今絶対に食べておくべき 京都の最新ラーメン「革新派」3軒
個性豊かなラーメンが揃う京都
京都は古くからラーメン文化が根付く、知る人ぞ知る「ラーメンの都」だ。戦後の屋台から続く人気の老舗がいくつもある一方で、革新的で個性的なラーメンを提供する店も年々増え続けている。京都のラーメン文化は「伝統と革新」の両方を兼ね備えた、全国でも稀有な存在と言えるだろう。
飲食業には厳しいコロナ禍ではあるが、観光都市である京都には観光客が戻り始めており、新しいラーメンを提供する新店も続々と登場している。前回の「最先端」に引き続き、今回も京都のラーメンを食べる上で、今食べておくべき「革新派」の新店3軒をご紹介しよう。
貝の旨味があふれるスープ『貝だし麺 きた田』
京都駅烏丸口から徒歩5分の場所に、2021年11月のオープン以来、連日行列が出来る人気店が『貝だし麺 きた田』(京都府京都市下京区北不動堂町522-9)だ。白を基調に木の質感も組み込み、洗練された佇まいはいかにも京都らしい雰囲気。
昨今トレンドになりつつある「貝出汁ラーメン」。こちらも店名の通りアサリやハマグリなどの貝の出汁がベースになっている。「中華そば」は貝出汁と牛骨スープをブレンドし、「貝だし麺」はベースの貝出汁にホタテを追加してさらに貝の旨味を加えたもの。やはりまず食べるべきは「貝だし麺」だろう。
アサリやハマグリ、ホタテなど貝の旨味が凝縮された白濁したスープはまさに「貝白湯」。貝の力強い旨味がありながらも上品にまとめられている。北海道産小麦を使った平打ち麺も素材感があり啜っていて楽しさがある。豚と鶏を使った3種のチャーシューも乗り贅沢の極み。
鶏と貝の二枚看板『麺鶏 佰鶏』
2022年3月、祇園の通称「切り通し」にオープンした新店が『麺鶏 佰鶏』(京都府京都市東山区清本町364-5)。雑居ビルの奥にひっそりと暖簾を掲げる店は、気づかずに素通りしてしまいそうな隠れ家。暖簾を潜ると和の趣ある雰囲気がお出迎え。カウンター上には半月盆が整然と並び、割烹店に入って来たかのような錯覚にとらわれる。
和食出身の店主が作るラーメンは、鶏ベースと貝ベースの2種類のスープがあり、それぞれ塩味の「淡麗そば」と醤油味の「澄ましそば」から選ぶことが出来る。透明感のあるスープはすっきりとした雑味のない味わいで、丁寧な仕事ぶりが感じられるもの。低温調理された軟らかいチャーシューもしっとりと寄り添う。
京都らしい佇まいで京都らしいビジュアルのラーメンながら、どっしりとした旨味にあふれる本格派の一杯。自慢のレアチャーシューを使った「稀鮨(レアすし)」も人気が高いサイドメニューだ。
動物系素材不使用ながら力強い旨味『らぁ麺 きむら』
2022年5月、金閣寺エリアにオープンした『らぁ麺 きむら』(京都府京都市北区衣笠東御所ノ内町42)は、上京区にあった人気店『麺処 雁木』が装いも新たに移転リニューアルした店。店頭の大きな提灯には「出汁」「自家製麺」の文字が誇らしげに飾られている。
ラーメンは出汁をテーマにしており、「魚だし醤油らぁ麺」と「濃厚鶏らぁ麺」の二本立て。鯖や鰹の節系と煮干、羅臼昆布の出汁と、原木椎茸、牡蠣の煮干、スルメと、国産食材だけで取った出汁をブレンドしたというスープは、旨味の層が重ねられて深みがあり、色が黒く甘さが特徴的な醤油ダレと合わせられている。自慢の自家製麺は歯切れの良い全粒粉ストレートで、スープとの絡みも良い。
動物系素材を一切使わずに、魚介や乾物で取った出汁のダブルスープで力強い旨味のあるスープを表現。出汁を大切にしてきた京都の文化に沿ったような、京都ならではの醤油ラーメンが誕生した。
今回ご紹介した3軒は、いずれもオープンして一年以内の新店ばかりだが、非常にクオリティの高いラーメンを提供している。京都の今のラーメンシーンを語る上では欠かせない店ばかりなので、ぜひ足を運んで頂きたい。
※写真は筆者によるものです。
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