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中野駅でも、千葉駅でも、辻堂駅でも1.2億ション……駅近タワマンはどれを選べばいい?

櫻井幸雄住宅評論家
「パークシティ中野」のコンセプトルームで、筆者撮影

 3月から販売が開始された千葉駅から徒歩4分の「ブリリアタワー千葉」は第1期販売が6588万円~2億9998万円(2LDK~4LDK・約58平米~160平米)。70平米程度の3LDKで1億2000円となる価格水準だ。

 続いて販売が始まった中野駅から徒歩4分の「パークシティ中野」は第1期が1億2000万円~4億円(1LDK〜3LDK・約54平米〜約125平米)。1億2000万円で1LDKが購入できる。

 そして、5月25日から第1期販売が始まった辻堂駅から徒歩2分の「ザ・タワー湘南辻堂」の第1期販売は8990万円〜1億5980万円(2LDK〜4LDK・約65平米〜92平米)。こちらは、最多価格帯が1億1700万円と1億2000万円と発表され、1億2000万円で80平米程度のゆとりある上層階3LDKが購入できる価格水準だ。

 つまり、1億2000万円の予算があれば、千葉県の中心・千葉駅に近いタワマン・3LDKが買えるし、東京23区内で再開発が始まった中野駅直結のタワマン・1LDKも購入可能。そして、神奈川県の辻堂駅徒歩2分で、湘南の海が一望の下となるゆったりした3LDKを買うこともできる。

 2024年の今、「予算1億2000万円程度で駅近のタワマンを買おう」と思っている人は、大いに悩む状況が生まれている。

 同じような特徴を持つマンションが3つ同時に販売され、どれにしようか迷うという状況はじつは過去にもあった。

 2000年から2001年にかけては、新橋駅近くの「東京ツインパークス」と品川駅直結の「品川Vタワー」、そして地下鉄九段下駅近くの「東京レジデンス」が販売され、どれを選ぶべきか侃々諤々(かんかんがくがく)の議論が交わされた。

 2009年には、杉並区の「パークシティ浜田山」と三鷹駅近くの「武蔵野タワーズ」、そして二子玉川駅周辺の再開発で建設された「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」が販売されていた。

 なぜか、3つのマンションが同時に発売される。そして、3つのマンションで、同じような金額で購入できる住戸がある……だから、迷う人がでてしまうわけだ。

 迷った人はどうなったか。過去の実情を含めて、今回同時発売された3マンションの評価を行いたい。

3物件を資産価値の高さで選べば……

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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