マネジャーにしては絶対ダメな人の特徴「ベスト10」発表!
■マネジャーにしては絶対ダメな人の特徴とは?
私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントだ。20年近くこの仕事をしていると、いかに組織マネジャーが重要か、よくわかってくる。
「どんなマネジャーだと、安定して目標を達成できますか?」
数えきれないほど経営者に質問されたが、答えはいつも同じ。松浦静山が剣術書『剣談』の中で記した、
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
を参考にすればいい。
(※この言葉は、プロ野球の野村克也元監督によって広く知れ渡った)
つまり、良いマネジャーではなく、ダメなマネジャーの特徴を知ることだ。そうすれば「不思議の負けなし」の状態になるだろう。
今回は、マネジャーにしては絶対ダメな人の特徴をランキング形式で紹介する。心当たりがある人は気を付けてもらいたい。
(※ランキングはすべて筆者の感覚)
■ マネジャーにしては絶対ダメな人の特徴「ベスト10」発表
1位:すぐに「努力目標」を言う
マネジメントとは、目標を達成させるためにリソースを効果効率的に配分することだ。以下の図を見てもらいたい。このボトルの中に、石や砂をどのような順番で入れると最もたくさん入るのか? それを考えるのがマネジャーの仕事である。
したがって、このリソース配分をできもしないのに、
「会社から言われてる目標なんてムリだから、ぶっちゃけドレぐらいならいけそう?」
と努力目標を部下に問うマネジャーは言語道断。責任放棄をしているようなものだ。部下の成長をも妨げることになる。まずはマネジャーとしての最低限のスキルを身につけるべきだ。そうしないと目標の妥当性など推し量ることはできない。
2位:部下にすぐ答えを教えてしまう
部下を育てたいと思ったら「問い」をし続けることだ。「問い」の精度が、部下に気付きを与え、考える力を養わせることになる。
対話とは、答えのない「問い」を通じてコミュニケーションをとること。子どもが算数の問題を解いているのに、先生は答えを教えるだろうか? そんなことをしたら、いつまで経っても子どもは成長しない。それと同じで、すぐ答えを与えてはならない。
3位:ひらめきに頼る
直感やひらめきがビジネスにおいて無価値であるとは言わない。しかし、重要な決断をする際にはデータや事実に基づいた分析や論拠が必要だ。直感のみに頼るマネジャーは組織のリスクを高め、安定した成長を妨げる。
以下の記事に書いたとおり、直感よりも直観力を鍛えるべきである。
<参考記事>
■劇的に「うるさい組織」を変える!「静かな仕組み」に必要な思考と技術
4位:計画性がない
先述したとおり、リソースを効果効率的に配分することがマネジャーの仕事だ。したがって目標達成には戦略的な計画が不可欠。計画性のないマネジャーは、チームの努力を無駄にし、リソースを非効率に使う。当然、そんなことをしていたら部下からの信頼を失うことになるだろう。
5位:継続力がない
マネジャーは、マネジメントサイクルを回す仕事だ、とも言える。だから一度決めた仮説を実践しながら、その仮説の精度を上げていくこと。これはPDCAサイクルの基本である。
しかし継続力のないマネジャーは、期待した成果が出ないとすぐに途中で諦め、方針をコロコロと変えてしまう。これではチームは方向性を見失い、組織のエネルギーは分散されてしまう。
ナポレオン・ヒルの名言をここで紹介しよう。
「財産を築く人は、素早い決断力を持ち、一度下した決定を変更するときは、じっくり時間をかける。反対に、富を築くのに失敗する人は、決断を下すのが遅く、変更するのがやたらに早い。しかもやたらに変更を行う」
6位:例外を認める
マネジャーとして組織のルールや方針を自ら遵守しない、または一部の人に対してのみ例外を認める。そんな振る舞いは絶対に避けなければならない。一貫性のない振る舞いは、信頼の崩壊を招くことだろう。最悪のケースはモラルハザードを引き起こす。
7位:謙虚さがない
問題とは、あるべき姿と現状とのギャップのことだ。現状を正しく認識し、問題を正しく捉え、その問題解決に向けて努力し続けることが、謙虚な姿勢である。
「私なんて、とてもとても……!」
「まだそんな実力はありません。本当に」
などと振る舞うのは「謙遜」ではなく「卑下」である。現状を正しく受け止め、真摯にあるべき姿に近付こうとする姿勢がないマネジャーは謙虚ではないし、マネジャーの仕事をする資格がない。
8位:ストレス耐性が低い
目標達成までの道のりは平たんではない。想定外のことの連続だ。だから「やり切る習慣」がない人は、ストレスに弱くなる。考える力も衰えていく。
このようなストレスに弱いマネジャーは困難な状況で冷静さを失い、的確な判断ができなくなるだろう。部下はマネジャーの不安定な姿勢に感化され、同じようにストレスに弱くなっていくはずだ。
9位:ネガティブな態度をとる
否定的、消極的な態度を取ることは、チームの士気を削ぎ、部下の意欲を減退させる。マネジャーは常にポジティブでなければならない(楽観的になれ、ということではない)。建設的な姿勢で部下と接することが重要だ。
わかりやすい言葉で書くと、「面倒なこと、気分が進まないこともポジティブに立ち向かえ」ということだ。
10位:人を育てる気がない
本当にこのようなマネジャーは、実在する。
部下の能力開発やキャリア形成を考えることができないマネジャーは、組織の持続可能な発展に欠かせない人財を育てることができない。どんなに経験豊富であっても、人を育てる意欲と能力に欠ける人はマネジャーとして不適格と言える。
以上、絶対に避けるべきマネジャーの特徴「ベスト10」を紹介した。
これらは一見、個々の特徴として捉えられるかもしれない。しかし実際には相互に影響を及ぼし合いながら、組織に大きなダメージを与えていくものだ。
だから今一度、これらの特徴から目をそらすべきではない。こんなマネジャーの下では、ドンドン若者が辞めてしまうかもしれないからだ。
<参考記事>