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海上自衛隊の護衛艦かが、四角形になった艦首が初公開 F35B搭載に向けて軽空母化改修が着々と進む

高橋浩祐米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員
四角形に改修された護衛艦かがの艦首(海上自衛隊第4護衛隊群の公式ツイッターより)

短距離離陸と垂直着陸が可能な米国製ステルス戦闘機F35Bを搭載できるよう、海上自衛隊のいずも型護衛艦2番艦「かが」の艦首が四角形に改修された。海自第4護衛隊群が27日にツイッターで公開した写真で明らかになった。軽空母化改修が着々と進んでいることがうかがえる。

政府は23日、過去最大の6兆8219億円に及ぶ2023年度防衛予算案を閣議決定した。このうち、いずも型護衛艦1番艦「いずも」と2番艦「かが」にF35Bを搭載できるよう、改修費として52億円を計上した。

「いずも」と「かが」の改修は、5年に一度実施される大規模な定期検査を利用して、それぞれ2回にわたって行われている。

海上幕僚監部広報室によると、海自呉基地を母港にする「かが」は今年3月にジャパンマリンユナイテッド呉事業所の修理ドックに入渠し、軽空母化に向けての1回目の改修工事が始まった。具体的には「いずも」で既に実施された飛行甲板上の耐熱塗装や標識塗装などに加えて、「いずも」に先駆けて艦首形状を四角形に変更する工事が実施されてきた。

もともとの艦首は台形。海幕によると、細い先端部分での乱気流を抑えてF35Bを安全に運用するために、甲板を横に付け足して四角形にすることが必要となっていた。

海上自衛隊最大の艦艇であるいずも型護衛艦2番艦「かが」。艦首右舷の前甲板先端には高性能20mm機関砲(ファランクスCIWS)がはっきりと見える。改修後の設置場所もやはり前甲板先端?(写真:海上自衛隊)
海上自衛隊最大の艦艇であるいずも型護衛艦2番艦「かが」。艦首右舷の前甲板先端には高性能20mm機関砲(ファランクスCIWS)がはっきりと見える。改修後の設置場所もやはり前甲板先端?(写真:海上自衛隊)

この「かが」の1回目の改修は来年度に終わる予定だ。2回目の改修は2026、2027の両年度に実施される。

「かが」の2回目の改修に向け、防衛省は来年度、着艦誘導装置を取得する。また、飛行甲板にある標識灯火灯を改造するほか、温度計測装置の工事を実施する。さらに衛星通信装置も改造する。

海上自衛隊最大の艦艇であるいずも型護衛艦1番艦「いずも」。1回目の改修が既に終わり、飛行甲板に黄色の標示線(トラムライン)が引かれた(写真:海上自衛隊)
海上自衛隊最大の艦艇であるいずも型護衛艦1番艦「いずも」。1回目の改修が既に終わり、飛行甲板に黄色の標示線(トラムライン)が引かれた(写真:海上自衛隊)

なお、防衛省によると、来年度のいずも型軽空母改修費52億円の中には米軍からの技術支援経費も含まれている。

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米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員

英軍事週刊誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」前東京特派員。コリアタウンがある川崎市川崎区桜本の出身。令和元年度内閣府主催「世界青年の船」日本ナショナルリーダー。米ボルチモア市民栄誉賞受賞。ハフポスト日本版元編集長。元日経CNBCコメンテーター。1993年慶応大学経済学部卒、2004年米コロンビア大学大学院ジャーナリズムスクールとSIPA(国際公共政策大学院)を修了。朝日新聞やアジアタイムズ、ブルームバーグで記者を務める。NK NewsやNikkei Asia、Naval News、東洋経済、週刊文春、論座、英紙ガーディアン、シンガポール紙ストレーツ・タイムズ等に記事掲載。

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