ワールドシリーズMVPが有力なフリーマンは、新記録も打ち立てる!? 第4戦もホームランを打てば…
ロサンゼルス・ドジャースは、4年ぶりのワールドシリーズ優勝まで、あと1勝に迫っている。10月29日(日本時間30日)に行われる第4戦も勝つと、ニューヨーク・ヤンキースをスウィープする。
これまでのワールドシリーズにおいて、3勝0敗から優勝を逃したチームはない。それについては、こちらで書いた。
◆「0勝3敗からワールドシリーズ優勝は皆無。スウィープを免れたチームも少なく…。ヤンキースは0勝3敗」
今年のワールドシリーズが第4戦か第5戦で終わった場合、MVPを受賞するのは、フレディ・フリーマンだろう。ここまでの3本塁打と7打点は、ともに両チーム最多。フリーマンを除くと、2本塁打の選手も4打点以上の選手もいない。フリーマンは、長打4本も最も多い。右足首が万全ではないにもかかわらず、第1戦に三塁打を打っている。
第1戦は、ワールドシリーズ史上初のサヨナラ・グランドスラムを記録した(「ワールドシリーズのサヨナラ本塁打はフリーマンが18人目。過去の17人はその年に優勝もしているのか」)。第2戦は、テオスカー・ヘルナンデスに続く2者連続ホームラン。リードを2点から3点に広げた。第3戦は、先制の2ラン本塁打だ。
第4戦もホームランを打つと、2021年の第5戦から数えて、ワールドシリーズ6試合連続ホームランとなる。現時点の5試合連続は、最長タイ。ジョージ・スプリンガー(当時ヒューストン・アストロズ/現トロント・ブルージェイズ)と並んでいる。スプリンガーは、2017年の第4~7戦と2019年の第1戦に、続けてホームランを打った。フリーマンのストリークは、最初の2試合がアトランタ・ブレーブス時代だ。
また、1度のワールドシリーズで、第1戦から第4戦まで、ホームランを打ち続けた選手はいない。第1戦、第2戦、第3戦の3試合ともホームランを記録したのは、フリーマンが3人目だ。その前の2人、1958年のハンク・バウアーと2002年のバリー・ボンズは、どちらもシリーズ7試合で4本塁打。彼らは、4本目のホームランを第6戦に打ったことも共通する。
フリーマンは、1度のワールドシリーズで「サイクル本塁打」にも、リーチをかけている。ここまでの3本は、それぞれ、満塁本塁打、ソロ本塁打、2ラン本塁打なので、残すは3ラン本塁打だ。こちらの達成者も皆無。フリーマンは、第4戦でなく、第5戦以降に3ラン本塁打でも「サイクル本塁打」となるが、シリーズは4試合で終わる可能性もある。一方、第4戦にホームランを打ち、シリーズが4試合で終わると、ストリークは継続、となる。
なお、1度のワールドシリーズにおける最多本塁打は5本だ。3人が記録している。1977年のレジー・ジャクソンは、第4戦と第5戦に各1本と第6戦に3本。2009年のチェイス・アトリーは、第1戦に2本、第4戦に1本、第5戦に再び2本。2017年のスプリンガーは、第2戦と第4~7戦に1本ずつだ。
第4戦が終わった時点の最多は4本。こちらは2人だ。1928年のルー・ゲーリッグは、第1戦のホームランがなく、その後の3試合に、1本、2本、1本。1980年のウィリー・エイケンスは、第1戦と第4戦にホームランを2本ずつ打った。
1度のワールドシリーズで4本塁打以上の選手は、以下のとおり。
デューク・スナイダーは、シリーズ4本塁打を2度、1952年と1955年に記録している。1度のワールドシリーズで3本塁打以上は、ベーブ・ルースとミッキー・マントルの3度が最多。ルースは、1923年が3本、1926年が4本、1928年は第4戦に3本。マントルは、1956年、1960年、1964年に各3本だ。