首都圏新築マンション価格バブル超えでも、「庶民には手が出ない」は誤解。その理由は……
首都圏の新築マンション価格が平成バブル期を超えた、というニュースは昨年来、何度も報道された。そして、1月26日、不動産経済研究所は2022年の首都圏の新築マンション平均価格もバブル期を超え、2年連続で過去最高を更新したことを発表した。
ちなみに、バブル後期の1990年に記録された首都圏新築マンション平均価格は6214万円。これに対し、2021年が6260万円で、2022年が6288万円。2年続けて、首都圏の新築マンション平均価格がバブル超えとなったわけだ。
平成バブルというのは、1985年から1991年まで起きた狂乱の時代。株価が上がり、不動産価格も上昇。浮かれた人たちが六本木のディスコで踊り狂い、タクシーをつかまえるために1万円札を振った……そんな異常な時代よりも新築マンション価格が高くなったのか、と驚く人が多いだろう。
しかし、バブルが始まる前からマンションの取材をしていた私の頭の中には疑問符がいくつも浮かんでしまう。たとえば、バブル期のマンション価格は、現在とは比べものにならないほど高かった。にもかかわらず「バブル超え」となってしまう理由はなんだろうか。
バブル時、都心の中古3LDK80平米が7億円!
たとえば、バブルの中期、広尾ガーデンヒルズで80平米台の中古3LDKは最高で7億円まで上がった。新築時600万円とか800万円だった六本木のワンルームマンションは中古で軒並み1億円を超えた。
渋谷区内の賃貸マンション1DK(家賃10万円強)に住んでいた友人は部屋を明け渡す代わりに、立ち退き料で1000万円をもらった。が、隣の部屋の住人はゴネて1500万円もらったと聞いて悔しがった……今では信じられないような話がいくつもあった。
現在の状況は、そこまで狂乱的ではない。
それでも、首都圏全体の新築マンション平均価格が、バブル期よりも高くなったのは事実。そこには、どんな理由があるのか。
漠然とした疑問を持っていたのだが、1月末に古い資料を整理していて、あることを思い出した。それで、すっきりと疑問が解けた。「首都圏新築マンション価格がバブル超え」は間違いではない。が、必ずしも正確な状況分析とは言えなかったのである。
バブル期末期の1990年、都心マンションに起きたこと
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