【上田市】「シンペイ~歌こそすべて~」のロケ地(7)塩田エリア(映画公開に先行して詳しく紹介)
2024年11月22日(金)より長野県で先行上映される映画「シンペイ~歌こそすべて~」のロケ地を深掘り紹介してきました。シリーズ最終回は塩田エリアの2か所です。
古安曽の安曽神社は、回想シーンで登場します。幼いころにジンタ(少人数の楽隊)を見て音楽の道を志した、と中山晋平が島村抱月に語っています。
印象的な2階建ての大きな門は「随身門」(ずいしんもん)といい、建てられたのは江戸時代の終わりに近い1824年です。
神社自体の正確な創建時期は不明ですが、伝わっている話では9世紀半ばにまで遡ることができるそうです。
もう1か所はリサーチパークに移築されている、旧宣教師館です。これまでも「きさらぎ駅」など、映画やドラマ、ミュージックビデオのロケ地になってきました。
現在WOWOWで放送中の「ゴールデンカムイ 」続編のロケ地にもなっています。信州上田フィルムコミッションに伺ったお話では、12月放送分のなかで登場するそうです。
特筆すべきなのは、ここで撮影されたグラビアや写真集、カレンダーの数の多さです。記録を確認したところ、40以上の作品がありました。
有名なところで例をあげますと、後に朝ドラ女優になった福原遥が2016年に雑誌の初グラビアを。「モーニング娘。」だった道重さゆみは2013年にソロ写真集「Blue Rose」をここで撮影しています。
2階の窓際、アフタヌーンティーを楽しむようなこの場所で、福原遥も道重さゆみもポーズをとっていましたが、同じ場所が今回、慶応病院の設定で登場します。ちょっと意外な感じがしますよね。
ところが歴史を紐解いてみると、不思議な縁がありました。1904年にカナダ・メソジスト派の婦人宣教師の住宅として上田城跡近くに建てられた、この旧宣教師館。
幼稚園教諭の養成という役割も担い、1919年まで日本の保母教育の拠点となっていました。
しかし1940年、戦況の悪化により宣教師たちは帰国することに。彼らからこの建物を購入した三吉敬蔵は、住宅兼病院としたのです。
史実では、中山晋平の最初の妻・敏子は1936年に亡くなっています。ほぼ同時期にこの旧宣教師館は、病院となっていたわけです。
明治期の本格的西洋館として貴重なこの建物を、1993年に三吉氏から上田市が譲り受け、現在の場所に移築・復元しました。
●旧宣教師館●
住所:上田市下之郷812番地8
開館日:3月21日から11月30日までの土・日・月曜日及び祝日
開館時間:9時から16時まで
入館料:一般100円/大学・高校生等80円/小・中学生50円