フードジャーナリストが実食して厳選! 絶対に食べるべき「逸品」5選!【2024年10月】
フードジャーナリストが心揺さぶられた一皿とは
フードジャーナリストとして活動を始めて早四半世紀。これまで累計で10,000軒以上の飲食店を食べ歩いてきた。何十年も毎日のように外食をしていると、少しずつ感動が薄れてくるのも事実。どこかで食べたような料理と出会うことも増えてきた。それでも日々外食を続けているのは、美味しさの先にある感動を求め続けているからかもしれない。
作り手の顔が見える料理を食べたい。その店でしか味わえない一皿と出会いたい。そんな思いを持って日々食べ歩きをする中で、驚きや感動がある料理と出会うと嬉しくなるものだ。日々食べ歩きの中で出会った、心を揺さぶられた一皿を毎月厳選してご紹介していきたい。なお掲載順は地域別に並べているだけで優劣を示すものではない。
シェフの遊び心あふれる『L'AS』の「フォアグラのクリスピーサンド」(東京・南青山)
南青山の閑静な住宅街にひっそりと佇むレストラン。2012年のオープン以来、人気を集めるフレンチ『L'AS』(東京都港区南青山4-16-3)は、開放的なオープンキッチンに面した活気のあるダイニングで、素材を活かしたフレンチをカジュアルかつリーズナブルに楽しむことが出来る店だ。
旬の食材を使った季節感あるコースは毎月内容が変わるが、必ず提供される永遠のスペシャリテが「フォアグラのクリスピーサンド」。ハーゲンダッツのクリスピーサンドをイメージした遊び心あふれる料理は、季節によって味が変わるフォアグラのテリーヌをクリスピーな生地で挟んだもの。袋を自らの手で開いてかぶりつく楽しさ。常識にとらわれない『L'AS』の世界観を表現した一品だ。
厳選ポイント:フォアグラを手で持ってかぶりつく楽しさ
驚くほど柔らかな分厚いヒレカツ『炭火焼肉 ふちおか』の「ヒレカツサンド」(東京・経堂)
小田急線経堂駅から歩いて5分。地元の人たちが買い物や食事を楽しむ「農大通り」の一角に、2017年にオープンした焼肉店が『炭火焼肉 ふちおか』(東京都世田谷区経堂1-5-8)。店主は市ヶ谷の名店『炭火焼肉 なかはら』出身。経堂に住む人たちはもちろん、食通や焼肉好きなどもこぞって訪れる人気店だ。
厳選した黒毛和牛のみを使用して、注文を受けてから手切りして提供するスタイル。アラカルトでもコースでも楽しめるが、おすすめは色々な部位をリーズナブルに楽しめるコース。中でもスペシャルコースに出て来る「ヒレカツサンド」は圧巻の逸品。分厚く切られたヒレ肉は驚くほどに柔らかで、噛み締めるごとに肉の旨味があふれ出す。
厳選ポイント:黒毛和牛の上質なヒレ肉の圧倒的な美味しさ
旬の野菜を楽しく味わう『Bon Marché Bonté』の「サラダ」(東京・浅草橋)
2009年オープン。浅草橋のたもと神田川リバーサイドで人気のワインイタリアン『Bon Marché Bonté』(東京都台東区柳橋1-3-5)。マルシェの名前の通り、ワイワイと活気あふれる市場のような雰囲気の中、しっかりと食事を楽しんだり、軽めにワインとシャルキュトリを合わせたりと、その時の気分に応じてリーズナブルな価格で料理やワインを楽しむことが出来る店だ。
肉の盛り合わせやローストチキンにパスタなど、この店で食べるべき料理は数あれど、契約農家から届く低農薬の野菜をたっぷり使ったサラダは必ずオーダーして欲しい一皿。旬の新鮮な野菜が豪快に盛り付けられて、様々な食感のコントラストを感じることが出来る。ボリュームもあるので皆でシェアして食べるとより楽しい。
厳選ポイント:新鮮な旬の野菜たちをガッツリ楽しめる
福岡のご当地グルメがスタイリッシュに『o/sio FUKUOKA』の「ごま鯖」(福岡・天神)
2022年、『sio』グループのカジュアルブランドが福岡に初進出。再開発が進む「天神ビックバン」の一翼を担う『天神イナチカ』のフードコンプレックス内で、本格的なイタリアンとワインをカジュアルに楽しむことが出来る店が『o/sio FUKUOKA』(福岡県福岡市中央区天神1-10-20 天神イナチカ)。コースも用意されているが、好みの料理をワインと合わせながら楽しむ人が多い店だ。
その日のオススメとして黒板に書かれたメニューの中で、ひときわ目を引いた一皿が「o/sioのごま鯖」。「ごま鯖」は福岡の和食店や居酒屋などでは定番のご当地グルメだが、こちらではオリーブオイルなどを使ってイタリアンテイストで提供。通常のメニューには書かれていない、こういう遊び心のあるメニューと出会えるのが食べ歩きの楽しさなのだ。
厳選ポイント:今までにない福岡の「ごま鯖」が楽しい
絞りたて胡麻油の芳醇な香り『神戸焼肉 大山』の「幻のレバ焼き」(福岡・西中洲)
多くの洒脱な飲食店が集まる、福岡西中洲に2024年9月にオープンしたばかりの『神戸焼肉 大山』(福岡県福岡市中央区西中洲1-4)は、大人の街西中洲にマッチした落ち着きのある空間で、極上の神戸ビーフをゆったりと楽しむことが出来るカウンタースタイルの焼肉店。早くも福岡の食通たちが足を運ぶ話題の店だ。
コースでもアラカルトでも楽しめるが、店主の大山さんに好みやお腹の具合と予算感を伝えて、オリジナルのコースを仕立てて貰うのが間違いない。数ある中で必ず食べるべき逸品は「幻のレバ焼き」。臭みのまったくない新鮮なレバに、擦りたて絞りたての自家製胡麻油を合わせたもので、芳醇な胡麻の香りが食欲を喚起するスターターにピッタリの一皿だ。
厳選ポイント:香り豊かな自家製胡麻油と新鮮なレバのマリアージュ
食べ歩きの楽しさとは、他では食べたことのないような新たな料理と巡り会えること。今回ご紹介したお店の逸品は、私が個人的に印象に残った料理を選んだものなので、もちろん他にも美味しいメニューがたくさんある。まずは気になったお店に足を運んで頂いて、自分だけの逸品を見つけてみて欲しい。
※写真は筆者の撮影によるものです。
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