北海道網走流氷観光の目玉!砕氷船「おーろら」を楽しもう
冬の北海道オホーツク海といえば流氷。流氷を楽しむ交通機関といえば、網走の流氷観光船(外部リンク)。2024年1月から2月にかけて網走に流氷が多く押し寄せ、多くの観光客で賑わいました。
筆者は2024年2月の穏やかな晴れの日、1991年から活躍する流氷観光砕氷船「おーろら」に乗船。2023年に就航した小型船「おーろら3」と乗り比べて来ました。
「おーろら」は大型船であり、観光目的では世界で初めて就航した砕氷船。しかし天候や流氷の状況に運航が大きく左右されます。
3月31日まで運航予定の「おーろら」にこれから乗りたい方、天候や海上模様が悪く乗船を断念した方、本当は乗りたいけど事情があって行けない方に役立つ乗船記を、元旅客船会社運航管理担当者の目線で紹介します。
流氷へドーン!世界初の観光目的砕氷船
道東観光開発(外部リンク)が運航する「おーろら」は、世界で初めて観光目的砕氷船として建造された旅客船です。
船内には流氷をどのように砕きながら進むかパネルで解説中。網走港周辺に流氷がある時は、実際に流氷を割りながら航海する様子が魅力的で多くの方が乗船します。
また大型船「おーろら」が小型船「おーろら3」と異なる点は、救命胴衣を着用せずに乗船出来ることです。
それでは船内について詳しく紹介します。
暖かい船内でも楽しめる!
がっちりした防寒対策が必須である小型船「おーろら3」に比べれば、大型船の「おーろら」は船体が大きく、暖房完備の広い客室があるため、寒さが苦手な人、あまり防寒対策出来なかった人も船内から楽しめる特長があります。
中でも眺めがよいのは乗船してから別料金が必要な先着順利用の「特別席」。料金は出港直後に、乗船券とは別に現金で船員に支払う必要がある場所です。
もちろん特別席以外の「通常席」でも楽しめます。
「おーろら」でぜひ立ち寄りたいのは船内の売店。「おーろら」限定品があるほか、道東観光開発のグループ会社・網走ビールが購入可能。
操舵室や機関室への立ち入りは禁止ですが、「おーろら」の船内では船長になった気分を体感出来るパネルがあります。
売店そばには船員の制服を借りて記念写真などを撮影出来るコーナーも。実は船員の職位は袖のモールで判ります。
でも流氷や景色を満喫したいなら、防寒対策を万全にして客室の外に出てみることを強くおススメ!
デッキから迫力ある光景を楽しもう!
上のデッキも下のデッキも迫力あり
流氷がある区域を航行出来る時、実際に流氷を時にはドーンと割りながら進む光景は迫力満点。
流氷との距離が近いのは下のデッキですが、上のデッキからも十分楽しめるでしょう。
晴れていれば景色も良し!
流氷以外でも天気が良ければ、海だけでなく遠くの山々がきれいに見えた時は素晴らしいの一言。筆者が乗船した時は美しい斜里岳が顔を出していました。
更に遠い知床連山も見えることも。見えたらラッキー。
なお流氷が網走港や周辺に無い場合は、能取岬を遊覧する事が多いです。
なお船尾には特に外国人に人気の記念写真スポットがあるのでぜひ寄りましょう。
天候や流氷の分布次第で航海計画が突然変わる事がありますが、それも乗船時の楽しみになる心構えを持つと楽しめます。
乗り場は道の駅流氷街道網走!
「おーろら」の乗り場は小型船「おーろら3」と同じく道の駅流氷街道網走。
乗船券のデザインは大型船の「おーろら」と小型船の「おーろら3」で異なります。
大型船「おーろら」では岸壁に降りることなく、専用のゲートを使って乗降可能。
段差も少ないので、体が不自由な乗客もある程度不自由さが少なく移動可能。
ただ船内にエレベーターはありません。バリアフリー設備が求められる時代より前に建造された船なので、やむを得ません。
続いて道の駅流氷街道網走までのアクセスをまとめます。
網走駅前・網走バスターミナルからバス
道東観光開発が案内するルートは、網走バス(外部リンク)を利用する方法。「おーろら」が運航される時期は、網走市内の観光施設巡りルート(外部リンク)のほか、
女満別空港と網走市内を結ぶ連絡バスも道の駅流氷街道網走まで一部延長運転(外部リンク)します。
道東観光開発と網走バス、更に道の駅流氷街道網走の運営はタカハシグループ。同じグループ内の宣伝が主体となるのは止むを得ません。
しかし道東観光開発さんは書いていないけど、鉄道好きにおススメのアクセス方法があるので紹介します。
実は釧網本線・桂台駅から徒歩10分!
網走駅の隣にある釧網本線の駅・桂台駅が実は近いのです。
桂台駅は無人駅ですが、近くに学校があるので、乗降客数は比較的多め。
桂台駅出入口の目の前にある道路を北側に進むと道の駅流氷街道網走に近づけます。
右側に網走市役所が現れたらもうすぐです。
ただ釧網本線の本数は多くないので、ダイヤを確認してから利用しましょう。
安全対策もしっかり!「おーろら」
2022年4月23日の知床遊覧船事故は、春から秋にかけて知床で遊覧船を運航するおーろらの運航会社・道東観光開発にとって大変な出来事でした(参照・国土交通省事故報告書・外部リンク)。
船内でも道東観光開発や運航船員が行う安全への取組みを紹介しています。
知床遊覧船事故で指摘が相次いだ救命いかだ(救命艇)は大型船「おーろら」には就航時から常備。
救命いかだを降ろし、安全に乗客や船員を救命いかだへ移動する時に使用する支援艇は、一般乗客は入れない操舵室の後ろに常備され、運航船員が操作します。
安全第一で運航されていますので、乗客も安全第一で流氷観光を楽しんで欲しいです。
まとめ
1.網走流氷観光砕氷船「おーろら」は世界で初めて観光目的で建造された砕氷船。
2.暖房完備の客室からでも流氷観光は楽しめるが、迫力ある光景を見るならデッキに出る事がおススメ。
3.見通しが良い日は知床連山や斜里岳が見える事もある。
4.流氷や天気の状況で航海計画が都度変わる。
5.安全第一で運航中。
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