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流氷を詳しく楽しめる小型観光船!網走「おーろら3」

宙船乗り物大好きライター・そらふね
網走小型流氷観光船「おーろら3」

冬の北海道オホーツク海といえば流氷。流氷を楽しむ乗り物といえば、網走の流氷観光船(外部リンク)でしょう。
2023年3月、網走流氷観光船に小型新造船「おーろら3」が就航。大型船では体験できない流氷の姿を体感出来る船として活躍しています。2024年は2月17日から就航し、天候や流氷状況、利用数次第ですが、3月15日まで運航を予定。
新しい流氷観光を体感しに北海道網走へ行ってみませんか。

2023年3月就航!網走小型流氷観光船「おーろら3」

「おーろら3」は2023年3月に就航したばかりの小型流氷観光船。大型船の「おーろら」と違い、流氷を砕く性能はありませんが、通常の小型船より厚みがあるアルミを使った頑丈な船体で、流氷の近くを航行可能です。春夏秋は知床・ウトロを拠点に、知床観光船として活躍。

おーろら3船尾側(大型船おーろらより撮影)
おーろら3船尾側(大型船おーろらより撮影)

なお小型流氷観光船「おーろら3」に乗船出来るのは網走(あばしり)です!100km以上先にある紋別ではありません!!!網走と紋別との違いをご存知ない、主に道外の人が多いようですので強調致します。

乗り場は「道の駅流氷街道網走」

網走流氷小型観光船「おーろら3」の乗場は、大型船「おーろら」と同じく道の駅流氷街道網走(外部リンク)。道の駅1階には網走市観光協会(外部リンク)の観光案内所があります。

道の駅と船・左:小型「おーろら3」/中央:大型「おーろら」
道の駅と船・左:小型「おーろら3」/中央:大型「おーろら」

道の駅1階に乗船券発売所があります。「おーろら3」は一番右の窓口。

乗船受付は「おーろら」と同じ場所
乗船受付は「おーろら」と同じ場所

乗船券のデザインは大型船と異なります。
また航海時間が大型船1時間に対し、2時間と倍あるため、料金も大型船の4,000円(大人1人あたり)に対し小型船は8,000円(同)。
なお流氷や波浪状況次第では航海時間が前後する場合があります。更に天気や波浪が酷い時、更に予約が少なすぎる場合は欠航する事がありますので当日確認しましょう。
なお大型船定員390人に対し、小型船の定員が冬季は30人。少ない人数でより深く流氷を楽しめます。

乗船券も大型船とデザインが異なる
乗船券も大型船とデザインが異なる

小型船の乗客には希望者に対し双眼鏡のレンタルがあります。特に遠くの景色や野鳥観察したい方にはありがたいですね。

希望者には乗船前に双眼鏡のレンタルあり
希望者には乗船前に双眼鏡のレンタルあり

乗船口は大型船と同じ場所。出港時間をずらしているので、同時に並ぶ事はありません。

乗り場は大型船と同じ
乗り場は大型船と同じ

乗船時の通路は大型船と外に出てからは異なります。

乗船通路が大型船と大半が異なる
乗船通路が大型船と大半が異なる

関係者と乗客しか通れない通路や岸壁を通り「おーろら3」に乗船します。

乗船はタラップを使用し2階デッキへ
乗船はタラップを使用し2階デッキへ

乗降りにはタラップを使用しますので、正直体が不自由な方の利用は厳しいでしょう。

船体の色にこだわり!

「おーろら3」の船体はエメラルドグリーンの基本色にオレンジが入った色調。

エメラルドグリーンとオレンジを主体としたカラーリング
エメラルドグリーンとオレンジを主体としたカラーリング

エメラルドグリーンは「自然」と「新しいはじまり」、オレンジは幸福感という意味(外部リンク)

船内紹介・冷暖房完備の客室&トイレあり

流氷は見たいけど寒い外気にずっと触れるのは出来ない、防寒設備は不十分という方は、暖房完備の1階客室からの鑑賞をおすすめします。

暖房完備の1階客室
暖房完備の1階客室

1階客室には暖かい飲み物が無料で飲めるドリンクコーナーがあるので、乗船前にドリンクを購入しなくても良いかも。なおセルフサービスなので、船体の揺れなどに注意して準備や飲みましょう。

1階客室にはドリンクコーナー
1階客室にはドリンクコーナー

流氷や海を身近に感じる事が出来るのは1階後方デッキとサイドデッキでしょう。更にサイドデッキを通って船首側にも行けますが、風をもろに受けますので防寒対策をしっかりして下さい。

1階後方デッキ客席
1階後方デッキ客席

乗船前トイレに行く事を強くお勧めしますがどうしてもという方には1階デッキのトイレを使用しましょう。

トイレは船体中央右側にある
トイレは船体中央右側にある

航海中は揺れますので十分注意して下さい。

トイレ内部。座って用を足しましょう。
トイレ内部。座って用を足しましょう。

続いて景色について紹介します。

大型船と違った出港風景を楽しもう!

