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200安打に到達した直後、30-30にリーチをかける。200-30-30なら何人目!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)Sep 16, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月16日、ボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)は、3回裏にシーズン32本目のホームラン――今シーズン2本目のグランドスラム――を打ち、5回裏の内野安打でシーズン200安打に到達した直後、二盗を成功させ、30-30にリーチをかけた。

 30-30あるいは40-40のシーズンに200安打も記録した選手は、そう多くない。盗塁をあと1つ増やすと、ウィットJr.は、昨シーズンのロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)に続く、史上10人目となる。

 それらに加え、ウィットJr.は、二塁打43本と三塁打11本も記録している。1シーズンに、200安打、40二塁打、10三塁打、30本塁打、30盗塁は、まだ誰も成し遂げていない。

筆者作成
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 ウィットJr.は、今シーズンがメジャーリーグ3年目だ。各シーズンの安打は150本→177本→200本、二塁打は31本→28本→43本、三塁打は6本→11本→11本、ホームランは20本→30本→32本、盗塁は30→49→29と推移している。打率は.254→.276→.332、出塁率は.294→.319→.384、OPSは.722→.813→.984だ。今シーズンの打率は、両リーグで最も高い。

 今シーズンが始まる前に、ロイヤルズは、ウィットJr.と延長契約を交わした。それについては、こちらで書いた。

「1億ドル以上の契約が皆無だった球団が3倍以上の延長契約を交わす。11年2億8877万7777ドル」

 MVP投票では、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)の後塵を拝することになりそうだが、期待以上の契約1年目、と言っていいだろう。

 また、ロイヤルズは、ワイルドカード・レースの2位に位置している。このままいけば、ワールドシリーズ優勝を飾った2015年以来のポストシーズン進出となる。2016~23年は、勝ち越したシーズンもなかった。

 ちなみに、父のボビー・ウィットは、2001年にワールドシリーズ優勝を経験している。アリゾナ・ダイヤモンドバックスのリリーバーとして、ワールドシリーズ第6戦に1イニングを投げ、これがキャリア最後の登板となった。なお、姉3人の結婚相手もメジャーリーグでプレーしたが、いずれも、メジャーリーグのポストシーズン出場は――少なくとも今のところは――皆無だ。

「オリックスに入団したトーマスの義弟は昨年「30-30」を達成。義父は通算142勝、義兄は元・埼玉西武」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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