炭は自然に還らないってウソ?本当?焚き火やバーベキュー後の炭をキャンプ場に埋めてはいけない理由
最近は、焚き火やバーベキュー後の炭を土に埋めずに持ち帰るというルールが定着しています。焚き火やバーベキュー後の後片付けについて解説するサイトでは「炭を埋めても自然に還らないので持ち帰りましょう」という文言をよく見かけますね。
しかし、元々は薪を燃やしたものを土に埋めて自然に還らないというのは本当なのか?と感じる方もいるのではないでしょうか?
ということで今回は、炭を土に埋めて自然に還すことが難しい、土の中の微生物が炭を分解できない、とされている理由について紹介します!
炭は変化しにくい安定した物質
炭は焚き火やバーベキューの後に残った、黒い木のことです。「燃やし尽くした」状態というのは白っぽく触るとサラサラと崩れる状態の「灰」であり、「炭」とは異なります。
木が炭に変化する過程で起こること
「木」は大きく3つの物質で構成されています。
①セルロース
植物の繊維や細胞壁を構成する成分。木の45%程度を占める物質。
②ヘミセルロース
植物の細胞壁を構成する物質のうち、セルロースやペクチン以外の物質。木の20~30%程度を占める物質。
③リグニン
微生物に分解されにくくなる物質。木が腐らない様に、天然の防腐剤の役割を果たしている。木の20~31%程度を占める物質。
木を蒸し焼きにすると炭になります。
つまり、セルロースやヘミセルロース、リグニンなどの有機物に熱を加え分解する(性質を変化させる)ということです。
熱を加えると木は炭化(炭素を多く含んだ物質に変化)します。
炭素は一番小さな単位
炭素は元素(これ以上分解しても別のものに変化しないもの)の1つです。
地層には太古の火事の跡(木が炭化したもの)が残っている場所があります。これは、炭素がこれ以上変化しない性質であるために起こる現象です。
つまり、最小の単位である炭素をおおく含む炭は、土の中の微生物達が時間をかけても分解しづらいということです。
炭は自然に還らない
自然に還らない炭を埋めることは、土の中にゴミを埋めて捨てることと同じです。
以前は、アウトドア人口も少なかったのでそれほど問題にはなっていませんでしたが、アウトドアがブームとなった今、多くの人が炭を埋めて処理するとキャンプ場や河原が炭だらけになってしまいます。
また、土に埋めた炭が月日が経つことで、被せた土が流れてしまい浮き出てしまうことがあります。キャンプ場を汚すことになるので、炭を埋めて処理するのは控えましょう。
キャンプ場に炭捨て場がある場合はそちらを利用し、持ち帰る場合はしっかり鎮火を確認してから火消し壺などを利用し持ち帰ると便利です。
一度火をつけた炭は、良質な着火剤にもなるので捨ててしまわず再利用すると良いでしょう。
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