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食べる仕事から見た【外食】に何が起きているのか【7月】中華空前の充実。今月の11店(画像67枚)

松浦達也編集者、ライター、フードアクティビスト

今年、中華料理店の充実が凄まじい。町中華ブーム、ガチ中華ブームなどさまざまなムーブメントを越えて、中華料理・中国料理は過去あらゆるカテゴリーの外食ブームのなかで、前代未聞とも言えるほど充実している。

象徴的な記事が今年5月、朝日新聞に掲載された。あの餃子の王将が創業以来、始めて売上高1000億円を突破したというのだ。

餃子の王将、売上高1014億円 創業以来初の1千億円超、昔ながらの手作りスタイルに支持

2024.05.18 朝日新聞 東京朝刊

超ざっくり内容を要約すると以下のような内容となる。

「餃子の王将」を展開する王将フードサービスが、創業以来初めて年間売上高1000億円を突破した。2024年3月期決算では、売上高が1014億円(前年比9.0%増)を記録。3度の値上げにもかかわらず、全ての月で直営店の来客数が前年を上回った。

社長の渡辺直人氏は快進撃の理由を「社会のデジタル化」に対する逆張りだと分析。オープンキッチンや手作り調理など、従来のスタイルを守ることが、顧客のニーズに合致。創業当時からの方針を堅持しつつ磨き上げたことが好調の要因だという。

【詳細は以下に】

https://digital.asahi.com/articles/DA3S15936674.html

国内の中華料理の飲食チェーンとしては最大規模の餃子の王将が売上を伸ばしている。それだけではなく、日本語が通じないような”ガチ中華”が池袋や上野、高田馬場などにいまだ続々増殖中だし、中華系のフードイベントも増えている。

各メディアで中華ブームについて取り上げられる機会も多い。埼玉や北陸地方など各地方紙の町中華の連載は好評だし、ガチ中華の書籍も発売された。テレビの情報番組でも台湾料理のイベントや中華のシェフが取り上げられる機会も多い。

(ガチ中華 ブームの先に:下)少数民族系・ハラール…味わう多様性 2024.05.01 朝日新聞 東京朝刊

https://digital.asahi.com/articles/DA3S15924852.html

東京タワーに台湾の夜市グルメが集結!紫色のシャリシャリかき氷「パオパオピン」とは?|2024/07/17 TBS NEWS DIG

https://www.youtube.com/watch?v=oDfqCV6m5lw

廃業から一転、激励を受け再開 志賀の中華料理店「唐人」 常連客の声受け「もうひと踏ん張り」2024.05.09 北國新聞 朝刊

https://www.47news.jp/10896503.html

中国料理人/脇屋友詞

2024.06.01 日本テレビ アナザースカイ

https://www.instagram.com/anothersky_ntv/p/C7gpMSxvvPh/

「進撃の『ガチ中華』」近藤大介著

2024.06.02 読売新聞 東京朝刊

https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/reviews/20240603-OYT8T50057/

東京近郊の中華料理に目を向けると、個人経営の町中華のニーズも根強く、リーズナブルにホッピングできると町中華飲みも盛んだし、若い料理人が独立してワインやクラフトビールと中華料理を合わせる店も増えた。一方でレジェンドと言われるようなシェフが、自身の名前を冠した超高級店も続々開店している。

中国の各地域に根ざした”ガチ中華”系の店は省単位で言えば、ほぼ中国全土の料理が食べられるようになった。さらに細かい地域の料理や、これまで日本で紹介されていない料理を提供する店も増えてきた。

7月に訪れた店をまとめてみて驚いた。中華料理や中華料理の影響下にあるようなメニューを食べた飲食店をピックアップすると40軒近くの飲食店を訪れていた。なかにはスシローのような回転寿司店で食べた担担麺もあるが、翻って言えば中華料理はそこまで食卓の日常に分け入ってきたとも言える。

いつの日にか、日本人の食卓は「中華系」などとカテゴライズなどできなくなる日も来るのかもしれない。

【ここからは、現在の中華料理ブームを象徴するような代表的な店、11軒について7889文字の記述と67点の画像を公開します】

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編集者、ライター、フードアクティビスト

東京都武蔵野市生まれ。食専門誌から新聞、雑誌、Webなどで「調理の仕組みと科学」「大衆食文化」「食から見た地方論/メディア論」などをテーマに広く執筆・編集業務に携わる。テレビ、ラジオで食トレンドやニュースの解説なども。新刊は『教養としての「焼肉」大全』(扶桑社)。他『大人の肉ドリル』『新しい卵ドリル』(マガジンハウス)ほか。共著のレストラン年鑑『東京最高のレストラン』(ぴあ)審査員、『マンガ大賞』の選考員もつとめる。経営者や政治家、アーティストなど多様な分野のコンテンツを手がけ、近年は「生産者と消費者の分断」、「高齢者の食事情」などにも関心を向ける。日本BBQ協会公認BBQ上級インストラクター

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