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バルサを「サイド」から考察。クンデーヤマル、バルデーラフィーニャの関係性とサイド・アタック。

森田泰史スポーツライター
バルセロナで躍動するクンデとヤマル(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

サイドを制する者は、試合を制する。

ボクシングには、「左を制する者は世界を制する」という格言がある。それと同じように、フットボールの領域で、サイドを支配するのは重要な意味を持つ。

バルセロナの監督に就任したハンジ・フリック
バルセロナの監督に就任したハンジ・フリック写真:なかしまだいすけ/アフロ

昨季と今季を比較して、明らかに調子を上げているチームのひとつは、バルセロナだろう。ハンジ・フリック監督の就任後、リーガエスパニョーラ開幕から9試合で8勝1敗。2位のレアル・マドリーに勝ち点3差をつけ、首位を走っている。

■サイドの変化

そのバルセロナを、「サイド」から斬ってみる。

注目したいのはサイドバックだ。強い頃のバルセロナには、ダニ・アウベスとジョルディ・アルバがいた。

右サイドでD・アウベスが、左サイドでJ・アルバが躍動していたが、それぞれの役割は異なっていた。

D・アウベスは「MF化」できるサイドバックだった。いま思えば、彼は「偽サイドバック」のはしりだったと言えるかも知れない。ジョゼップ・グアルディオラ当時監督の要望で、移籍金3200万ユーロ(約49億円)でクラブが彼の獲得を決めたのには理由があった。D・アウベスの存在により、ペップ・バルサは3バックと4バックを自在に使いこなせていた。

シャビ・エルナンデス前監督が、一度、D・アウベスを「再獲得」したのは偶然ではない。裏を返せば、リオネル・メッシのような選手を育成するのと同じくらい、D・アウベスのような選手をカンテラから育て上げるのは難しいということだ。

J・アルバは大外のレーンとハーフレーンにおける走り分けを巧みに行いながら、バルサの左サイドで攻撃の起点になった。メッシという最高の相棒がいたのも大きかったが、彼らの連携によってゴール前を一気に崩す、というパターンで勝利への道筋がつけられたのは一度や二度ではない。

■現在地

そして、現在だ。ハンジ・フリック監督はアレッハンドロ・バルデ、ジュール・クンデを両サイドバックとして起用している。

バルデは長期離脱を強いられた負傷から復帰したばかりで、クンデはサイドバックでのプレーに納得していない。そういう意味でも、シーズン開幕前は彼らに懐疑的な目も向けられていた。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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