「BTS兵役と占い」疑惑 ミン・ヒジン氏本人が歴史的会見で語ったこと詳細「HYBEのエースは彼ら」
22日午前から突如始まった「HYBE VS ミン・ヒジン氏」の騒動。5日間が経ち、こういった構造が明らかになっている。
「ミン・ヒジン氏に出ていってほしいHYBE VS 出て行っても別にやっていけるが、簡単にはいかないミン・ヒジン氏」
【公式】「’ILLITのNewJeansコピー事件’に対するADORの公式見解」＝全文
双方そう思っているのなら、そうすればよいのだ。しかしそうはいかないところに問題の根深さがある。双方に制約条件があるからだ。
・HYBE＝感情のもつれはあるが、しかし株価が何より気にかかる。投資家が納得のいかない揉め事を起こしたくない。それゆえ存在感の大きいミン・ヒジン氏解任・辞任要求に際し「法的な理由が必要」。急に解任してもあれこれ詮索されるだけ。ならば先制攻撃で「HYBE乗っ取り疑惑を打ち出す」。はっきり言ってミン・ヒジン氏のことが気に食わないのは韓国でもよく知られるところだが、感情論には持っていけない。あくまで証拠を示し「経営乗っ取り＝背任」を理由に出て行ってもらうように仕向けている。
・ミン・ヒジン氏＝出ていってほしいならそう言ってくれればいい話。だとしても「自分の娘たち＝NewJeans」のことは割り切れない。一緒に出ていきたい。併せて、HYBE側が個人のメッセージのやりとりを含め、名誉棄損レベルの発表を繰り返している。我慢がならず25日に緊急会見を開催。赤裸々な内容、「雇われ社長の悲哀」を訴えることで劣勢だった世論は挽回したが、一方で「感情論に行きすぎ」との意見も。
構図はこうなのだが、話があちこちに飛び火するから分かりにくくなる。何せ登場人物がLE SSERAFIMやENHYPENだからそちらに関心が行く。さらにはこれが、同じHYBEのBTSにまで及んでいる。
パン・シヒョク氏、ミン・ヒジン氏がそれぞれBTSとNewJeansのプロデュースを手掛けている。それゆえお互いのグループへの思いが強い。些細な話ではあるが、今回の騒動を巻き起こす一要素であることは間違いがない。
なかなか日本のメディアでは「何を語ったのか」全文が紹介されることはないのではないか。ここで背景を整理しながら、内容を紹介する。
占い師との会話「BTSは軍隊に行くの？」「私が送ります」
25日午後のミン・ヒジン氏の「歴史的記者会見（韓国でもそう言われている）」には、その日午前の前段があった。HYBE側からの2度目の本件でのプレスリリース発行があり、そこでBTSに関する言及が飛び出した。先に話をBTSのキーワードを出したのはHYBE側だったのだ。
そこでは、「子会社のADOR代表であるミン・ヒジン氏側が、親会社のHYBEの経営を乗っ取ろうとしている」という点の証拠として社内でのカカオトークのやりとりに加え、この点を暴露した。
「ミン・ヒジン氏が韓国伝統のシャーマニズムに基づく占い師から乗っ取りのアドバイスを受けていた」
HYBE側が確保したというこの対話録によると、ミン氏の相手は2021年に「XX 0814」という名前の占い師。ミン氏を「オンニ（お姉さん）」と呼びつつ「この先3年間『お姉さん』を助ける」と話したという。
HYBE側の主張によれば「実際にミン氏がHYBEの経営権奪取のために本格的に動きはじめた時期が、占い師がコーチングした時期と一致する」という。2021年のことだ。
HYBE側の発表はここから先が露骨だった。会社経営乗っ取り疑惑の確証を取ろうとして、資料を確保したのだろうが、その際のミン氏と占い師のプライベートな領域とも取れる会話まで公開したのだ。
2021年といえば、BTSに兵役免除が施されるのか、大きく騒がれた時期。二人はこんな会話をしていた、とHYBEが公開した。
ミン氏：「BTSは、軍隊に行く？ 行かない？」
占い師：「行くでしょう」
ミン氏：「BTS（防弾少年団）が軍隊に行くことが私にとってはより良い事。彼ら（BTS）がいないことが、私にとっては得になる。行ってほしい。あなたはどう思う？」
占い師：「（私が韓国伝統のシャーマニズムに基づく方法で）送りますよ。（スポーツ選手が兵役免除になる、オリンピックやアジア大会での）金メダルを取ったわけでもないし」
さらに彼女たちが言ったこんな会話まで公開した。パン・シヒョク氏に関する評だ。HYBE側の暴露は、ミン氏が話を切り出すところから始まる。
ミン氏：「基本的なスキルがなく、単純に模倣、パクり」
占い師：「パン・シヒョク氏は自分で企画してここまで来たんじゃないの？」
ミン氏：「実は私のをまねてここまで来たんだよ（笑）」
こんな話を社外でするミン・ヒジン氏が問題なのか、はたまたわざわざこの話を引き合いに出すHYBEが問題なのか。
【公式】HIBE「25日のミン・ヒジン氏の会見を受けて」 26日に発表した公式見解＝全文
「BTSはエース。（HYBEの）エースじゃないですか」
いずれにせよ、この日の午後、ミン・ヒジン氏は緊急会見でこう口にした。会見での2時間15分にも及び語りつくした会見の中頃でこの件に言及した。細かい分まで日本語に訳して記す。
「正直に言って、『軍隊に行く、行かない?』と聞いたのは、NewJeansの母としての気持ちから自分の子供（メンバーたち）のことだけを考えていたからです。HYBEが私にうんざりするほど(ミン氏が準備していたNewJeansはどうなるのか？と)尋ねてきていたからです」
「BTSが（HYBE全体の）エースですよね。エースがいない状況で私たち(NewJeans)が活動することが（会社全体の）宣伝のポイントになるのかを聞いただけ」
「占いによる経営の要素がどこにあるのか。これは個人的な調査（会社に関する調査ではなく、プライベートに踏み込む調査）です。告訴します。話をした相手は、元々の知り合いなんですが、巫女（職業として韓国の伝統的信仰＝シャーマニズムに基づいて助言する人）なんです。HYBEでの勤務のせいで私は精神科に通っていて、心がスッキリしないから聞いただけです。占い師によって兵役の有無が決まるなら、全国民が占いを通じて兵役を決めるでしょう」
話はHYBEとその子会社のミン・ヒジン氏間の対立であり、そこにミン氏が愛でるNewJeansが絡んでくる。そういった事態に次々と出てくる同社所属グループたちの名前…HYBE側は会見のあった25日に再度プレスリリースを発行し、「アーティストを人質に会社を脅迫しているのはミン氏のほう」としている。
【参考記事＝筆者による】
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