乗船前に役立つ波浪予報サイト3選
知床遊覧船の事故報道で、遊覧船やフェリー、釣り船の利用客は海上状況が判らないという意見が多く出ています。もちろん船を動かすか止めるかを最終的に判断するのは運航会社や船長。しかし乗る前に運航会社や船長しか判らないかというと、実はそうではなくある程度調べられます。
私は以前国内のフェリー会社に勤務し、運航管理補助業務も担当しました。利用予定客に時化のため運休・遅れのために直接説明した経験多数。業務で情報収集で役立つサイトを多く利用してきました。波浪予報サイトを見ると、
- 穏やかそうだ
- 波が高そうだから酔い止めを多く持って行こう
- 時化そうだから欠航や遅れなどに備えよう
上記の状況などを想定し、旅行やレジャーを準備出来ます。そんな皆さんに役立つ、無料で一般の人も使えるサイトとその基本的な利用法を紹介しましょう。
<この記事を読むメリット>
1.遊覧船、フェリー、釣船などに乗船予定、利用を検討している人が、予定日時に海が穏やかか荒れるかある程度判ります。
2.船を利用した旅行を催行する旅行業者が、予定日時の海況をサイトでチェックすれば、利用予定客にある程度説明できるようになります。
*注意*
2022年5月27日午後3時現在のスクショを用いて説明しています。
波浪予報は日によって変化しサイトは次々と更新されるので、全く同じ予報になることはありません。
1.GPV
GPVとは気象庁や米国海洋大気局等の気象予測モデルをスーパーコンピュータで計算した予測値のサイトです。モデルでは詳細と広域があり、詳細では39時間(1日半)、広域では264時間(11日)先の数値予想を表示する事が出来ます。
まず詳細39時間を見てみよう!
上記スクショの黄丸で囲った部分にある「詳細(39時間)」をクリックし、赤丸で囲った「沿岸波浪」をクリックしてみましょう。
「道北」の沿岸波浪が表示されます。サイトの右側に波の高さが0mから7mまで色での例を見て行きますと、網走、斜里町ウトロは穏やかな波浪ですが、太平洋側の釧路では波の高さが3mと時化る予想だと判ります。
「詳細(39時間)」では、「道北」の他に「道南」「北東北」「南東北」「関東」「中部」「近畿」「中四国」「九州」「沖縄」「奄美」「伊豆諸島」のエリアがあります。皆さんが見たいエリアを選び、表示されたら上にある「予報時刻< >」をクリックしながら見たい時刻まで移動するのみです。
広域では最大11日後の予想まで可能!
次は下図・黄色丸の「広域'(264時間)」の白丸をクリックしてみましょう。
その中から「東日本」を選択し、「沿岸波浪」をクリックしてみましょう。
北海道から関東・中部・近畿・中国の一部までの波浪予想が表示されます。あとは「予想時刻< >」の箇所をクリックしながら、見たい時間帯の予想まで進めて下さい。
広域(264時間)では「西日本」「南西諸島」「日本」の範囲で選択可能。
2.Windy
Windy(ウィンディ)はチェコの企業が提供するオンライン天気予報サービスです。最大10日間の風、雨・雷、雲、気温、波などの予報を自分が見たい地域に合わせてみる事が可能。ここでは波について紹介します。
Windyのトップページを開き、自分が見たい海域の範囲をサイト上で選択していき、右側にある「波」をクリックすると、上図の様(日本列島の大半が出るようにやっています)に表示されます。自分が見たい地域(ここでは北海道斜里町ウトロ)をクリックすれば、波の向きと波高を表示する事も可能。
表示の下部にある日時のスクロールをしながら、自分が見たい日時まで進めましょう。
次に右下にある波高と色を参照しながら、自分の見たい海域の波高を確認すればOKです。
3.海天気jp
GPVやWindyはどちらかといえば広い海域を確認するのに最適ですが、港の中など比較的狭い海域をより詳しく見たい場合には不便かもしれません。そんな時にオススメのサイトが海天気jpです。
トップページを開き、「スポットの天気を調べる」または「都道府県エリアから調べる」から見たいエリア・港を選択します。今回は北海道斜里町ウトロ漁港を例に説明します。
3時間毎、1時間毎などの項目から選んでいきましょう。上図は1時間毎の予報です。天気、降水、気温、雷、風、沿岸波浪、潮汐と詳細にあります。
波シュミレーターでは、GPVと同様に付近の波浪予報を見る事が可能です。
まとめ
GPV、Windy、海天気jpのうち、目的や好みにあったサイトを上手く使えば、船に乗る時や直前、または計画を立てる時にきっと役立ちます。何も心構えや準備なく乗り場へ向かうより、少しでも準備出来れば、リスクを減らす事が出来るはずです。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。