めた10兆円の大学ファンド。一部の大学への「選択と中中」そして政府に都合のよい改革を引き換えに要求する「毒まんじゅう」方式になりそうだ。これでよいのだろうか。
- 桝太一さんが目指すサイエンス・コミュニケーターとは
日本テレビの人気アナウンサー、桝太一さんが「サイエンス・コミュニケーター」に転身することを発表しました。ここでは「サイエンス・コミュニケーター」について解説してみたいと思います。
- 朝日新聞エース記者発言「中国の大学で日本人研究者に数億円の給料」は本当か?
朝日新聞が経済安全保障について特集記事を掲載した。妥当な内容の記事で評価するが、記事を元に記者が語った日本人研究者が中国の大学で数億円の給料を得ている事実は確認できない。発言には正確性を期待したい。
- 衆院選直前、11個の質問でみる各党の科学技術政策
第49回衆議院議員総選挙直前、各党に送付した科学技術政策のアンケートの結果を公開する。11問の質問から見えてきたものとは?
- 「稼げる大学」改革とノーベル賞候補の中国移籍(9月6日追記あり)
最近「稼げる」大学という言葉と、ノーベル賞の候補に毎回名前があがる大物研究者の「研究室ごと中国に移籍」というニュースが話題になった。いっけん関係ないこの二つは、日本の大学の今を如実に示す指標だ。
- 「なんでも軍事研究」〜読売新聞「千人計画批判本」が損なう「国益」
読売新聞が、中国が千人計画によって「日本の先端技術を盗む」と主張する本を出版したが、その内容には問題点が多い。日本の「国益」を守るどころか、逆に害を与えかねないのではないか。
- 「日本からの応募が増えました」読売「千人計画」バッシングが加速させる「人財」の中国流出
読売新聞や一部政治家が中国の「千人計画」を盛んに叩いているが、研究者の中国への流出は逆に増えている。日本の研究環境の改善という本当の「病巣」を治療しない限り、人材流出は止まらない。
- 「発言捏造」で賞狙う?読売新聞「千人計画」特集を憂う
読売新聞が中国の高度人材採用計画「千人計画」に関する記事を連発している。この記事で「新聞協会賞」を狙っているとも囁かれるが、「騙し打ち」的な取材姿勢に批判が出ている。
- 大規模研究不正ふたたび〜医学界は自浄能力を示せるか
昭和大学が麻酔科医が関わる研究不正の調査を公表した。研究不正があったとされる論文は100報を超える。繰り返される大規模研究不正に、医学界は向き合うことができるか。
- 急性大動脈解離と急死〜漫画家・三浦建太郎さんの死因から考える
漫画家・三浦建太郎さんが急性大動脈解離で亡くなられた。急性大動脈解離はどうして人を死にいたらしめるか。病理学的に解説する。
- 開いた"パンドラの箱"〜ALS嘱託殺人医師逮捕が示す「死因不明社会」の闇
患者を死に至らしめたとされる医師が、自分の父親も殺害していたとして逮捕された。父親は解剖されておらず、物証なき捜査が強いられる。日本が「死因不明社会」であることが明らかになった。
- 新型コロナワクチン接種後の死亡例〜検証は十分か?病理専門医の視点から(追記あり)
新型コロナウイルスのワクチン接種が少しずつ進んでいる。筆者も医療者として接種済みだが、ごく少数だが接種後に亡くなられた方がいる。厚労省は検証結果を公表したが、死亡例の検討は不十分ではないか。
- 読売新聞「千人計画」特集が覆い隠す日本の基礎科学の危機
元旦以来読売新聞が中国に渡った日本人基礎「科学」研究者が先端「技術」を盗んでいるというストーリーの記事を掲載しているが、これらは日本の基礎科学が抱える問題から目を逸らし、問題解決を遠ざける。
- 正しく恐れよ「千人計画」
中国の高度人材獲得計画「千人計画」に警戒感が高まっている。その理由は日本人研究者が中国の軍事技術向上に関与するのではないかという懸念だが、真に憂慮すべきは日本が高度人材を活用できない現状にこそある。
- 誤解だらけの日本学術会議
菅首相が日本学術会議から推薦された研究者6名を推薦しなかったことが、様々な議論を呼び起こしている。しかし誤った知識で語る人が多い。本稿では日本学術会議とはそもそもどんな組織か、考えてみたい。
- 一流医学誌で論文撤回~新型コロナウイルスの研究に何が起こっているのか
新型コロナウイルスに関する研究が世界各地で行われており、日々大量の論文が公開されている。こんななか、医学関係者誰もが参照する一流医学誌に掲載された複数の論文が相次いで撤回された。何が起きているのか。
- 「臨床検査技師」と正しく言おう〜新型コロナと向き合う重要な人たちに心からの支援を
新型コロナウイルスの感染拡大で、検査や検体の採取に活躍しているのが臨床検査技師だ。しかしその認知度は低い。現場で頑張る臨床検査技師のことを知って欲しい。
- 「前線」でも「後方」でも〜新型コロナが引き起こす経営破綻という名の医療崩壊
新型コロナウイルス感染症の広がりが、治療にあたる病院に大きな負担を強いており、「医療崩壊」が叫ばれている。しかし、直接感染患者を治療しない病院も、患者大幅減という厳しい現実に直面している。
- 新型コロナウイルス蔓延が引き起こす「死因不明危機」(4月29日追記あり)
新型コロナウイルス感染症の蔓延拡大はとどまるところを知らない。日本国内でも、誰が感染者か分からない段階になってきた。こうした中、解剖によって医療者が感染する可能性が指摘されている。
- 新型コロナ感染「3つの密」をブチ破る窓開け(#Madoake)実践法
新型コロナウイルス感染を防ぐために密集、密接、密閉の「3つの密」を防ぐ必要があるが、窓を開け密閉を開放する運動がじわじわ広がっている。本記事では、窓を開ける方法など疑問について答えてみたい。
- 窓を開けて世界を救おう!新型コロナウイルス集団感染を防ぐシンプルな方法
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。日本でも感染者が増加しているが、感染拡大を防ぐ手段もみえてきた。その一つが「窓を開ける」ことだ。
- 検査は賢く利用してこそ〜検査室の片隅から
新型コロナウイルス(SARS-CoV2)の感染が広がっている。何故もっと検査をしないのだという人々の苛立ちはもっともだ。ただ、「検査室」にいる人間として一言言いたいことがある。
- どんどん休めと言われても〜休めないニッポンにつけ込むCOVID-19(新型コロナ)
新型コロナウイルス感染症COVID-19は日本国内に広がりつつあり、もはや誰もがかかりうる感染症になった。対策は体調が悪ければ休むなど、当たり前のことしかないが、簡単に休めない人はどうすれば良いのか。