【上田市】「シンペイ~歌こそすべて~」のロケ地(4)上田蚕種(映画公開に先行して詳しく紹介)
2024年11月22日(金)より長野県で先行上映される映画「シンペイ~歌こそすべて~」。上田市内で5割程度が撮影されました。そこで一足早くロケ地の深掘り紹介をいたします。シリーズ第4回は上田蚕種株式会社です。
上田東高校と西友上田東店のあいだにある、水色の建物といえばおわかりの方も多いでしょう。南側の道路から見える部分は事務棟で、1917年に完成しました。第一次世界大戦の真っ只中ですね。
これまでにも上田蚕種は、多くの映画やドラマのロケ地となっています。有名なところでは「犬神家の一族」。映画の1976年版と2006年版、2018年のドラマ版で、いずれも「那須警察署」の設定で撮影されました。
事務棟入口上部の蚕にちなんだ意匠が、警察のマークに取り替えられてスクリーンに登場しました。
今回「シンペイ~歌こそすべて~」のなかで「芸術座の稽古場」という設定になったのは、事務棟の2Fにある部屋です。
普段は希少な繭や昔の織機などが保管されている部屋です。
今回のロケの際には、室内の物品をすべて運び出してセットを組んだそうです。
「芸術座の廊下」として撮影された、事務棟1Fがこちらになります。「企画室」となっている部屋は「晋平がお見合いを勧められる校長室」という設定で室内が映ります。
映画「犬神家の一族」では、同じ場所が「那須警察署」の廊下と署長室になりました。古い板張りの廊下なのですが、ピカピカに磨き上げられていて、美しさと懐かしさを感じました。
また「企画室」の奥にもう一部屋、小さな和室があり、そこが今回のロケでは「お座敷」になったそうです。
今では登録有形文化財となった、この事務棟が建てられた当時、上田の蚕糸業は質・量ともに全国トップクラスでした。
蚕都の名残を今に残す、上田の宝といっても過言ではないでしょう。