新型コロナ感染爆発、在日米海兵隊は「立ち入り禁止」地域をほぼ日本全国に拡大
新型コロナウイルスの日本国内の感染状況を踏まえ、本州唯一の米海兵隊基地となっている岩国航空基地は8月25日、隊員らを対象にした「立ち入り禁止」地域をほぼ全国に拡大した。
米海兵隊岩国航空基地は、広島、山口両県を除き、45都道府県をレッドゾーン(危険区域)こと赤色部分の「立ち入り禁止」地域に指定した。広島、山口両県については引き続き、緑色部分のグリーンゾーンに指定した。グリーンゾーンはレッドゾーンと違い、泊まりがけの滞在が認められている。
ただし、同基地は、広島県が25日中に日本政府の緊急事態宣言の対象に追加されることを見越して、同県に緊急事態宣言が発令されたのであれば、医療従事者や学校関係者、食料品店員らエッセンシャル・ワーカー(人々の日常生活を維持するために必要不可欠な仕事に従事している人々)のみが外出や移動の自由を認められると説明している。
日本政府は25日夕、感染症などの専門家でつくる「基本的対処方針分科会」に諮ったうえで、緊急事態宣言の対象地域を21都道府県、重点措置の適用地域を12県にそれぞれ拡大することを正式に決定する予定だ。
具体的には、東京や大阪など13都府県に出されている緊急事態宣言の対象地域に、北海道、宮城、岐阜、愛知、三重、滋賀、岡山、広島の8道県を追加する方針だ。まん延防止等重点措置については、高知、佐賀、長崎、宮崎の4県を新たに加える予定だ。
日本政府が緊急事態宣言とまん延防止等重点措置を合わせて、33都道府県を対象にしているのに対し、米海兵隊岩国航空基地は、より広い45都道府県を「立ち入り禁止」に指定している。在日米軍が菅政権よりも新型コロナウイルス感染爆発への警戒を強めている証しと言える。
このことは、上記の8月25日時点の地図を下記の8月18日時点の地図と比べると、在日米海兵隊が「立ち入り地域」を全国的にぐっと拡大したことでよくわかる。
感染拡大に歯止めがかからないのであれば、日本政府も在日米海兵隊と同じようにコロナ対策を強化し、緊急事態宣言を全国並みに拡大する可能性が出てくるだろう。
米海兵隊岩国航空基地は、この「トラベル規定」が日米地位協定こと駐留米軍の地位に関する協定(SOFA)が適用されるすべてのメンバーが対象になると述べている。米連邦職員ら非軍人も含まれている。
なお、厚生労働省は8月18日、東京や大阪、沖縄など40都道府県で、人口10万人当たりの直近1週間の新規感染者数が最も深刻な「ステージ4(感染爆発)」に相当し、前週の31都道府県からさらに増えたことを明らかにしている。
【追記:2021年8月27日正午すぎ】米海兵隊岩国航空基地は27日、広島県を「立ち入り禁止」地域に正式に追加した。
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