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オリックスに入団したトーマスの義弟は昨年「30-30」を達成。義父は通算142勝、義兄は元・埼玉西武

宇根夏樹ベースボール・ライター
コーディ・トーマス Jul 21, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 オリックス・バファローズに入団したコーディ・トーマスの親戚には、4人のメジャーリーガーがいる。ボビー・ウィットボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)、ジェームズ・ラッセルザック・ニールがそうだ。トーマス自身に、ラッセルの父であるジェフ・ラッセルも含めると、6人となる。

 1986~2001年に142勝157敗のウィットは、ニッキ、キアナ、シェイリー、ウィットJr.の父だ。ニッキはジェームズ・ラッセル、キアナはニール、シェイリーはトーマスと結婚した。

 彼らについては、3年前にもこちらで書いた。

「大谷翔平を上回る特大ホームランを打ったのは、埼玉西武のニールの義弟」

 当時、ウィットJr.とトーマスは、メジャーリーガーではなかった。また、トーマスとシェイリーは、婚約中だった。

 ウィットJr.は、2022年の開幕戦でデビューし、この年は20本塁打と30盗塁。2023年は、その数をさらに増やし、30本塁打と49盗塁の「30-30」を達成した。盗塁死15度は両リーグ最多だが、三塁打11本も両リーグで最も多かった。

 トーマスは、ウィットJr.の5ヵ月後にメジャーデビュー。2022年と2023年を合わせ、オークランド・アスレティックスで29試合に出場している。ホームランは昨年7月19日の1本、盗塁(と盗塁死)はゼロだ。

 ウィットJr.とトーマスからすると義兄のニールは、2019~21年の埼玉西武ライオンズ時代を挟み、2016~18年と2023年にメジャーリーグで45試合に登板している。5年ぶりにメジャーリーグで投げた2023年は、14登板の27.0イニングで防御率6.67を記録した。8月3日は、ニールが7回裏と8回裏に投げ、トーマスは9回表に代打として起用された。トーマスが三振を喫し、試合は終わった。現在、ニールはFAだ。

 トーマスは、2021年にAAAの59試合で打率.289と出塁率.363を記録し、18本のホームランを打った。7月下旬に右のアキレス腱を痛めなければ、この年にメジャーデビューしていたのではないだろうか。アスレティックスは、ライトを守る選手が定まっていなかった。2023年は、AAAの107試合で打率.301と出塁率.361、23本塁打。三塁打は8本、二塁打は27本だ。打者有利のリーグで記録したスタッツとはいえ、日本プロ野球でも、パワーを発揮してもおかしくない。

 埼玉西武時代のニールは、先発49登板の272.1イニングで防御率4.49ながら、2019年は17登板で100.1イニングを投げ、防御率2.87(と12勝1敗)を記録した。

 なお、ジェームズ・ラッセル、トーマス、ウィットJr.の3人は、テキサス州のコリービル・ヘリテイジ高に通った。ウィット、ニール、トーマスの3人は、オクラホマ大から――ウィットJr.は高校から――プロ入りした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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