ワールドシリーズのサヨナラ本塁打はフリーマンが18人目。過去の17人はその年に優勝もしているのか
10月25日、フレディ・フリーマン(ロサンゼルス・ドジャース)は、1点ビハインドの10回裏、2死満塁の場面でホームランを打ち、ワールドシリーズ第1戦を終わらせた。
1死一、二塁から、大谷翔平がレフトのファウル・フライに倒れ――アレックス・バーデューゴ(ニューヨーク・ヤンキース)が好捕――続いて、ムーキー・ベッツが申告敬遠で歩かされた直後の初球だ。
昨年のワールドシリーズも、第1戦の幕切れは、サヨナラ本塁打だった。こちらは、11回裏の1死走者なしから、アドリス・ガルシア(テキサス・レンジャーズ)がホームランを打った。
ワールドシリーズのサヨナラ本塁打は、ガルシアが17人目、フリーマンは18人目だ。これまでの17人が記録したサヨナラ本塁打のなかに、サヨナラ・グランドスラムはなかった。ソロが13本、2ランと3ランが各2本だ。
フリーマンの前にサヨナラ本塁打を打った17人のうち、その年のワールドシリーズ優勝メンバーとなったのは12人だ。1960年のビル・マゼロスキーと1993年のジョー・カーターは、サヨナラ本塁打により、優勝を決めた。少し記憶が曖昧だが、後年、カーターは、サヨナラ本塁打を打った相手のミッチ・ウィリアムズとボウリングで対決し、そこでも勝利を収め、あいつはオレには勝てないのさ、とジョークを飛ばしていたような気がする。
サヨナラ本塁打を打ちながら、その年のワールドシリーズで優勝を味わえなかった5人のうち、2001年のデレク・ジーターは、優勝まで3アウトに迫った。だが、ニューヨーク・ヤンキースは、第7戦の9回裏にサヨナラ負け――スコアは2対1→2対3――を喫し、ワールドシリーズ4連覇を逃した。この時、サヨナラ安打となったルイス・ゴンザレスの打球は、いい当たりではなかったものの、遊撃を守るジーターの上を越えていった。
また、1988年のシリーズは、2試合がサヨナラ本塁打で決着。第1戦にドジャースのカーク・ギブソン、第3戦にオークランド・アスレティックスのマーク・マグワイアが打った。この場合、必然的に、どちらか一方のチームが優勝し、もう一方のチームは敗退となる。
なお、第1戦にサヨナラ本塁打の4人、1949年のトミー・ヘンリック、1954年のダスティ・ローズ、1988年のギブソン、昨年のガルシアは、いずれも、その年にチームが優勝している。この4シリーズとも、5試合以下で終わった。
ちなみに、サヨナラ本塁打を打ったワールドシリーズでMVPを受賞したのは、2011年のデビッド・フリーズだけだ。この年のフリーズは、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズでもMVPに選ばれている。両シリーズの連続受賞については、こちらで書いた。