広瀬すず参戦 松村北斗、アイナ、岩井俊二監督ら韓国でも大人気と紹介された釜山映画祭ウェルカムイベント
韓国・釜山で開催中の『第28回釜山国際映画祭』で10月5日、招待作品『キリエのうた』のアウトドアグリーティングが行われ、岩井俊二監督、アイナ・ジ・エンド、松村北斗、広瀬すずが登壇。早くから会場周辺に詰めかけていた大勢のファンから大歓声を浴びた。
【写真】松村北斗、岩井俊二監督、アイナ・ジ・エンドのオープニングセレモニーのフォトコール(中段に掲載)
アウトドアグリーティングは、招待作品の監督、出演者が登場する映画祭イベントのひとつ。オープニング&クロージングセレモニーが行われるメイン会場にて行われる映画祭ゲストへのウェルカムイベントであり、わずか15分ほどの登壇者の紹介と挨拶になるが、映画祭を訪れる多くの観客が気軽に足を向ける広々としたオープンスペースで行われ、本映画祭の名物にもなっている。
この日の『キリエのうた』公式上映前に行われた本イベントには、早くから多くの観客が集まり、あっというまに満席に。客席の周辺には立ち見の人があふれ、後方のスタンドから見学する人も多く見られた。
そうしたなか、大きな歓声と拍手で迎えられた4人は、それぞれ韓国語で自己紹介。久しぶりに本映画祭を訪れたという岩井監督は「僕が映画を作ってきた年数とも重なりますが、第1回から呼んでいただいて、20数年一緒に制作してきた兄弟か同級生のような気持ちです。この場に新作を持って来ることができて、こんな幸せなことはありません。胸が熱くなっています」と挨拶。
司会者から「韓国でもすごい人気の俳優」と紹介された松村は「初めて韓国に来ましたが、応援してくださる方がいるのを知っていたので楽しみにしていました」と笑顔を見せると歓声が沸き起こる。
映画については「ファンだった岩井監督の作品に出演できて、それが韓国に上陸しました。このステージに立つことができて本当に光栄です。僕が演じたのは、決して楽ではない人生を送るキャラクター。そのいろいろなことが起こる人生から目を離さないでください」とアピール。最後に観客に向けて韓国語で来場のお礼をすると会場中が大きな拍手に包まれた。
今回が初の訪韓となったアイナ・ジ・エンドは「初めての韓国が釜山国際映画祭でとてもうれしいです。人生でこんな経験をできるとは思っていませんでした。岩井監督と韓国のファンのみなさんに感謝しています。(演じた)キリエはうまく話せない女の子で、唯一の表現方法が魂を乗せた歌。劇中で岩井監督が作詞した曲も歌っていますので、映画館で体感してください」と初主演作への思いを語った。
この日は、オープニングセレモニーには参加できなかった広瀬すずも参戦。司会者から「久しぶりの韓国へようこそ」と声をかけられると、「7〜8年ぶりに来ました。釜山国際映画祭は今回が初めて。参加できて光栄です。なかなかこういう機会はありませんので、みなさんと映画を通して会えることが幸せです」と喜ぶ。
演じた役柄については「つかみどころがなくて、ものすごく不思議なとんでもない女性。おもしろい役でした(笑)。いろいろな姿を見せています。そんな女性の未来を感じてもらえるように演じました」と笑顔で語った。
一方、作品内容を聞かれた岩井監督は「この映画は説明が難しい。話し出すとすごく長くなりますが、シンプルにひと言でいえば音楽の映画。いろいろな出来事が起こる合間をいろいろな曲で歌い綴っていく構成です。映画でありながらコンサートのようでもある。映像と音楽の両方を楽しんでください」と語り、客席のファンを引きつけた。
挨拶のあとは韓国恒例の観客によるフォトセッション。司会者から右の客席、中央の客席、左の客席と順番に振られ、それぞれの観客に向かって4人が笑顔で手を振ると、観客は必死にスマホで撮影しながら歓声を上げるのも忘れない。
最後は4人が客席をバックに記念撮影。観客が声をそろえて「キリエー!」と叫びながら拍手が沸き起こる。温かい空気に包まれたグリーティングになった。
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