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圧倒的な性能差。国内計測器メーカーの奮起を切望するデジタルクッキングスケールベストバイ2021

松浦達也編集者、ライター、フードアクティビスト
(写真:アフロ)

デジタルツールは「できれば国内メーカー」派である。PCは一時期Think PadやMacBookに浮気をしたが、たいていはいまも使っているDynabookかLet's Noteシリーズが一番多いし、2台持ちのスマホも1台はこの数年、ソニーのXperiaだ。カメラはレンズ資産とアクセサリ、アプリの使い勝手もあって一眼レフからコンパクトデジカメまでキヤノン。同じ性能、いや少々の差であれば、応援買いの意味も込めて国内メーカーの製品を買う。

もっとも圧倒的な先行を許していたり、機能差がある場合は話は別だ。例えば、低温調理器はもはや業界的な代名詞でもあるANOVAを使っているし、フードプロセッサーはクイジナート、スティックミキサーはブラウン。シンプルなコンベクションオーブンはデロンギが好きだ。

気づけば、キッチンツールはずいぶん海外メーカーの製品が増えてしまった。ざっとキッチンまわりを見たところ、国内メーカーの電化製品は冷蔵庫、電子レンジ、それに粉砕用のミルサー(イワタニ)くらいだ。

この事象はとりもなおさず、国内メーカーの商品開発力が(相対的に)落ちていることを意味する。

商品開発力が落ちているというのはどういうことか。消費者(生活者)のニーズを捉えきれていないのだ。その象徴的な例が、この数年で僕が買い替えた調理用の計測機器だ。

僕は家庭用のデジタルクッキングスケール(はかり)や肉用の芯温計は長くTANITA製を使ってきた。スケールもものによっては0.1g単位で計ることができるし、芯温計も0.1度単位で測ることができる。そうそう買い換えるものでもないし、計測された数字も正確っぽい。使っている間に、さほど大きな不満を感じることはなかった。

しかし昨年、長く使っていたスケールをイベントに持ち出した際に、行方不明になってしまった。さすがにスケールがないのは困る。新品を買うべくスペックを比較検討した結果、保守的な僕としては珍しく新たなスケールを買うことにした。BOMATAというブランドのスケールだ。

このスケールには機能面でどうにも国内メーカーにはないポイントがあった。今回はデジタルスケールを選ぶ際、海外メーカーの製品と国産メーカーの製品について、何を比較・検討したかの記録である。

繰り返しになるが、僕は同等のアイテムが国内メーカーから発売されていれば、1-2割程度の価格差ならば間違いなく国内メーカーの商品を買うような人間である。

まず、以下に比較対象領域に入りそうな4機種の主なスペック比較表をまとめておく。恐らく8割の人がスペックだけを見たら一択となるはずだ。

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編集者、ライター、フードアクティビスト

東京都武蔵野市生まれ。食専門誌から新聞、雑誌、Webなどで「調理の仕組みと科学」「大衆食文化」「食から見た地方論/メディア論」などをテーマに広く執筆・編集業務に携わる。テレビ、ラジオで食トレンドやニュースの解説なども。新刊は『教養としての「焼肉」大全』(扶桑社)。他『大人の肉ドリル』『新しい卵ドリル』(マガジンハウス)ほか。共著のレストラン年鑑『東京最高のレストラン』(ぴあ)審査員、『マンガ大賞』の選考員もつとめる。経営者や政治家、アーティストなど多様な分野のコンテンツを手がけ、近年は「生産者と消費者の分断」、「高齢者の食事情」などにも関心を向ける。日本BBQ協会公認BBQ上級インストラクター

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