本当は怖いDX 政府とIT企業がひた隠しにする不都合な真実とは? ~事前準備4つの手順を公開~
■「若者は鳥や魚ではない!」と言いたい
「若者は鳥や魚ではない!」
と声を荒らげて言いたいことが、過去に何度かあった。
「若い人は、なかなか動かない」
「厳しく言うと辞めてしまう」
そう決めつけて、面と向かって対話しようとしない上司が急増している。本来はどのように対話すべきか。それは、新刊『若者に辞められると困るので、強く言えません』で詳しく書いた。
「ちょうどいいマネジメント」11のルールについて書いたのだが、世の中の多くの企業はまるで腫物を触るかのような態度で「仕組み」に頼ろうとする。
しかし、これはまるで鳥や魚を誘導するための「仕掛け」のようなものだ。会社の都合の良いように若い人を動かそうとしても成果は出ない。本人の成長にも繋がらないだろう。現代のDX(デジタルトランスフォーメーション)が、まさにその典型である。
今回は「仕組み」に頼ることの限界と、それを解決のために不可欠な「事前準備」について、深く掘り下げていきたい。
DXは、バレンタインデーやハロウィンと似ている。
業界関係者が盛り上げるこのムーブメントは、経済を活性化させるうえでは重要な役割がある。ただ、正しく理解しないと生産性がアップするどころか、振り回されるだけになるのだ。ぜひ気を付けてもらいたい。
<目次>
■「若者は鳥や魚ではない!」と言いたい
■DXがもてはやされる背景とは?
■会社が思い描く恐ろしい夢物語「3プロセス」
■「仕組み」を作っただけで人が動かない3つの理由
(1)説明が必要(目的を理解してもらうまで数回)
(2)コミュニケーションが必要(主体的に活用するまで何度も)
(3)フィードバックが必要(成果を出すまで何度も)
■上司が使いこなせない「仕組み」を使わせることは不可能
■DX推進者に絶対不可欠な「●●●●スキル」
■「仕組み」を使って成果を出すための事前準備4手順
■DXがもてはやされる背景とは?
多くの組織では、様々な仕組みや仕掛けを作っている。「DXを強力に推し進めよ」という経営陣の号令のもと、積極的に導入する企業も多い。
その背景には、政府やIT企業の強い推進意欲がある。彼らは、DXを通じて経済活性化や自社の利益増大を狙っている。だが、若い世代の社員を単に仕組みの中で動かそうとするアプローチは、本当に正しいのだろうか。
実際に多大なコストを支払ってDXを推進し、業務の生産性を向上させようとして、失敗している企業はとても多い。
とくに社歴の浅い若者を動かすケースだ。
■会社が思い描く恐ろしい夢物語「3プロセス」
「仕組みを作るだけで人が動くと思っている」
これはDXを推進する過程で見られる大きな誤解だ。多くの企業では、仕組みやシステムを導入することで、人々の行動や生産性が自動的に向上すると期待されている。洗濯機や電子レンジと同じだと考えているのか? もちろん、そんなラクなことはない。
「右へ行くのか?」
「左へ行くのか?」
それぐらいを誘導するだけなら、「仕組み」に頼るのもいいかもしれない。しかしビジネスはそんな単純ではない。昔と異なり、複雑性は大きく高まっている。ベテラン社員でさえ「正解」がわからない時代なのだ。
だから以下のような夢物語を、会社は思い描いてはならない。
(1)会社が仕組みを導入する
(2)部下が仕組みを活用する
(3)部下が成果を出し、成長する
この記事は有料です。
横山塾~「絶対達成」の思考と戦略レポ~のバックナンバーをお申し込みください。
横山塾~「絶対達成」の思考と戦略レポ~のバックナンバー 2024年3月
税込330円(記事4本)
2024年3月号の有料記事一覧
※すでに購入済みの方はログインしてください。