ちょっとマニアックですが、大型船「おーろら」とは違った視点での出港風景が楽しめるのも小型船の特徴。

1階サイドデッキからは岸壁より下がよく見える
1階サイドデッキからは岸壁より下がよく見える

大型船より船体を固定するロープのための設備が間近。これは小型船ならではです。

係船設備が間近
係船設備が間近

大型船では船首に行けませんが、小型船では振り返れば操舵室が見えます。

船首から操舵室
船首から操舵室

出港時・入港時は道の駅の建物の裏側を反対側の河岸に行かなくても可能。

おーろら3が現在使用する岸壁は道の駅の前
おーろら3が現在使用する岸壁は道の駅の前

ぜひ大型船に乗った事がある方は、景色の違いを他にも探してみて下さい。

大型船「おーろら」では体験出来ないイベント開催!

小型船「おーろら3」では大型船では行われない流氷をより身近に学べるイベントが、天候が良ければ実施されます。

1.流氷採集

船上でのイベント1件目は、船員が網を使って小型の流氷を採集するというもの。

サイドデッキにある網を使用
サイドデッキにある網を使用

サイドデッキで網を降ろし、流氷を採取。

船員が網で流氷採集中
船員が網で流氷採集中

捕獲した流氷は帰港まで1階デッキで展示されます。

採集した流氷は1階デッキで展示
採集した流氷は1階デッキで展示

この後場所を移動し、海面下の流氷を観察する事になりました。

2.流氷の下へ水中ドローンを投入!

2階デッキにいる船員が慌ただしく操作盤を準備していました。

2階デッキでドローン操作盤を準備
2階デッキでドローン操作盤を準備

2階デッキの1座席を使用し操作。

2階デッキのこの椅子で操作
2階デッキのこの椅子で操作

一方1階にいる船員は、海中に投入する水中ドローンをセット。

1階サイドデッキで水中ドローンを準備
1階サイドデッキで水中ドローンを準備

サイドデッキから水中ドローンを投下しました。

水中ドローンを投下
水中ドローンを投下

乗客は船内のTVを見るよう放送があり、行ってみると海面下の流氷が映し出されました。

客席TVで流氷の海面下の様子を放映
客席TVで流氷の海面下の様子を放映

ドローンを回収し終えたら、おーろら3は網走港へ戻ります。

安全対策もしっかり!おーろら3

2022年4月23日の知床遊覧船事故は、春から秋にかけて知床で遊覧船を運航するおーろらの運航会社・道東観光開発にとって大変な出来事でした(参照・国土交通省事故報告書・外部リンク)。
事故後に就航したおーろら3では現行の法令では義務付けられていませんが、義務にすべきという専門家などの意見が多かった小型船用の救命いかだを搭載しています。

乗客は救命胴衣の着用が義務。乗船改札時に救命胴衣は貸与。

小型船なので乗客は救命胴衣着用が義務(改札時に撮影)
小型船なので乗客は救命胴衣着用が義務(改札時に撮影)

非常時に使用する浮き具も完備。

2階展望デッキにある救命浮器
2階展望デッキにある救命浮器

海に落ちた人を助ける時に使用する浮輪。

1階サイドデッキにある救命ふかん(浮輪)
1階サイドデッキにある救命ふかん(浮輪)

そしてこちらが救命いかだ。運航会社のパンフレットには実際に開いた時の写真が掲載(外部リンク)されていますが、普段は1階デッキ客席に常備。船舶検査時には開けて確認します。

1階サイドデッキにある救命いかだ(法定外備品)
1階サイドデッキにある救命いかだ(法定外備品)

小型船ならではの注意点として、2階デッキに定員以上行けない事を挙げます。2階に人が多すぎると、船のバランスが崩れます。2階デッキには操船する船長の他に船員が必ず1人いますが、彼の重要任務は2階の乗船人員の確認と必要時の乗客移動指示。

ちなみに船員の定員は3名ですが、冬季は4名乗船しています。また乗客定員は夏季の方が多く71名。

2階に上がれる乗客数には制限がある
2階に上がれる乗客数には制限がある

まとめ

1.2023年3月、道東観光開発は網走港発着の流氷小型観光船「おーろら3」を就航。2024年は2月17日から運航。
2.船内には暖房完備の客室に、外部でより海面に近い視線で流氷を楽しめるサイドデッキがある。
3.大型船にはない小型船「おーろら3」独自のイベントとして、流氷採集、水中ドローンを用いた海面下の流氷観察が行われる。
4.知床遊覧船事故を受け、安全管理が強化された船である。

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乗り物大好きライター・そらふね

地元北海道を中心に日本を旅するフォトライターです。フェリー・飛行機・鉄道旅が得意分野。船会社で船員管理・港業務・営業を経験後、旅行サイトでライターとなる。船・地方空港・名所・ホテルを紹介する記事を多く掲載しました。乗り物移動をより楽しくがモットー。

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